■弱肉強食
私はハンドメイド以外のことには興味がなかったせいでイマイチ疎かったのだけれど、世の中では現在「女子起業ブーム(ママ起業ブーム)」や「セミナーブーム」というものもお盛んであるらしい。
だから、手作りが元々好きな人たちばかりでなく、物作りに全く素養の無い、下手したら大して興味も無い方々までが、続々とハンドメイド作家&講師を目指しているのだろうか。
たまたまハンドメイドが起業やセミナーのブームにうまくはまっただけなのかもしれない。
こぢんまりしていた世界に誰でも彼でもがやってきて、人が増えると起こるのは、それまでのコミュニティの調和とルールの崩壊、それに代わって弱肉強食という新ルールの台頭(たいとう)である。

画像元「進撃の巨人」
私はハンドメイド以外のことには興味がなかったせいでイマイチ疎かったのだけれど、世の中では現在「女子起業ブーム(ママ起業ブーム)」や「セミナーブーム」というものもお盛んであるらしい。
だから、手作りが元々好きな人たちばかりでなく、物作りに全く素養の無い、下手したら大して興味も無い方々までが、続々とハンドメイド作家&講師を目指しているのだろうか。
たまたまハンドメイドが起業やセミナーのブームにうまくはまっただけなのかもしれない。
こぢんまりしていた世界に誰でも彼でもがやってきて、人が増えると起こるのは、それまでのコミュニティの調和とルールの崩壊、それに代わって弱肉強食という新ルールの台頭(たいとう)である。
画像元「進撃の巨人」
ハンドメイドやクラフトイベントで、人気と実力のある作家さんたちとお話しすると分かってくる。
私は図々しいので、
「ハンドメイドで生活できてますか?」
「売り上げっていくら位ですか?」
「イベントでの売り上げが落ちてるって他の作家さんたちから聞くんですけど、大丈夫ですか?」
なんて率直に聞いてしまうのだけど、自信のある方々は余裕があるので答えてくれる。
「月商100万はふつーに超えますから生活は余裕ですよ。」
「そうですね。このペースだと今年は年商1000万超えそうですね。」
「イベントに人少ないですか? 私は売り上げ落ちてません。」
さすが、プロは違う。
そうなのだ。
競争が熾烈(しれつ)になってもきっちりお金を稼いでいるのは、元々ブームが始まるずーっと以前から作家活動を仕事にされてきて、ブームなんてあろうがなかろうが足元がゆるぎない方や、ハンドメイド市場でも作品を売っている、美大芸大出身で人生の早い地点から活動をスタートさせ創作を生業(なりわい)としてきたプロクリエイターたちなのである。
ブームの前からハンドメイド界でご活躍されてきた人気作家さんは別として、数年前ならハンドメイドなんて鼻も引っ掛けなかったようなプロクリエイターがハンドメイド市場のうまみに気づいて参入し始めたら、もう素人は太刀打ちできない。
目にしてしまえば作品の出来栄えがぜんぜん違う。プロが作ったものと素人さんの作ったものが一緒に並んでいたら、そりゃ素人の作品は売れなくなって当然だ。
山のように出品される素人作品はプロが作った作品の引き立て役になる から、プロの作品は価値が上がる。付加価値を上乗せした値段で売れるし、様々なオファーが舞い込み、引く手数多で忙しい。
一方素人さんの作品は、競合するものがどんどん出てくるので価値が下がる。
手っ取り早く売ろうと流行を追うので同じ材料で作った似たような作品ばかり。近頃目につくのはガラスドームだろうか。
ハンドメイドといえどオンリーワンの個性を持たない量産品は値段を下げないと売れないので、安さを競う価格競争になり、売れても赤字かよくても利益が出ない消耗戦になるのだ。
作品だけで勝負ができない素人さんは、消耗戦から抜け出すヒントをつかむためにお勉強に投資をする。
商売というものの基礎を全く何も知らない方が、起業や商売の基礎を教えてもらうことには意義があると思っている。
けれど、作品の品質向上や自らの感性の洗練を目指す前に、小手先で上っ面の営業テクニックだけを学ぼうとするから何だかおかしなことになる。
似たような自撮り投稿、似たようなブログ、似たような「売れる記事」、似たような小道具を使った似たような構図の写真、似たようなポエム。
どうして女子は「みんなで一緒」が好きなのか?
そもそも同調圧力の強い女子性は、独創性に価値がある創作の世界とは相容れないものだということが分からないんだろうか?
いや、分からないからつるむのだ。
一昨年ごろまでは、ハンドメイドは物作りの素人さんにも成功のチャンスがあるもっと牧歌的な世界だったと思う。できれば牧歌的な世界のままであって欲しかった。
家で子供の面倒をみたいからこそ自宅で仕事がしたいママさんや、心身の健康上の都合で外に働きに出られない人たちの仕事になればいいと思ってたから。
残念だけど、プロクリエイターならともかく、ハンドメイドをただの自宅起業のツールとして考えていたり、ちょっとしたお小遣い稼ぎの目的で今から始めたいという素人さんには
「小遣いかせぐどころか損するだけの可能性のほうがずっと高いから、やめたほうがいいよ。」
と勧める。これからやってきて金脈を掘りあてるのはもう無理な話だ。
本当にハンドメイドで何かを作るのが好きで、ハンドメイドの作品を見るのも買うのも好きで、仕事だの売り上げだのは問題じゃなくて、ただ手作りの世界を同じ趣味を持つ仲間と楽しみたいという方々には、
「ハンドメイドいいよね。楽しいよっ!」
と勧める。
先日娘が小学校からキッズフリーマーケット出店者募集のチラシを持って帰ってきた。
娘はフェルトで人形を作るし、バザーや私と一緒でのイベント出店で販売したこともあるので、
「人形をたくさん作って出店する?」
と聞いてみたら、
「えー、それは嫌。売るものを無理していっぱい作るんじゃなくて、あれは自分の好きな時間に好きなものを好きなように作るから楽しいの。」
と言われて、私はハッとしたのだった。
私は図々しいので、
「ハンドメイドで生活できてますか?」
「売り上げっていくら位ですか?」
「イベントでの売り上げが落ちてるって他の作家さんたちから聞くんですけど、大丈夫ですか?」
なんて率直に聞いてしまうのだけど、自信のある方々は余裕があるので答えてくれる。
「月商100万はふつーに超えますから生活は余裕ですよ。」
「そうですね。このペースだと今年は年商1000万超えそうですね。」
「イベントに人少ないですか? 私は売り上げ落ちてません。」
さすが、プロは違う。
そうなのだ。
競争が熾烈(しれつ)になってもきっちりお金を稼いでいるのは、元々ブームが始まるずーっと以前から作家活動を仕事にされてきて、ブームなんてあろうがなかろうが足元がゆるぎない方や、ハンドメイド市場でも作品を売っている、美大芸大出身で人生の早い地点から活動をスタートさせ創作を生業(なりわい)としてきたプロクリエイターたちなのである。
ブームの前からハンドメイド界でご活躍されてきた人気作家さんは別として、数年前ならハンドメイドなんて鼻も引っ掛けなかったようなプロクリエイターがハンドメイド市場のうまみに気づいて参入し始めたら、もう素人は太刀打ちできない。
目にしてしまえば作品の出来栄えがぜんぜん違う。プロが作ったものと素人さんの作ったものが一緒に並んでいたら、そりゃ素人の作品は売れなくなって当然だ。
山のように出品される素人作品はプロが作った作品の引き立て役になる から、プロの作品は価値が上がる。付加価値を上乗せした値段で売れるし、様々なオファーが舞い込み、引く手数多で忙しい。
一方素人さんの作品は、競合するものがどんどん出てくるので価値が下がる。
手っ取り早く売ろうと流行を追うので同じ材料で作った似たような作品ばかり。近頃目につくのはガラスドームだろうか。
ハンドメイドといえどオンリーワンの個性を持たない量産品は値段を下げないと売れないので、安さを競う価格競争になり、売れても赤字かよくても利益が出ない消耗戦になるのだ。
作品だけで勝負ができない素人さんは、消耗戦から抜け出すヒントをつかむためにお勉強に投資をする。
商売というものの基礎を全く何も知らない方が、起業や商売の基礎を教えてもらうことには意義があると思っている。
けれど、作品の品質向上や自らの感性の洗練を目指す前に、小手先で上っ面の営業テクニックだけを学ぼうとするから何だかおかしなことになる。
似たような自撮り投稿、似たようなブログ、似たような「売れる記事」、似たような小道具を使った似たような構図の写真、似たようなポエム。
どうして女子は「みんなで一緒」が好きなのか?
そもそも同調圧力の強い女子性は、独創性に価値がある創作の世界とは相容れないものだということが分からないんだろうか?
いや、分からないからつるむのだ。
一昨年ごろまでは、ハンドメイドは物作りの素人さんにも成功のチャンスがあるもっと牧歌的な世界だったと思う。できれば牧歌的な世界のままであって欲しかった。
家で子供の面倒をみたいからこそ自宅で仕事がしたいママさんや、心身の健康上の都合で外に働きに出られない人たちの仕事になればいいと思ってたから。
残念だけど、プロクリエイターならともかく、ハンドメイドをただの自宅起業のツールとして考えていたり、ちょっとしたお小遣い稼ぎの目的で今から始めたいという素人さんには
「小遣いかせぐどころか損するだけの可能性のほうがずっと高いから、やめたほうがいいよ。」
と勧める。これからやってきて金脈を掘りあてるのはもう無理な話だ。
本当にハンドメイドで何かを作るのが好きで、ハンドメイドの作品を見るのも買うのも好きで、仕事だの売り上げだのは問題じゃなくて、ただ手作りの世界を同じ趣味を持つ仲間と楽しみたいという方々には、
「ハンドメイドいいよね。楽しいよっ!」
と勧める。
先日娘が小学校からキッズフリーマーケット出店者募集のチラシを持って帰ってきた。
娘はフェルトで人形を作るし、バザーや私と一緒でのイベント出店で販売したこともあるので、
「人形をたくさん作って出店する?」
と聞いてみたら、
「えー、それは嫌。売るものを無理していっぱい作るんじゃなくて、あれは自分の好きな時間に好きなものを好きなように作るから楽しいの。」
と言われて、私はハッとしたのだった。