■minneで売れっ子ハンドメイド作家になる本

たかはし あやさんの2冊目の著書、昨年末に購入して読んではいたのですが、なかなか書評がかけずに居ました。

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そうこうしているうちに本のキャンペーンがスタートです。

キャンペーンの応募は、たかはし あやさんのブログからどうぞ→minneで売れっ子ハンドメイド作家になる本 キャンペーン応募ページ


一等が当たればたかはし あやさんが全国何処であろうとも個人コンサルに来てくれるそうです。高知でも交通費自腹!(北海道⇄高知間は割引料金でも往復でさくっと10万飛行機代がかかります)にて来て下さるそうですよ。
これをハンドメイド作家垂涎のプレゼントと呼ばずして何と言いましょうか?( ̄Д ̄)ノ


さて、キャンペーンは置いといて、本を読んだ率直な感想を述べたい思います。

良書だと思います。

minneを利用したことが無い人に向けて丁寧にサイトの利用の仕方が解説されており、又minneのようなハンドクラフトサイトではどうやって活動すれば、売上げと顧客の獲得に繋がるかが丁寧に指南されています。

ある作家さんが「ゲームの攻略本みたいでした。」とおっしゃいましたが、実にその通りでminneの利用はまさに「攻略」という言葉がピッタリです。

これからminneにチャレンジしようという方、あるいはもっと売れるようになるためにはどうしたらいいか?とお悩みの方にはオススメです。

ただ、良い本だとは思うのですが一冊目の本「売れっ子ハンドメイド作家になる本」ほど絶賛は出来ません。


何故なら、最初に本を手に取ってぱらぱらとページをめくった最初の印象として、「本の作りが雑だな。」と感じてしまったからです。


たかはしあやさんの文章と、これまでに蓄積されてきたノウハウ、筋道立てた解説は相変わらず素晴らしいのですが、いかんせん参考に掲載されている写真がぱっとしません。

写真がパッとしないので「売れてる作品」「イケてる作品」「真似したいほど素敵」という感じがどうにも伝わって来ませんが、本で紹介されている作家さんたちも写真が冴えないうえにフォローされている数やお気に入りにされてる数、ページの「いいね!」の数も少なくて、「何故この人を紹介したのかな?」と疑問を感じてしまったのが素直なところです。
 

minneを利用されている方ならご存知でしょうが、minneで人気の作品は軽く1万越えでお気に入り登録されています。本の中身を信頼性の高い内容にするためには、お気に入り登録された数が作品単体で1万とか、登録作品合計で10万を越えちゃってるような作家さんに著者か出版社が取材し、その秘訣なり作品なりを参考として掲載するとグレードの高い本になったと思うのです。


勿論、低予算の本でそれが出来ないのは分かっています。

なかおつ、そんな悠長なことをしていられなかったのも分かっています。

ハンドメイドは今が旬、 ましてやminneの話題性は旬を若干過ぎ始めた今、minneをテーマに本を書くなら一刻も早く出版しなければ売れなくなってしまいます。


直前に類似本が他社から発売されてますしね。
 



しかもこの本だけでなく、ハンドクラフトサイトについての本は既に何冊か出ています。 




ハンドメイドマーケット、はじめよう。
ブティック社編集部
ブティック社
2015-07-24



もうすでに本が何冊も出ているというのも、本の絶賛には踏み切れなかった理由です。


1冊目の「売れっ子ハンドメイド作家になる本」は、ハンドメイド作家に向けた初のビジネス書でした。
 




あの本に書かれていたことは商売の王道であり、ビジネスの基礎であり、ハンドメイドを仕事にと考える作家さんであればクリエイタータイプだろうとショップ系作家だろうと必要な知識です。

どのタイプの作家さんだろうと、誰にでもお薦め出来る本でした。
 

ですが、今回は本がどうのこうの言う以前に、私自身がminneは誰にでもお薦め出来るマーケットではないと考えているために「皆さん!読んで下さい!そしてチャレンジして下さい!minneオススメです!」と力強く言えません。 
 


■minneについて個人的な見解 

minneのサイトを見ていると、先行者の優位性がはっきりと分かります。

「この作品は随分前から見るな。」という作品がいつまでもピックアップ作品や人気の作品としてトップに出てきます。
それらの作品は目立つので増々お気に入り登録されていき、市販のチャームをアクセサリーチャームにただくっつけただけのような作品でも驚く程よく売れています。
 

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まだライバルが少なかった頃からminnneで活動&活躍されている作家さん方が先行者利益を甘受している一方で、すでにレッドオーシャン化している成熟マーケットにこれから新人がチャレンジしていくことの難しさを感じます。

又、minneはその性質上、品質と価格の高いクリエイターは苦戦する戦場です。 
  
私は作品を通じて自己表現を目指すクリエイタータイプの作家ではなく、低価格帯の作品を効率よく多品種量産する雑貨店のようなショップ系作家に向いていると思っています。 


市販のパーツをちょいちょいっとくっつけるだけの作品なんて作業時間5分ですよね。そうした作品を量産し販売できれば例え販売価格が数百円から千円台の商品で薄利多売路線でも、月々効率よく売上げと利益を確保できるのではないでしょうか。 

一方制作に手間ひまのかかるクリエイターさんはそもそも量産が出来ませんから、例え「minne で売れっ子」になってもアルバイトしないと生活できないという不思議なことに。  

これはminneのサイトに掲載されている記事ですが、この方はminne大賞を受賞して本まで出版されるというのにアルバイトのため作家活動に集中出来ないようで、私は首をかしげずにはいられませんでした。
 

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「ハンドメイド作家大賞その後のお話」より抜粋

アルバイトがお昼から夜6時半までなので、帰って来てから8時ぐらいから夜中~朝方まで作っていることもあります。
作家活動にもう少し集中できたらいいんですが、まだちょっと難しいですね。 
書籍になったりキットになったり、ワークショップで教えたり・・・そういうことで生活できるベースが整えば、作品作りももっとできるんだろうなあと思うんですけど、まだこれからどうやったらいいのか考えながら、試行錯誤しているところです。

しかしながら、ハンドメイド作家として作品を売っていくのは、minneでなくとも元々難しいのです。 
委託もイベントも、ブログやホームページでの販売も、すぐに軌道に乗るような簡単なものなら誰も苦労はしません。 
  
minneも結果が出るまで数ヶ月から数年に渡って根気よく攻略するやる気と根性があれば、まだまだ可能性のある市場であることは間違いないでしょう。 



minneで売れっ子を目指すのがおススメなのは、効率よく量産出来る作品を作っていて、低価格でも作品あたりの利益率が高い作家さんです。 

クリエイタータイプの作家さんはminneで売れっ子になろうという気は持たず、minneで作品展示をしてハンドメイド好きなminne会員の方々を自分のブログやHPに誘導する為に利用すれば良いのではないでしょうか? 

ハンドクラフトサイトは作品を必ずしも販売しなければいけないわけではありません。 

私は誘導されてクリエイターさんのホームページで買い物したりしてますよ。