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※トップページの[カズ通信]で発信された、藤原編集長からの 過去のメッセージです。(下から時系列)
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2009年5月26日
和田中テニス部・深田コーチ第二作
『中学校でブルースかよ!?』(毎日新聞社)
いよいよ発売!
「読みながら笑い、胸を打たれ、しみじみと考えました。」女優・手塚理美
私の古くからの友人である深田さんは、本当に不器用で純粋で、真っ直ぐな人。そんな彼が渾身の思いで奏でる中学生とのブルースに、ぜひ、耳を傾けてください。
うちの子たちもこの本に登場する中学生たちと同じく、不機嫌な季節の最中にいます。そしてそこは、確かに私も通ってきた道なのです。この時期の子どもたちには、親でもなく、教師でもない、「ナナメの関係の大人」が必要なのではないでしょうか。(帯の推薦文より) |
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2009年5月11日
消費者庁設置に関連して5月8日参議院で参考人として発言した趣旨
(1)賢い消費者としての教育をどこでどう行うか
学校教育においては、通常は「家庭科」と中学の「公民(社会科)」そして「道徳」の3つの授業だろう。
それぞれ教科時間数が後退してきていることもあり、時代の要請であるからと言って「環境教育」「IT教育」「国際理解教育」「福祉ボランティア教育」「こころの教育」「いのちの教育」「キャリア教育」「起業家教育」「食育」に加えて、追加的に教えても効果は薄い。表面的に、つけやきばの「消費者教育」を付け足すことは止めてほしい。
では、どうすればいいか?
ここは、日本の教育OSの大きな曲がり角と位置づけ、「教条的に一方的な正解」を教えるのではなく『上手な疑い方』を子ども達に教えなければならない。
英語では『クリティカル・シンキング』と呼ぶ。
日本語では、批判的思考と訳すのではなく、物事を多面的に考える態度、本質を捉える洞察力を含んで、「複眼思考」と訳したい。反対語は「紋切り型思考」。
OECDのPISA型学力が問いかけるチカラであり、日本の子供たちが最も不得意とする技術である。
なぜか? 日本の教育システムでは「正解主義」でパターン認識の訓練を重視する。
また、小学校での協調性への過大な期待などで、自分の考えを表明したり、他人とのコミュニケーションの中から知恵を進化させる訓練をほとんどしない。
クリティカルシンキング(Critical Thinking)技術を鍛えるには、[よのなか]科のような「正解」のないテーマでロールプレイとディベートを繰り返すのが有効。
小学校5年生から高校3年までのカリキュラム開発(大阪府教委が既に開発を宣言している)、指導要領の変更、教科書へのワークシートの掲載を推進すべし。
(2)ケータイやテレビの子どもへの影響をどう扱うか
子どもがケータイメールの中毒になった、テレビ中毒になったとしても、訴える場所がない。日本の産業界は子どもを販売対象としているが、こうしたケースでは被害者として認められない。なぜなら、子どもが中毒になったとしても、それは、テレビやケータイという消費財(ハード)のせいではないし、じつは、ネットワークを提供したり、番組やメールソフトを開発・提供している会社のせいでもない。
こうした案件では、子どもは消費者と見なされないが、あくまでも家庭の(使用者側のしつけの)責任だと、筋を通して放ってはおけない。
形のある危急の事故(たとえば、耐震偽装や餃子への毒物の混入)なら対処は可能だが、ケータイやテレビの影響のように、長期的に子どもの生活習慣や思考に影響するもの、ボディブローのように利いてくるものは、どう対処するのか。
(3)高度消費社会の感覚が行き過ぎて、学校教育まで「消費財」と勘違いしている親が増えている
学校教育は学校が供給側で、子ども達や保護者が消費側という一方的な「消費財」ではなく、学校と地域と保護者が、子ども自身とともに共同で創り、蓄積してゆく「資産」だと考えられる。
しかし、スーパーでレタスを買う時のような感覚で、学校に相対する親も増えている。「レタスに虫がついてたら店長に文句言えばいいジャン。言ったもん勝ちなんだから、通ればラッキーじゃん!」というような。
これはこれで、別の「消費者問題」である。 |
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2009年4月27日
陰山英男×藤原和博共著による『家庭で育てる国際学力』発売(小学館)
新学習指導要領の先まで読む!
そして、子どもの人生を決める!
義務教育9年の新しい学び方
情報文化、経済文化の発達は、教育を日本国内だけではなく、
広い世界の視野から見つめることの必要性を増大させた。
そして、その状況に最も素早く反応するのは、実は家庭の
保護者なのかも知れない。
前杉並区立和田中学校校長・藤原和博と、立命館大学教授・
陰山英男という実践者二人が、フィンランドやイギリス、中国への
教育視察をもとに、新学習指導要領の先の先までを読んで
提案する国際学力時代の新教育。
先のことが、わかります。
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2009年4月23日
陰山英男×藤原和博共著による『家庭で育てる国際学力』発売(小学館)
新学習指導要領の先まで読む!
そして、子どもの人生を決める!
義務教育9年の新しい学び方
情報文化、経済文化の発達は、教育を日本国内だけではなく、
広い世界の視野から見つめることの必要性を増大させた。
そして、その状況に最も素早く反応するのは、実は家庭の
保護者なのかも知れない。
前杉並区立和田中学校校長・藤原和博と、立命館大学教授・
陰山英男という実践者二人が、フィンランドやイギリス、中国への
教育視察をもとに、新学習指導要領の先の先までを読んで
提案する国際学力時代の新教育。
先のことが、わかります。 |
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2009年4月15日
5月の目玉は、マスコミでも多いに話題になっている2つの大きな社会問題に独自の視点で切り込む[よのなか]科特別授業。[よのなか]科の可能性にご注目下さい!
(1)ケータイを高校の授業ツールとして本格的に使う世界初の[よのなか]科
定番「ハンバーガー店の店長になってみよう!」の授業ですが、まず、授業の冒頭で、生徒各自の出店希望位置をワークシートの地図上でいつものように星印で示させたあと、それを「会社の上司である藤原にメールで知らせる必要があるとして、ケータイを使って言葉で伝えてみよ」と指示します。ここなら儲かるという出店候補地を地図上で指で指し示せれば簡単なのですが、あえて、言葉で表現させることで、表現力の重要さに気付かせるわけです。
メール文章は即時、黒板横のスクリーンにドンドン表示されるシステム(明治大学阪井和男教授と共同研究、技術はネットマンが提供)。
後半に、駅前のハンバーガー屋さんの一日の売り上げをシミュレーション計算してみるというワークをするのですが、その際、グループで協議して計算方法を編み出してみよ、と指示します。さて、駅に電話する班はあるでしょうか? WEBを閲覧して何か手がかりになる情報をゲットするチームはあるでしょうか?
最後に宿題! 自分の馴染みの商店街で「同一業態で2店の異なるお店」を調査し、どちらかが流行っていてもう一方は流行っていないはずだから、それぞれの特徴を現場からケータイメールでレポートしてくれ、と伝えます。生徒はまるで刑事かTVレポーター気分になるでしょう。
(2)裁判員制度スタートを見据えた藤原と橋下知事の法教育版[よのなか]科
裁判員制度については、義務教育でも、高校でも、ろくな「法教育」が行われていない日本で、いきなり制度がスタートしてしまいました。
朝日新聞の推計では有権者5600人に一人の割合で「裁判員」が選ばれるようですが、有罪か無罪かだけでなく量刑にまで影響を与える日本の裁判員が「この人、人相悪いから死刑!」というように感情に流される決断をする怖さがつきまといます。裁判ではどのような論理的思考が必要なのかというような「PISA型学力」を小学校高学年から早急に鍛える必要があるのではないでしょうか。
そこで、[よのなか]科の定番である「法教育」の2回の授業を、弁護士でもある橋下知事と私がタッグを組んで行います。私が検察側、橋下知事が弁護側を代表した「模擬裁判」もカリキュラムに入れます。たぶん5月中旬、ご期待下さい。 |
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2009年4月7日
20年間乗った愛車を無料でお譲りします!
中古車とはいえ、47000キロしか乗っていないバリバリの現役です。
父が88年に購入。奇麗好きな両親なので非常に丁寧に乗ったことと、私たちの家族もヨーロッパから帰ってから子ども達の送り迎えくらいしか使わなかったので、それほどマイルが溜まらなかったわけです(笑)。メンテは近くの整備工場にキッチリ出していたので、エンジンも快調。10万キロまでは機嫌良く乗れると思います。
当家では、長男が免許を取ってすぐの練習用に使っておりましたが、現代っ子はあまりクルマを使わないので、もったいないなと思い、手放すことにしました。
今回の車検切れが来週の4月15日(水曜日)になります。
1週間以内にメール(私のアドレスか、このホームページのポストから)くだされば、すぐにお譲りします。
ただし、名義変更にかかわる手数料や次の車検の費用は負担していただきます。
>>さらに詳しくは以下に
車種は日産ブルーバード・スーパーセレクト(4ドア・FF・型式E-RU12・1800cc・88年3月初年度登録・ナンバープレートは「練馬54 り1824」)。ミッションは、オーバードライブ付きのオート。クルマ好きにはたまらない、ブルーバード最後の「キャブレター」車。色は上品なパールホワイトとボトムがベージュ系ゴールドのツートーン。エアコンも付け替えたので、電気系統も問題ありません。ラジオは要修理。CD/DVD、ナビは搭載していません。
視界が広く、非常に運転しやすいクルマだと思います。
なにより「20年間無事故」の家宝。
運がいいクルマです(笑)。
次のような方にお奨めします。
(1)クルマは欲しいが予算がない。
(2)息子や娘が最近免許を取ったのだが、自分の大事な愛車をぶつけられても困る。練習用のクルマがあればいいのだが、もう一台買うのも贅沢だ。だから、最低限、駐車場代だけで済むのならセカンドカーとして・・・とか。
(3)運のいいクルマに乗って、運をつかみたい(笑)!
以上 |
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2009年4月1日
4月1日(水)はエイプリルフールですが、ホントに深田悦之・和田中テニス部コーチ(『オレがコーチかよ!』著者)のコンサート@渋谷クロコダイル(午後8時から)です。 |
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2009年3月16日
奇書『カミシモ 神々が教える下々の成功のルール』(毎日新聞社)発売!
3月20日、21日は全国[よのなか]科ネットワーク主催の[よのなか]科マスターティーチャー研修@大阪。詳細は上の[よのなか]科をマスターしたい!ボタンをクリックして下さい。
その20日、奇書『カミシモ 神々が教える下々の成功のルール』(毎日新聞社)いよいよ発売! オモロい、を保証します。以下、「あとがき」より引用。
あとがきにかえて~The メイキング・オブ・『カミシモ』
チーム「カミシモ」代表 藤原和博
私はけっこう読書家である。「日経ビジネス」の書評委員もやっている。
その私が、08年一番面白かった本を問われれば、文句なく水野敬也著『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)を挙げる。
インドの神様「ガネーシャ」が関西弁で人生訓を語る巧妙な仕掛けに、きっとすべての出版社の編集者達が、悔し涙を流したに違いない。
この本は、そのやり口を遠慮なくパクらせていただき、人生の「成功」と「幸福」の法則を、読みやすい小説仕立てで語りおろしたものである。
頼りない主人公の「育てゲー」として気軽に読んでもらえることにはかわりないが、この本の神々が伝える法則には次のような特徴がある。
古今東西の神々が教える幸福な人生を送るための基本原則と、この数十年の間に下々に流布(ヒット)したベストセラーが説く成功法則を、今一度、洗い直してみたのである。データベースからの出発だ。
だから、タイトルは「神々(かみがみ)が教える下々(しもじも)の成功のルール」をつめて「カミシモ」と命名された。
具体的には、まず学生20名を動員して、聖書や仏典から最近のベストセラーにいたるまで、ありとあらゆる成功法則の本100冊から、大事な法則を抜き出して精査。それに私自身の50年余りの人生で納得できた知恵を掛け合わせて、七つの法則として示すことにした。
次に、それぞれにまつわるエピソードを集め、TVの演出家と脚本家がストーリーのある物語につなげていく手法をとった。
それはあたかも、学校の「道徳」の授業のようでもあった。
なんで学校ではこんなに大事なことを教えないんだろう。不思議だ。
というわけで、大人のための人生の補習塾が誕生した。
神々の「夜スペ」である。
お手軽な「幸福と成功」の原則本として楽しく読むも良し、それぞれに込められた深い背景をたどるために改めて100冊を旅するも良し、いちいちを実践してロールプレイング・ゲームのようにゲットした得点を友達と競うも良し。
いずれにせよ、この本を体験することが読者の人生の力強い味方となり、「なんかヘンだなあ」とか「さえないなあ」状態からの目覚めにつながるとうれしい。
もし、あなたが、この物語の中で神々が語る言葉に納得する部分があるとすれば、それは他でもない、あなた自身の「内なる賢者」の言葉なのだから。 |
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2009年3月6日
*****大阪日記15*****
大阪府立柴島(くにじま)高校(和田良彦校長、新大阪駅からすぐ)から依頼があり、次のようなプロジェクトを動かすことになった。
山崎教頭は第一回[よのなか]科マスターティーチャー研修(大阪会場)の卒業生でNHKのETV特集「学校が変わる 子どもが変わる」でも教師を代表してインタビューを受けていた先生。担当は佐々木先生。
(1)すでに取り組んでいる1年生のライフプランニング学習(産業社会と人間)と2年生のGプロジェクト(総合学習)の再構築を、[よのなか]科の考え方を導入して行う。大阪の先生方が力を入れてきた従来からの感情に働きかける「人権教育」に加えて、一歩踏み出すかたちで、理性の運用技術(リテラシー)を鍛える新しい「人権教育」を開発。生徒同士の「リスペクト」感覚をより一層引き出そうとするもの。「公」におけるルールのあり方や、人々の多様な生き方、自治やライフマネジメント技術に重きを置く。新しい時代の「公民」教科であるともいえる。
この関係で、3月26日(木)の9時から11時@柴島高校にて、近隣中学校を含めた研修を行う。また、4月17日(金)の5時間目(午後1時から2時)に行われる「学校開き」に参加することになった。
「学校開き」とは、柴島高校が実践する集団づくりの一貫で、先輩5?6人が自分の自己開示を900人の全校生徒の前で行う儀式。こののち1年生は、4月末に神辺スキー場の民宿でクラスごとに1泊2日の自己開示合宿を行う。会社の新入社員教育でもやる手法だ。いい企画だと思う。
(2)上記(1)の授業に際し、ケータイを教室に持ち込んでメール機能を徹底的に授業に使ってみる研究を行う。(株)ネットマン(永谷研一社長)の協力を得て「C-Learning」システムにより、教師からの投げかけに対して生徒が即座にケータイメールで打った反応が黒板横のディスプレイに無記名表示される機能の有効性を検証する。子ども達の発言機会を圧倒的に増加させ「自己開示」を容易にする実験だ。[よのなか]科ではワークシートへの記入がこれに当たるが、電子的に行うと生徒からのフィードバックがかかりやすくなるはず。手を挙げて発言するよりはるかにハードルが低いからだ。発言の量と質がどれほど向上するか、課題の抽出も含めて春にはトライアルを行う。
この機能を用いて、藤原が東京から[よのなか]科のリモート授業を行ったりゲストがリモートで登場した場合でも、即座に反応がとれるようにする。すでに明治大学の阪井和男教授や青山学院大学の佐伯胖教授(元東京大学教育学部長)等が使用し、効果を実証済み。
ただし、高校での使用は全国初となる。
上手くいけば、平成22年度に大阪に登場する小中一貫のコミュニティスクール(スーパーモデル校候補)に導入を図る計画もある。
大阪府では橋下知事が校内でのケータイの私的使用を禁ずる方針を出したが、学校側は、あえてケータイを教室に持ち込み、生徒を信じて「公的な」使用に徹した場合、ライフマネジメント上必要な仕切り感覚を身につけることにも貢献するであろうと推測している。普段からの教員の指導の蓄積が利いているから、そのような自信が生まれるのであろう。
生活指導上、前代未聞の大胆なチャレンジではある。
なお、ソフトバンク社等ケータイ会社のサポートも積極的に得たいと考えている。 |
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2009年3月3日
2009年 4月 15日(水)『夕学五十講』で講演します。
@東京駅駅前(丸の内側)の慶應学術事業会「慶應丸の内シティキャンパス」
〒100-0005 千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル10階
申し込みは、
http://www.sekigaku.net/index.htm
から、定番の『「つなげる力」で日本を開放せよ!』がテーマです。
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2009年2月23日
沖縄訪問日記
土曜日に、昭和薬科大付属中高([よのなか]科マスターティーチャーの森先生の招き)で文化戦略会議の出張授業をやってきた。保護者を含め600名を体育館に集めて、[よのなか]科名物「自殺抑止ロールプレイ」と「自殺と安楽死の是非のディベート」を実施。人数は多過ぎたけれど、上々の評価だった。その足で、地元浦添(うらぞえ)市の主催する教育セミナー(よのなかnet掲示板にも登場する東濱(ありはま)氏と森先生が仕掛人)で基調講演。町としては前代未聞の300名が集まった。
西原廣美教育長との懇談で「なぜ、沖縄の子ども達の学力が全国ビリなのか?」の謎が解けた。以下の理由による。
(1)完全な「夜型社会」なのである。いまだに全国一の飲酒運転検挙率。朝まで飲む大人が多いばかりでなく、夜でも居酒屋に平気で親が子を連れてくる。「早寝早起き朝ご飯」が学力向上には一番大事と言う?山英男説を逆から裏付けている。
(2)大人の間に「学力なんて高くなくていい」という照れと奢りがある。それより運動ができたほうがとか、人間性がとか、先生達も言い訳をする。「アタマが柔らかいほうがいい」と誰もが認めるのに「学力向上」だけがタブーになっている。
(3)高校にまともな競争がない。驚くほど高校の数が多いのだが、中学までの成績でそのまま安泰に収まってしまう。高校進学の意識が高くないと中学校での学力も上がらない。オモシロいことに、学力ナンバー1の秋田県と同じ悩みを抱える。
これで、ナンバーワンの秋田とワーストの沖縄を比較しましたよね。大阪の課題は、もう明らかになったと思います。現在の路線は圧倒的に正しいのです。
ちなみに、浦添市の市長、教育長ともまともで、地域の方々は熱い。もしかしたら、オール沖縄をリードする学校が現れるかも。杉並区立和田中、京都市立下京中、池田市立池田中を超えるか!
公民館が活性化していて、和田中の[よのなか]科はもちろん、「ドテラ」「図書室」「アドベンチャーコース」の試行錯誤中([よのなか]科はナンと私立の森先生が手伝っている、もはや子ども達の学びを豊かにするには私立も公立もない)。
[よのなか]科ワークシート経済編の「貿易と為替」の回を使って、本格的に立体的な授業も公民館がプロデュース。海外旅行で使った外貨の余りを大人が持ち寄り、ドル、ウオン、元、ルピーなどの小銭を子ども達に持たせて、在日外国人達が出店する模擬店で買い物をさせる。その際、琉球銀行の協力を得て、両替所も設けるのだ。ここまで凝った[よのなか]科は私でもやらない(笑)。スゴイ、と思う。 |
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2009年2月16日
学力No.1秋田の小学校訪問記
大仙市立神宮小学校の石山憲二校長は、もともと障害児教育畑出身でじつに頭が柔らかい。この地域では、前に学力調査でビリだったため、当時の県教委・小野寺教育長に叱咤激励されたため、「悔しい!」と奮起。
(1)算数で落ちこぼれを出さない、徹底した「個別」フォロー。
(2)きめ細かな単元テストによるチェックと反復。
(3)保護者への家庭学習の強力な働きかけ(成績を出して協力をお願いした)。を実践。とくに算数では、3、4年生を中心に校長、教頭も含めて「7学年部」と呼ぶ部隊を編制し、すべての学年でのコース別(ドンドンとか、じっくりとか)学習を行っている。(大阪での3、4年落ちこぼれ撲滅の方針は正しい!)
さらに、
(4)お金をかけて、子どもに刺激を与えることのできるプロを外部から呼ぶ。
秋山仁氏など、それで学力が上がるかどうかは分からないが「確実に子供達の意欲は倍増する」と言う。
この校長は、市教委や県教委の予算では当然足りないから、自分でさまざまな民間団体の募集ものの企画に応募して「カネを引っ張ってくるのが自分の仕事」と胸を張る。立派だ。それで、「ワクワク実験箱」の理科実験チームを東京から呼んだり、博報賞をとって賞金稼ぎしたり。教員を先進校に出張させるのも、県の旅費は出ないからと、賞金から出している。道路脇に花を植えるにも、種を買うのに国交省の予算をとってくる。
(5)学校支援地域本部には、300人の保護者に加えて100名以上の地域ボランティアが集まる。私が訪問した12日には、4時間目の全ての授業に地域ボランティアが入っていた。消防も、元教員の画家も、高校生のボランティアも。
この学校の様子を観ていると、[よのなか]科のゲストティーチャーや地域本部での「ナナメの関係」の充実が政策的に正しいことがよく分かる。校長は「すべての教科が完璧に教えられる教員なんているわけがない。だから、地域の人材にドンドン授業にも入ってもらって教員の足りないところを補ってもらうのだ」と言い切る。
昼休みには、校長室に子どもが集まってくる。2人以上でできる遊び道具が揃っているからだ。サッカーゲーム、野球盤、メンコ、トランプ。校長も一緒に遊ぶ。
潟上市立大久保小学校(三森洋子校長)では、元民生委員の館岡さんが相談室に陣取ってコーディネータをされている。PTAの役員経験はないらしい。やさしいオバちゃんに寄ってくる子どもも多い。保健室の養護教諭とも上手く連携している。
今時の小中学生のかかえる悩みは、親や先生の想像以上に多い。全国の公立小中学校で、子供達の多様化した苦しみや複雑な家庭環境による悩みに応えるには、もはや養護教諭だけでは無理。カウンセラーも限界がある。地域のオジちゃん、オバちゃんパワーを学校に引き入れ「ナナメの関係」でもって癒すことが必要なのだ。
この学校では、同校出身の著名な写真家・中村征夫氏の大型の海洋写真が所狭しと貼られていた。60点寄贈してもらったと言う。
シリウスという盛岡の住宅メーカー社長・佐藤幸夫氏も毎年図書室に本を寄贈している。図書室には大きく「佐藤幸夫文庫」としっかり個人名がスポンサーとして掲げられている。ネットに載った子供達のお礼の手紙『佐藤 幸夫さんへ いつもとてもおもしろい本をくださってありがとうございます。佐藤幸夫さんがくれた「ダレン・シャン」は、とてもおもしろく、図書室に行くと絶対読みます。それから「はだしのゲン」は、ダレン・シャンと同じくらいおもしろいです。はだしのゲンは、前に大ブームになり、私も毎日読んでいました。佐藤幸夫さん、これからも宜しくお願いします』
三森校長も営業マンなのだ。
子供達の学習環境を豊かにするためには誰にだって頭を下げる。偉ぶらない。だからこそ、同校出身の有名人も、現在お金に余裕のある人も、気持ちよくスポンサーすることができる。予算不足で市教委や文科省にただ文句を言う輩とは違う。
神宮小学校も、大久保小学校も、地域に向かってだけでなく、社会に向けて開かれている。そして、校長自らが営業マンとなって必要な資源をとってくる。待っているのではなく、出かけていって取ってくるのである。「個人情報保護」がどうだの、こんなリスクあんなリスクがあるだのと言って、サボリ屋の校長達が何も働きかけないのとはエラい違いだ。教育資源をネットワークしていく古くて新しいマネジメント手法。「ネットワーク型校長」の姿がここにある。
かつて、朝日新聞に「秋田方式」と「和田中方式」の共通点を報道した記者がいたのだが、今回の訪問で、あながち誇張ではないと感じた。
最後に、秋田県の学力が高いことについて、あまり指摘されていない点で、私が気付いたことを挙げる。
(6)1町1中学校、1小学校のような小規模校区が多く、まとまりやすい。大阪でいうと、太子町のような。
(7)テレビのチャンネルが少ない。TBS映らない。とくに冬は遊びが限られる。
(8)教育長の方針で、高校との連携を積極的に推進。
(9)40代のベテラン教員が余るほどいる。大阪はこの層が極端に少ない。
(10)小中の「算数」と「数学」を徹底フォローするチームが県教委に。
(11)工場はあるが、大阪や群馬のように極端に外国人労働者が多かったり、日本語が話せない帰日生が多かったりというような状況は少ない。
それにしても、県教委の社会教育主事・佐藤潔氏と佐々木さんの調整力には恐れ入った。「つなげる力」の見本である。私に2日に渡って2度の講演をさせ、その間に報道の取材や学校訪問を入れて、現場の動機づけとパブリックな広報を同時実現した。
県教委の学力も高いのだろう(笑)。 |
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2009年2月2日
和田中で5年間、保護者に配り続けた「お願い文」(ケータイ禁止含む)を公開します。
[保護者への5つのお願い] 1、和田中を選んでこられた以上、責任をもって参画していただきます
学校へ預ければ自動的に息子や娘が育って出てくるわけではありません。本校の教育目標「自立と貢献」にあるように、保護者には学校に貢献する意識を持っていただきます。授業も十分に参観したうえで学校を評価して下さい。
2、生徒の生活習慣が規律を持ったものになるようご協力下さい
規則正しい起床・就寝の時間管理、遅刻をさせないこと、挨拶、宿題や提出物・忘れ物のチェック、服装と身だしなみ(靴のかかとを踏まない、ズボンからシャツを出さない、スカートを折り込んで短くしない、化粧しないなどは常識の範囲です)、さらに、朝食を必ず食べさせることなど、基本的な生活習慣に属することは家庭の責任で指導して下さい。
3、テレビをつけっぱなしで見せている家庭の子の学力は保証しません
テレビは1日1時間強まで、番組を選んで見せて下さい。これで1年間のテレビの視聴時間が約400時間となり、英数国理社5教科の年間総授業時数と並びます。2時間以上つけっぱなしで見せていると年間800時間以上となり、考える力に著しいダメージを与えます。テレビを1時間に押さえ、そのかわり自宅学習を1時間15分以上させれば、自宅での勉強が年間に400時間積み増され、確実に学習したことが定着するでしょう。読書も保護者が率先してするよう心掛けて下さい。大人が読書しなければ、子どもが読書するようにはなりません。
4、ケータイは持ってこさせない、自転車通学はさせない
ケータイは学校への持ち込みを禁止しています。働いている保護者には不便かもしれませんが、持たせている場合には一度自宅に帰ってから使うようにして下さい。学校で見つけた場合は保護者に来ていただかなければ返しません。自転車も事故が多いので禁じています。なぜ通学に使えないか、子どもには「あなたには大人として事故の責任がとれないからだ」とはっきり伝えて下さい。なお、バス通学は許しています。
5、子どもに仕事を与えること、続けさせること
子どもには、家庭でさまざまな仕事を分担させて下さい。学校でも毎週水曜日の朝に掃除をする「水曜ボランティア」や職業体験での保育園・老人ホームでのケア、あるいは近くのホームへの合唱・合奏の慰問など多くのイベントがありますが、日常的な仕事の分担と地域でのボランティア活動は職業意識の自然な醸成に必須です。
家族の一員として当然やるべき仕事や勉強の成果としての成績の上昇に対して、金品を動機づけの手段とすることは避けて下さい。「ありがとう」「よくがんばったね」という親子の言葉の交流こそが自己肯定感(だいじょうぶ、自分には居場所があるという確信)を育てます。
また、いったん始めたことは、中学3年間で身に付けた資産となるよう、是非とも続けさせて下さい。苦しいこともあったが続けられたという自信と「集中力」は一生の財産になります。
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2009年1月29日
藤原和博のデザインワークがお洒落に模様替されました。
「ネオ・ジャパネスク」というトーン&マナーをお楽しみ下さい! |
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2009年1月15日
「スーパーモデル校」候補を募集します!
次の条件に見合う環境が整う場合、藤原が直接関わって、やる気のある先生方ならびに市・県教育委員会とともに日本の公教育の最先端を行くスーパー公立校(幼小中10年一貫が望ましい)づくりにチャレンジします。
詳しくは、「よのなかフォーラム」(掲示板)もご覧下さい。
(1)年齢を問わず現場とその地域特性に極めて詳しい人物を理事長として、法律上の地域運営学校(コミュニティスクール)にする。以下の条件が整う場合のみ、藤原も理事に入る可能性がある。
(2)「教科教室制」に則り、空き教室の一つを「英語室」にして壁を外国文化だらけにすること、視聴覚室などを「社会科室」にして地図や地球儀やプロジェクターとスクリーンを常設すること。
(3)各教科教室にカメラを設置し、全域の不登校生に対して無料で45分授業の各教科の配信を行う。どこででも9分割画面で見れるようにし、「四季制」の各学期ごとに保護者のケータイでも参観可能とする。
(4)小学校の3、4年生では徹底的にDSを使って、計算と漢字の反復をさせる。さらに小5、6年の2年間で英単語1000ワード(中学校3年間の単語数)をDSでクリア。中学校では、英検3級か準2級を全員に取らせる。小学生には一人一台の学習用DSをハンドヘルドPCの替わりに持たせる。
(5)「幼小連携」を実現し「3-2-3-2」の10年一貫を提唱。最後の2年だけ習熟度別に学科を編制。中2、3年が混じって授業を受けても良い。
(6)土曜日の扱いは小2まではPTAオヤジの会主催のお遊び会。小3、4年生で教科内授業(算数、国語、英語のDSを使った授業中心、これは特別の事情のない限り必参加)。後期課程では「社会科倶楽部」と「理科倶楽部」の選択、「音楽倶楽部」と「美術倶楽部」の選択(2コマ)。土曜の部活は10時半からか午後からとする。高校準備過程では塾講師や大学の先生を導入した地域本部主催の学内有料私塾(英語アドベンチャーコースなど)を開催。ただし生活保護世帯や施設の生徒などには経済的に支援(東京都で既に実績有り)。土曜日と放課後には、あらゆる方向から「ナナメの関係」を10年間に渡って徹底的に作る。
(7)職員室の小中合同化(職員室と言う名前も変える)。塾講師や大学の先生達も含んで「ティーチャーズ・ルーム」をぶち抜きで作る。真ん中に丸いミーティングテーブルもあるような居心地の良い空間。改修はここに一番お金をかける。新築校舎である必要はない。
(8)総合学習やキャリア教育等で実績のある株式会社かNPOにコーディネータとして部屋を持たせ、小学校のオヤジの会や地域本部と外部の教育資源を組織的に活かせるネットワーク体制を築く。やがて、地域のNPOにこの役割を委譲してゆく。
(9)「地域本部」を活性化させるためにも、[よのなか]科の授業を週1回、小5から中3までの5年間のカリキュラムで実施(大人も参加)。クリティカルシンキング、論理的思考、プレゼン技術を鍛え「PISA型学力」世界一を狙う。
(10)専任のスクール・ソーシャルワーカーを配置。カウンセラーとともに、小中学校を通して、家庭への教育・福祉・医療支援を行う。警察、児相との連携も。
(11)NTTドコモとケータイの利用に関する「研究会」を設け、中学以降の過程で「学校ケータイ」をパソコン替わりに高度利用した場合、学習にどのような影響を及ぼすかを共同研究。「社会科室」などに生徒の意見をケータイから書かせ黒板横にリアルタイムで表示できるシステムを設置し、小規模にトライアル。以上
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2009年1月5日
ブランドを超えた腕時計「japan」プロジェクト(上から3番目のアイコンをクリック)。
生産限定数はゴールドモデル 240,000円(税込252,000円) 25本、シルバーモデル 180,000円(税込189,000円) 25本でしたが、両モデルとも先行予約にて年内に完売となりました。ありがとうございます!
「japan」シリーズでは、大好評につき限定次世代モデルの発表も検討中。「ゴールドモデル」純金裏張り(約50万円)、「シルバーモデル」白文字盤(約15万円)を予定。詳細決定次第、発表します。
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知事特別顧問の大阪日記(年内まとめ)
25市町村55校を廻って、大阪の強みも弱みもほぼ把握できたように思う。
大阪の弱みは次の3点。
(1)ドンドン重くなっている下の層を支える意識が強いあまり、上を伸ばそうとする意識が足りない(正直言って、そこまで手が回らない)。
(2)生活指導が後手に回っているところが多い(荒れてから体育系の教員の力で押さえる古い手法をいまだにやっているが、それではイタチごっこになってしまう)。
(3)地域社会の構成員が新陳代謝していないから、学校を支援しようとしても息切れしてしまう(町会長や商店会長、青少年委員や民生委員に頼っていいのは防犯・防災、中学の学習サポートへの協力には無理がある)。
そこで、それぞれに対応して、大阪の子供達の学力向上には次のような手が有効になる。
(1)「人権教育」が大事であることは論をまたないが、上の子も遠慮なく伸ばしてミニ先生をいっぱい作り、子ども同士が学びあう中で成績中下位の子も一緒に引き上げていけるようにする。このために、大学の講師、(とくに教職課程をとっている)大学生、塾の講師、団塊世代の引退組で地域に戻ってボランティアを始めようとする人々(昔家庭教師をやっていたり塾講師の経験者もいる)のような地域社会の諸資源を遠慮なくネットワークして、放課後や土曜日の補習パワーとして使っていくこと。
(2)小学校3、4年生の「算数」と「漢字」で絶対落ちこぼれをつくらない体制を作る。分数など抽象的な概念を習い始めるから、ここでつまずくと高学年での教室崩壊や中学校での荒れの原因を作ってしまうことになる。中学でも数学というより「算数」の補習をDSなどを使い、大学生や塾講師等をネットワークしてフォロー。授業を分かりやすくすること(学習指導のノウハウを積むこと)が最も効果のある生活指導になる。
(3)それでも、家庭環境が厳しく、寂しい子も多い。そこで、とくに中学生に関しては「学校支援地域本部」のおニイさん、おネエサん、オジさん、オバさん、オジイちゃん、オバアちゃんボランティアが「ナナメの関係(親子とか先生・生徒というタテの関係ではない)」で気持ちを支えてあげるネットワークを縦横無尽に張り巡らすことが重要。学校の中に「学校モードでない時間と空間」を用意する。もはや、成績評価とは直接関係ない養護教諭がいる「保健室」だけでは、子供達の気持ちは支えきれないのだ。和田中のように、昼の校長室や放課後の図書室を開放したり。土曜日に「ドテラ」を開こう!
というわけで、09年、私の大阪プロジェクトは2月から3月に再始動。1月は?山先生や小河先生がドンドン現場を廻って直接「学力向上」の指導をしてくれます。
09年3月までの私の動きのポイントは
*[よのなか]科や「地域本部」だけでなく、「民間校長の誕生」や「教員と塾講師とのコラボレーション」など、和田中モデルが続々誕生!
**政令市である大阪市や堺市にもモデル校を!!
***ことによるとK市に世界が注目する「超モデル校」が誕生するかも・・・乞うご期待!!!
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2008年12月19日
知事特別顧問の大阪日記14
布施北高校での[よのなか]科の授業(定番の「ハンバーガー店の店長になってみよう!」&「流行る店のポストイットを使った要因分析」あわせて1時間半バージョン)を無事終了し、大阪での第一次キャンペーンを終えた。この学校には、(株)アドバンスの安川昭雄会長という強力な協力者が味方についている。仕事しながら通学するデュアル・コースをとっている生徒と実習をする際に、必ず共同研究して開発した商品の「商標権」などをとって、生徒の努力を形にしているのだ。環境に優しいバイオ洗剤などだが、今日も、老人施設等での介護入浴時に湯船に溶かす入浴剤で、それを使えば改めて体を洗う必要がなく、しかもあとから洗濯にも使えるというスグレモノの開発話を聞いた。「だいこん」のエキスから作った入浴剤だ。
25市町村55校を廻って、大阪の強みも弱みもほぼ把握できたように思う。
週刊ダイヤモンドの新年号「新年大予測特集」での?山英男氏との対談でも述べるが、大阪の弱みは次の3点。(1)ドンドン重くなっている下の層を支える意識が強いあまり、上を伸ばそうとする意識が足りない(正直言って、そこまで手が回らない)。(2)生活指導が後手に回っているところが多い(荒れてから体育系の教員の力で押さえる古い手法をいまだにやっているが、それではイタチごっこになってしまう)。(3)地域社会の構成員が新陳代謝していないから、学校を支援しようとしても息切れしてしまう(町会長や商店会長、青少年委員や民生委員に頼っていいのは防犯・防災、中学の学習サポートへの協力には無理がある)。
そこで、それぞれに対応して、大阪の子供達の学力向上には次のような手が有効になる。(1)「人権教育」が大事であることは論をまたないが、上の子も遠慮なく伸ばしてミニ先生をいっぱい作り、子ども同士が学びあう中で成績中下位の子も一緒に引き上げていけるようにする。このために、大学の講師、(とくに教職課程をとっている)大学生、塾の講師、団塊世代の引退組で地域に戻ってボランティアを始めようとする人々(昔家庭教師をやっていたり塾講師の経験者もいる)のような地域社会の諸資源を遠慮なくネットワークして、放課後や土曜日の補習パワーとして使っていくこと。(2)小学校3、4年生の「算数」と「漢字」で絶対落ちこぼれをつくらない体制を作る。分数など抽象的な概念を習い始めるから、ここでつまずくと高学年での教室崩壊や中学校での荒れの原因を作ってしまうことになる。中学でも数学というより「算数」の補習をDSなどを使い、大学生や塾講師等をネットワークしてフォロー。授業を分かりやすくすること(学習指導のノウハウを積むこと)が最も効果のある生活指導になる。(3)それでも、家庭環境が厳しく、寂しい子も多い。そこで、とくに中学生に関しては「学校支援地域本部」のおニイさん、おネエサん、オジさん、オバさん、オジイちゃん、オバアちゃんボランティアが「ナナメの関係(親子とか先生・生徒というタテの関係ではない)」で気持ちを支えてあげるネットワークを縦横無尽に張り巡らすことが重要。学校の中に「学校モードでない時間と空間」を用意する。もはや、成績評価とは直接関係ない養護教諭がいる「保健室」だけでは、子供達の気持ちは支えきれないのだ。和田中のように、昼の校長室や放課後の図書室を開放したり。土曜日に「ドテラ」を開こう!
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2008年12月15日
知事特別顧問の大阪日記13
貝塚市教育委員会主催の家庭教育学級研修会で講演後、西敏明教育長と懇談。泉州(大阪の南側)には元々「あんまり(息子や娘が)賢くなると、地元から出て行ってしまって帰ってこなくなる」という独特の気風があるとのことで、なるほど、学力の向上にとってこれはやっかいだなと感じた。和田中「夜スペ」より早く「夜間中学」を導入したり、「夏休みガンバ教室」@自治会館を実施したり、秋津コミュニティの岸裕司氏を招いたり、いい試みをしている。1年目にPTA会長をやってくれた人に2年目には「子供広場事業」の実行委員長を、3年目には子供育成委員会を、というように地域コミュニティに残る仕組みを作っている点に共鳴。
泉佐野市の小中学校を訪ねたが、上之郷小学校の宮本純子校長は2年前に[よのなか]科マスターティーチャー研修@大阪を受けた人物だった。
12月8日(月)には岬町立岬中学校で、10日(水)には松原市立第七中学校で[よのなか]科の模擬授業を行い、参加した合計100名の先生方を、再び11日に大阪府研修センターに集めて[よのなか]科マスターティーチャーとなるための研修を行った。
岬中では「ハンバーガー店の店長になろう!」と「流行る店、流行らない店」を70分で行い、地域のサポーターやオール大阪から駆けつけた教員と2年生の生徒とが活発に議論した。ポストイットを使って「流行る店」の要因について班のみんなで知恵を出し合いA3の紙の上に分類・整理するワークでは、各分類ごとにネーミングするまで生徒が5分程度でやってのける姿に大人達はみな驚いていた。[よのなか]科のリズムとテンポが蔓延するだけでも大阪の教育は良くなるはずだ。学校教育部長の岡田氏が前座の授業をやって生徒達を揉みほぐしてくれたのだが、拙著『キミが勉強する理由』(朝日新聞出版)を上手く使って生徒達に回し読みさせる工夫をしたのには「さすが大阪!」と唸った。学力は間違いなく上がるだろう。
松原七中では、これに加えて「どこまでいじくるヒトのカラダ」をテーマに「整形手術の是非」のディベートを行って100分の授業とした。「親にもらった顔をいじるのはよくない」「そうはいっても、コンプレックスで暗い気持ちになっているのなら、整形して前向きに生きるのは悪くない」とたった10分間でも議論は盛り上がる。前座で2時間目に授業した糸井川校長は、1時間目の授業でPTAの協力によってテンプラ蕎麦を作り生徒に食べさせた上で、その材料の来し方(そば自体も含めて多くが中国等からの輸入)を教えた。スーパーで国産品と輸入品を両方買ってくるなど、芸の細かさは絶品。私は、中学校の授業も、小学校と同じように、このようなきめ細かい工夫をする必要があると考えている。
打ち上げに、有名な「焼き肉道場 てっちゃん」でモツを食べる。メチャクチャ脂っこいのに臭みがない。煙が充満しているのに爽やかに飲める。これが大阪!
11日の研修では[よのなか]科ワークシート集の「政治・法律編」から「少年法の模擬裁判」を、「現代社会の諸問題編」から「自殺抑止ロープレ」と「安楽死の是非を問うディベート」を体験してもらった。12日には府立高校の校長会(田中保和校長会長)主催の研修会で「成熟社会とつなげる力」についての講演をした。
これにて25市町村、55校の学校現場を訪問。40日間に渡る年内第一期キャンペーンが終了。
[よのなか]科の模擬授業は12月18日(木)の布施北高校での3、4時間目「ハンバーガー店の店長になってみよう!」(実際の店長がゲスト)を残すのみ。
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2008年12月8日
知事特別顧問の大阪日記12
河内長野市にはかつて講演に招かれて訪れたことがあるのだが、今回は長谷雄二理事に案内していただいた。学校を5日制にして子供達を家庭・地域に戻そうという「ゆとり」の趣旨が機能せず、また揺れ戻しが起きている。現実には家庭・地域が昔のように機能していないことが多いからだ。私の認識と完全に一致。気が合いそう。長野小学校の田中明文校長は、学力の低下要因として、大阪人全体のモラル(御堂筋の不法三重駐車や電車に並ばない「ええやんけ」意識)を指摘。また、平成14年ころまでは「習熟度別授業」でさえも、平等の名の下にタブーであった。なるほど、と思った。しかしこの学校の1000人近い生徒は元気でいい。休み時間の様子がエネルギッシュ。思いっきり遊んでいる。地域には550人の見守り隊がおり、うち130人が登下校時に道に立つのだと言う。驚いたのは、校長自らが1000人の児童全員に毎学期肉筆で3~4行のメッセージを発していること。「勉強をがんばる」「運動をがんばる」「あいさつをする」「そうじをしっかりする」「弱いものいじめをしない」・・・「家の人や先生、友だちにうそをつかない」など10個のアンケートにそれぞれ○×△をつけて学期ごとに自己評価をさせるのだが、たまに児童から下の余白に自由筆記もある。「校ちょうせんせい、質問です」「・・・ありがとう!」「ごうかくしたよ!」というように。この先生はコミュニケーションとは何かを識っている。千代田中学校(平山猛校長)は学力が全国レベルより1割、大阪平均より2割高い。一人親世帯が2割程度という中では立派。家庭学習ノートの徹底を始めて3年。生徒は自分で○付けをして持ってきたノートで朝学習をする。よって家庭学習の時間が全国平均より高い。放課後には5年前から「寺子屋学習会」を学生サポーターと教員のコラボでやっている。水泳・バド・柔道は部活はないが、校長が直接面倒を見る。東中学校の和田栄校長は市のメディアセンターとのコラボで、授業をビデオで撮り保護者がケータイで授業参観できるように「ネット参観」をやるという。中学では先進的な取組みだ。ここの校長室は2階の角部屋で2面採光。山並みに夕日が沈むのが観えて気分が良い。
交野(かたの)市では1、2、3中と廻らせてもらった。第二中(玉田校長)では、合唱祭を京都大学の交響楽団とともにやる。ずいぶん前に楽団で小火(ぼや)騒ぎがあったとき、生徒会とPTAが寄付をして支援したのがキッカケとか。いい話だ。50代の教員4割、20代の教員4割、40代がほとんどいない。大阪のどこでも聞く教員のアンバランス問題。学習指導と生活指導の双方で技術の継承に失敗すれば、5年後は危うい。就学援助が10%を切っている比較的経済的に安定している地域でも荒れが起こる。保護者が協力してトイレをきれいにしたり、給食の配膳を手伝ったり、花壇に花を植えたり、努力している。荒れてしまってからの事後的な生活指導はホントにシンドイ。教員の細かい生活指導方針が一致していない(教員の絆が弱い)と、ちょっとしたことでそうなることを実感した。
5日は、聖徳太子(厩戸皇子)の故郷、太子中学校(勝良かつら憲治校長、太田伸治教頭)を訪問。1町1中学校だから保護者もOBOGでこの学校を誇りにしている。36年間、午前中約20分の業間体操を実行。マラソン、フォークダンス、講話を交える場合もあり、この日は体育館で私が10分間、ミニ[よのなか]科の授業で新聞の広告の役割を教えた。ほぼ全員が部活に入っていて、朝7時からの朝練にも95%の生徒が出る。朝清掃も。したがって、教員も7時半には全員来ている。放課後学習テューター制も5年前から大教大の学生が来てやっている。夏休みも10日間。さらに、リーダー育成を謳って、2年生の春休みに100人規模での合宿がある。教室に畳を持ち込んで学校に2泊3日するから、風呂は、先生達がクルマに生徒を分乗させて太子温泉に連れて行くのだと言う。頭が下がる。夜には、全ての先生が生徒の前で自分の人生を語る。先生が自分自身を熱く語るのだ。本当にいい企画だと思う。これも36年続いている。1地域がしっかり中学校を支え、教員が相互に信頼し合い、絆が深まるとこうなる。ここで教員14年、校長8年の勝良氏のリーダーシップは揺らがない。30代、40代の教員バランスもバッチリだ。
午後には、大阪府の中でもコンビニが一見もない静かな山村、南河内郡千早赤阪中学校へ。ここも、問題なしにいい学校。松本村長の案内で楠木正成ゆかりの下赤坂城跡から自慢の棚田を観た。その後、富田林市に行き、貧困と人権問題を考える集いに、大教大の野口克海先生と出た。
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2008年12月2日
知事特別顧問の大阪日記11
田尻町立田尻中学校(和田弘之校長)では1小学校、1中学校で校庭を共有する。岬町、熊取町と3町が相互に協力し合っている。給食があり、部活への参加が90数%、朝練への参加63%と活気がある。ここも土足で教室に入るシステムだが、靴でそのまま入るのがはばかられるほど教室の床が奇麗だった。陸上部を中心に、朝練に参加する生徒が毎朝、自主的に掃除しているのだそうだ。「先生がやるより、子供が自らやるほうが他の子供達も汚さない」。そのとおりだと、感心した。授業はすべて自習なしの方針。学年2?3クラスだから学年会は随時でとくに設定せず。職員会議も月1回にして授業を確保。二澤隆史教育長は音楽の教員出身で気さくな人物だった。
箕面の「とどろみの森学園」や柏原市(岡本泰明市長)の南小中で計画が進んでいるカリキュラムの大胆な見直しを含む一貫教育を志向すれば、「吹きこぼれ」の生徒も、もっともっと伸びるであろうと予感した。「英語アドベンチャーコース」などはおススメだ。
岸和田市野村中学校では、社会科出身の戸江雅一校長が、ずいぶん前から私の本の読者であることが分かった。とくに「公民」の教科が子供の生活感とギャップが大きいことに早くから気付き、工夫してきたと言う。「道徳」も、中学校では、いわゆる「徳目主義」の教材ではなく「価値のジレンマ」を議論(ディベート)する「ジレンマ教材」が大事だということで意見が一致した。「ガンになった母親への告知の是非」や「死刑制度の是非」などの教材を使っている。ここでは(1)子供の生活習慣をどうつけるか(7時前に起きる生徒が15%と全国平均の65%から乖離)、(2)成績の二極化にどう対するか、(3)朝読書をどう活性化させるか、を意見交換した。周囲の中学が男子は詰め襟なのに、ここはブレザー。391人の生徒数も就学援助の比率も和田中に似ている。とくに成績の二極化問題には「45分7コマ制」が利くんですが、と話したが、検討してくれるだろうか。また、図書室は国語科と図書委員任せになっているようだったので、もったいないなと思った。地域社会のチカラをこの辺に活かしたいところだ。改造すればもっと利用ようするようになり朝読書にも影響する。帰り道、実力者と定評のある永本定芳教育長が地車(だんじり)会館を案内してくれた。
夜には佐野工科高校(定時制)で授業。この日は例によって「輪ゴム(300個以上で100円)」>「フーセン(10個?20個で100円)」>「ブーブークッション(1個100円)」と見せていき、あなたがゴム会社の社長だったら「ゴムをもっと売るにはどんな工夫があるか」をブレストした上でゲストを登場させる[よのなか]科「付加価値」をやった。ゲストの一人目は旧知のバルーンアート会社の加原さん(ウィズバルーン社)。最近では、結婚披露宴で膨らませたバルーンに映像を映し出し、それが割れて中から新郎新婦が登場する演出が流行っているらしい。最後に、佐野工科の塗装科の先輩でホタテから抽出した無害な塗料をマニキュアに使う「ホタテ・ネイル」を発案・販売している奥野さん(在校生)が登場。リスペクトできる身近な先輩の登場に、生徒達は素直に拍手を送っていた。
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2008年11月27日
知事特別顧問の大阪日記10
泉南市の4中学校を訪問。西信達中(清瀧校長)は今回の大阪教育改革で私のアテンドをしてくれている長見元雄主任指導主事の初任地。一丘中(檜山校長)は吹奏楽部が朝日新聞社主催のマーチングバンド全国大会で銀賞、ディズニーランドに招かれて演奏してきたばかり。信達中(蔵野校長)には、東京で3日間の[よのなか]科マスターティーチャー研修を受け、大阪府の教員試験の合格して赴任した川島先生(もともとは千葉在住、40歳で教員に)が[よのなか]科をやっている。
泉南中学校の薄波猛兒(さざなみ・たけじ)校長は、元市教委の次長も務めた実力派だが、[よのなか]科のプレゼンを受けて、自分で番外の「7時間目の授業」として取り組んでみようとする意志を語った。参加するのは、大人も子供も、まず、たった一人からでもいいのではないか、という覚悟が気に入った。
それにしても、泉南市の中学校では、4校中2校で「土足のまま教室に上がる」スタイルをとっている。教室前の廊下まで土足で、教室や体育館でだけは上履きを使用するスタイルは東大阪市なども採用しているが、どうしても教室が汚れがち。土足のまま教室を使う泉南中では、前日どんなに清掃しても、昼までに教室の後ろに土が溜まり、生徒もそのせいか、平気でゴミを床に投げ捨てる。これでは、いかに先生達が頑張ってゴミを拾ってもイタチごっこになってしまう。玄関に集中下足ができるスペースを取っていない設計なのだが、これはいただけない。「教室に入る=勉強する」という仕切り感覚が醸成されにくく、日本のように湿気が多い(雨も1年のうち半分降る)国では教室が非常に汚れてしまうからだ。なんとか、予算をとって仕切ってあげられないものだろうか。あるいは、室内の掃除に保護者や地域の人々の手も借りられないものだろうか。校長や先生方の努力に頭が下がる。
昔プロ野球球団のスタジアムのあった藤井寺市では2校廻った。藤井寺南小学校の前川校長は、さだまさしのファンクラブに今も入っているパワフルな女性。狭山市では、宮崎教育長との面談のあと30人31脚の全国大会@横浜アリーナに出場してきたばかりの南第三小(山中校長)へ。狭山市では小学校3?4年生対象の「放課後チューター制」を実施していて、大学生等のボランティア・ティーチャーの手を借り放課後の補習を行っている。南中学校の石橋治校長は学芸大付属から武蔵美へ行ったアーチストで、河内長野にアトリエを持ち、教え子達のサロンとして開放している趣味人だ。「南中サマー」と銘打って自らカリキュラムを組み、44日間の夏休み中、さまざまな物事が生徒のまわりで起こるよう企てる。ある日の朝9時から12時には「鳥人間がやってくる!」と称して「鳥人間コンテスト」出場チームの人力飛行機の解体・組み立て@小学校体育館を見学できる、とか。PTAによる「アルミ鋳造」体験教室やコンピュータルームでの大阪芸術大学による「CGデザイン教室」や手話チャレンジも。夏休みの全期間を通じて、部活動とともに、こんな盛り沢山な学習機会を提供しているのがスゴい!まるでテレビの番組表のようだ。事前申し込みなし。当日の飛び込みOK。できるだけ参加費無料もいい。講師には「誰も来ない講座もあるよ」と根回ししているのだと言う。この割り切りと潔さにエールを送るとともに、継続性が大事だから「土曜日もヨロシク」と言いたい。
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2008年11月21日
知事特別顧問の大阪日記9
18日(火)、遂に寝屋川市での民間中学校長の公募が決まった。大阪府での義務教育での登用は初めて。私の時と同様のインパクトがあるだろう。同時に日経新聞夕刊で「人間発見?藤原和博の場合」の連載が始まった。
大東市住道(すみのどう)中学校では、中口教育長(67歳)と懇談。『つなげる力』をよく読み込んでいて質問も的確だった。面白い人物。校長の岡本功氏は46歳で最も若いというが、期待させる人材だ。ここの図書室と四条中学校(杉本校長)の図書室は対照的で面白かった。住道のは整然と整理されているのだが、中学生向きではない。中学生が読みたいYA(ヤングアダルト系の本)やマンガがまとまっていないのだ。あさのあつこと山田悠介と重松清が別々の棚にある。小学生向けの絵本も含め、むしろ市の図書館のミニ版という感じにまとまっているので一般に地域開放するならよい。これに対して、四条中のはしっかり中学生を捉えている。面出しの手法もバッチリ。和田中の図書室の利用者を10倍にした改造の監修者である赤木かん子さんも熟知している青木先生がいい味を出している。だから、ここには中学生だけでなく、保護者も先生達も本を借りにくるのだと言う。
また、四条中では土曜学習教室が開かれていて、退職した教員をまとめ役として同校の卒業生3人がサポートに入っている。しかし、手が足りない。実は、地域の私塾(お寺のお坊さんの経営)とガップリ組んで進めようとしていたらしいが「夜スペ」が批判された経緯もあり遠慮したのだという。もったいない。これがホントの「寺子屋」なのだから学校で開くのに問題はないだろう。是非、塾とのコラボレーションをやって欲しいとお願いしておいた。大阪府教委もOKを出している。
東大阪市盾津東中学校(田中寛治校長・彫刻家)では、昨年11月和田中に3人見学に来られた先生のうち今城先生(理科)に再会できた。朝読書の定着を目標に勉強に来られたのだが、今城先生自らが20冊ほど籠に入れた本を毎朝持ち歩き、教室を廻っている。「お静かに」という旗を持ち歩き、おしゃべりしている生徒には、プロゴルフ大会よろしく、それを示して嗜めるのだと言う。また、ここのサッカー部はNPOのフットボールクラブに運営委託していて、平日は照明がある御陰で午後9時まで練習する。だから強い。まるでサッカーの「夜スペ」だ。小学校から続けている子も多いので、9年一貫教育でもある。理想的だと思う。教頭の森田実氏(49)も非常にできる。早く校長にしてあげたい人材だ。枚岡(ひらおか)中では久賀田校長とともに杉本PTA会長と杉森地域協議会長(お寺の住職)に話を聞いた。校長は年に50号も自ら「校長室だより」を出している。「英語アドベンチャーコース」に興味津々だったのでお奨めした。性懲りもなく、また男子バスケ部と5分間の試合を顧問の先生とともにしたのだが、今回はボロ負けだった。
柏原市では、岡本泰明市長から特区をとっての「小中一貫校」に賭ける熱い想いを聞いた。三浦教育長、前教育部長も同席だったので、万が一、私が提唱する和田中流フィンランド風をさらに超えた全く新しい公立校のコンセプトを追求するなら、大教大の野口先生とともに全面的に協力しますと約束した。市長の覚悟次第である。さて、22日はいよいよ西成高校のバスケ大会だ。プロも駆けつけるゾ!
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2008年11月17日
知事特別顧問の大阪日記8
11月12日は箕面(みのお)市を訪ねた。34歳の倉田市長は総務省出で奥さんが箕面出身とのこと。橋下知事(39歳)とも兄弟のように馬が合うらしい。塾の講師を学校(地域本部)に呼んで補習体制を強化することや、30代、40代の若手教員からリーダーシップのあるものを校長に推挙することなど、すっかり意見が合った。ここの教育推進部長の森田雅彦氏は釣りを趣味とする粋な人物なのだが、妹さんが「里の家」という古民家(400年前の武家屋敷)を改造した囲炉裏茶屋を営んでおり、松茸料理をご馳走になったあと、そのまま泊まらせていただいた。この宿には、奥座敷に1日に一組しか泊まれない。松茸の季節が終わり、来週からはイノシシ肉の「ぼたん鍋」。鍋を突きながら、切り取ったばかりの竹に入れた地酒を囲炉裏の火で燗にして飲むのは、また格別な味わいだろう。
午後、お邪魔した「とどろみの森学園」(樋口弘造校長)は、新興住宅分譲地に建てた小中一貫校。設計事務所「シーラカンス」の手によるコンクリート打ちっぱなしのカッコいい造りだ。まだ9学年75名の児童生徒なので非常に手厚い。大阪府の小中一貫モデル校だから、塾の講師を活かした「英語アドベンチャーコース」について意見交換を行った。独自のカリキュラムを作成中なので注目したい。
泉佐野市では下岡教育長(美術の先生で傑作が教育長室に飾られている)との懇談のあと、大阪府立佐野工科高等学校(定時制・下野校長)を訪問し、塗装を専門とする松野先生や林先生等と本校での[よのなか]科のカリキュラム化の可能性を議論。ホタテを使った白色塗料のネイルアートへの応用で話題になっている生徒(奥野さん)を素材に、1年生に「付加価値」を学んでもらう[よのなか]科佐野工科定時制バージョンを11月28日にやってみることにした。松野先生は実習中、天狗が履くような一枚歯の下駄を履いて指導する。集中力が高まるのだと言う。これまでもスバル360にチョコレート塗装をしたりして話題になった人気教諭だ。「今度は、クルマをホタテ塗装の白とイカスミの黒で塗って”海鮮車”とか呼んでモーターショーに出したら」とか「トヨタのクルマに名古屋名物の”ういろう”塗装をするか、味噌煮込み塗装をしたら(爆笑)」と余計なアドバイスをしておいた。
泉大津市でも3人の校長と意見交換。その翌日には忠岡町の忠岡中学校(魚森茂校長)と小学校(林校長)を訪問した。忠岡中学校では、放課後に大阪府の施策である「まなびや授業」を見学。数人の生徒が大学生のボランティア1名のフォローによって、宿題などを片付ける姿が見られた。これが徐々に拡大していけば、和田中の「土曜寺子屋(ドテラ)」のように活況を呈するかもしれない。また、図書室の利用には課題を残すようで、魚森校長からは、図書室の改造と地域ボランティアによる運営委託(場合によってはNPOに任せる手もある)を検討してみたいとの話があった。図書室改造のチャレンジがなされれば、大阪のモデルとなる可能性も。
私が教育委員会に提案していることのうち、「陰山・小河メソッドによる主に小学校でのモジュール授業の導入と確実な算数・国語の反復学習」と「主に中学校での[よのなか]科の導入によるPISA型学力(とくにクリティカル・シンキング技術)の向上」、そして「学校支援地域本部による多様な学習サポートの充実」には早くもモデル校が現れている。
しかし、いっぽうで、「先生の手の足りない部分への塾講師の導入(たとえばトライやサピックスに先方隊をやってもらって、徐々に地域の私塾にボランティアで土曜日や放課後の補習を手伝っていただくなど)」、「民間校長の公募と中学校への導入(何度言っても分からない人が多いのだが、ビジネス出身の校長は高校ではなく、中学に向いているのだ!)」、そして「30代、40代の生きのいい教員を教頭を経ずに校長に抜擢すること(30代で3年やって教員に戻り、40代で5年やってまた教員に戻り、50代で7年やって、58歳から3年間は再び教員に戻って担任をやり最後の卒業生を見送ってから自分も退官するというような粋で魅力的な人生を教職の方々に歩むチャンスを与えたい。もちろん60歳を超えても元気な教員出身校長は民間校長の公募に応募して校長を続けることができる)」というような、ネットワーク型学校経営には欠かせない地域の教育資源の導入と柔らかな人事制度の採用には、なぜか府教委はかたくなだった。
20日の教育委員会などで再議論がなされると思うのだが、後者の「塾からの助っ人の導入」「民間中学校長の採用」「若手教員の校長への抜擢と60歳以上の再雇用」は、是非とも認めてもらいたいものだと思う。
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2008年11月7日
知事特別顧問の大阪日記7
11月6日(木)、府教委主催の小中学校管理職研修会が開催された。参加者約1000名。私の1時間の講演の後、大阪府教育委員の?山先生と小河先生がそれぞれ30分強のプレゼンを行った。
私の講演を初めて聞く校長、教頭も多かったので、「ハンバーガー店の店長になってみよう」と「ゴムと夜光塗料から付加価値を考える」の2つの授業のビデオで[よのなか]科を解説。また、土曜寺子屋(ドテラ)を中心とした地域本部のビデオで、地域本部の作り方を説明した。
ホワイトボードでは「子どもたちが多様化すればするほど先生達の負担は増えるのだから、地域本部の助けがなければ、もはや学校は立ち行かなくなる」ことを強調。「情報処理力」と「情報編集力」の二つは、基礎力と応用力という順番ではなく、頭を使うときの左右のクルマの両輪のようなもので、両方を一気に高めることが望まれることを説いた。
さらに、大阪の教育現場の強みを示しながら、弱みとしては3点示した。
(1)下の層の底支えはがんばっているが、上の層を伸ばすことが見逃されがち。上も遠慮なく伸ばして子ども達同士の教え合いを活性化すべき。
(2)厳しい家庭の事情を反映して生活指導がどうしても後手に回りがちだが、小学校時の「読み書き計算(とくに3、4年生の算数)」で絶対落ちこぼれをつくらない学習指導体制を築けば、それが何よりの生活指導になる。これには、モジュールによる反復学習と放課後や土曜日の地域社会の学習フォローが効く。
(3)もともと「すこやかネット」のような地域社会の協力体制があったはずだが、その維持が教員個人の努力に頼りすぎていて「仕組み化」していない。「仕組み」として機能していれば、校長や先生が替わっても維持されるはず。「仕組み化」こそ、校長のマネジメント上の使命である。
最後に、来春の全国学力調査に向けての学力の向上が当面のゴールであり、その後、長期的な目標については、こんな見方ができるということを伝えた。
「校長がすぐに行動をはじめ、先生方や地域の人々がつながって活動をはじめたら、大人の活き活きした姿を観て、ああ、あんなふうになりたいなあ、と子どもたちは自然、思うだろう。とすれば、都市部では不人気になりがちな先生という職業への憧憬が高じて将来先生になりたい人間が増えるはずだ。つまり、大阪の子どもたちが全国一教員を目指すようになるかどうかが勝負の分かれ目になる。」
陰山先生は、終止、教員に厳しい要望を行った。プロになれ、という叱咤激励だ。学力がビリから2~3番という現状に、初めての教育委員同士の会議でも、涙を浮かべながら怒りを表したと言う。大阪の子どもたちを3度、こんな不名誉なめにはあわせない、という誓いにも似た宣言。名乗り出てくれた学校で、私が直接指導しましょうという提案も。「3ヶ月で結果を出してみせる」と約束した。
小河先生はその研究成果を説得力ある表やグラフで示し、計算を速く正確にできるようになるための「反復学習」の重要性を説く。計算と漢字の反復や暗唱がすべての生活指導の基本でもあるという考えだ。荒れた学校を学習指導でおさめた実績が利いている。
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2008年10月31日
知事特別顧問の大阪日記6
今回は、岬町、寝屋川市、池田市、八尾市を4日間で廻った。
岬町は和歌山まですぐの大阪の南のエンド。多奈川小学校のハリキリ校長矢萩先生が印象的。少子化で教室が余っているのだから、保育園を入れたり地元産物のお店を入れたりしたいというオープンな発想が良い。故郷にUターンした宮台真司ゼミ出身の変わり種農場主でNPO代表の島田洋輔氏がいろいろと手伝っているようだが、いっそのこと、小学校にNPOの拠点を移して本格的に活動したら、と奨めておいた。公立校の中にNPOの拠点を置いて学習活動のサポート(たとえば学校支援地域本部の活動など)をしてもらうのは、奈良市や杉並区ではすでに実現しているスタイルだ。夜は海辺でのバーベキュー。お父さんと息子とともに参加した岬町の岡田耕治教育部長はリーダーシップがあり、発想も柔らかくて期待できそう。地域教育協議会の宮川事務局長他、お坊さんや郵便局長など、地域のオヤジ連も力強い。
寝屋川市では第四中学校(佃千春校長)でそのシステムの先見性にすっかり驚いた。形成テスト(単元テスト)を毎週やり、できなかった子を金曜日の6時間目に残して補習タイムとしている(部活もナシ)。教員は週20コマまで担当するが、満たない分は自主的に少人数授業に加わる。小学校の先生が中学の授業を研究して反省会で意見を述べ合うほど小中連携ができていて、児童の個別の情報もきっちり中学校に伝わる。そういえば、かつて和田中に寝屋川の小学校の先生と中学校の先生がタッグを組んで見学・研究に来たことがあった。市独自の加配で3人、府と合わせて6人来ているので、1年生を20人以下の6クラス編制している。中学校1校に1人のネイティブを市独自に配している。小学校1年時に市教委4名で2000人の児童の特別支援の対処をすること(これはほとんどの自治体でできていないが、非常に重要)。これらは、どうも竹若洋三教育長のアイディアによるらしい。教育長はいつもこう言っているのだと言う。「箱ものより人に投資せよ」「寝屋川市教委は株式会社。校長は支店長として働くべし」。いやはやスゴイ教育長もいたもんだというわけで、私も急遽時間を割いて会ってきた。
八尾市では、桂中の校舎にビックリ。大阪万博の翌年に建ったフレーム構造の(太陽の塔のイメージを模した)大きな校舎で2つの体育館のほか、内部に講堂もある。小柴直之先生(国語)がきめ細かく生徒をフォローしていることがわかる。高安中学校では、卒業生の保護者が7割で、地場産業の造園業や花の栽培農家が多く、半分以上お父さんが学校のために活躍している。文字通り「地域の中の学校」という意識を保護者が持っているらしい。夏休みの樹木のPTA剪定、同じく夏休みの20日間の自主学習(座禅、和弓、ハングルなど)、学校外を走る10キロマラソンなど、理想的な地域連携が実現している。
30日の夜は、コリアNGOセンターの金光敏さんと宋悟さんにコレアンタウンを案内してもらった。6~7世紀頃百済から渡ってきた韓国人の歴史から現在の共生の姿まで、魚介類の鍋や特製のチヂミそして秘蔵の酒を飲みながらうかがった。梁石日の「血と骨」は読んでいたし、ビートたけし主演の映画も観てはいたが、話を聴いて状況がよく理解できた。司馬遼太郎の生家もあのあたりだという。
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2008年10月23日
朝日新聞社より『キミが勉強する理由 藤原先生の心に響く授業』が出版されました。小学校4年生くらいから読める(漢字に全部ルビが振ってある絵本)易しい内容で、子どもたちが好きなゲームの言葉で遊びや勉強を語ります。勉強嫌いの子どもたちにも手に取って欲しい入門書です。
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知事特別顧問の大阪日記5
10月20日、いよいよ学校巡りキャンペーンが始まった。
まずは門真市の市長、教育長と意見交換してから砂子小学校へ。非常に厳しい家庭状況であるにもかかわらず、子どもたちは素直で可愛い。日本語ができない子も多く、8名の加配の教員がいるが個別の日本語指導だけでもたいへんだ。「褒められたら3秒以内に、ありがとうと言おう」というような非常に具体的な指導が利いている。一食200円の給食をご馳走になったのだが、昔懐かしいアルマイトの食器に先割れスプーンが使われていたのには驚いた。
同じく門真市立第六中学校へ。朝食率76%(国の平均は92%)、テレビ視聴3時間以上52%(国は40%)、読書時間30分以上16%(国は28%)というデータからも生活指導の困難さが分かる。澤田京子校長は積極的に大学生を活用したいがコーディネータがいないし、組織的に活用することが困難だと語った。私のほうからはNPOにボランティアの運営を委ねる手もありますよ、と助け舟を出す。実際、教育系のNPOの拠点を学校の空き教室に置いて「学校支援地域本部」の役割を果たさせようとするところも現れている。大阪で実現すれば初のケースに。
21日は松原私立松原第七中と布忍小へ。七中の糸井川校長は、深見研究主任による「人間関係学科」の素晴らしい実践のプレゼンのあと、そのコミュニケーション技術習得学習の延長線上に、本格的に[よのなか]科に取り組みたい旨を表明。後日の公開授業で改めて、私が[よのなか]科のハンバーガーと自殺抑止ロープレの2つの異なる模擬授業を行うことを約束した。全国[よのなか]科ネットワークのWEBにあるビデオは既にすべてご覧になっているようだった。大阪における[よのなか]科的授業(大人と子どもが一緒に学んでナナメの関係を作る、正解が一つではないテーマでPISA型思考技術つまり「納得解」の導き方を学ぶ、クリティカルシンキングに強くなる)の普及は、この学校が発火点になってくれるかもしれない。
岡林、矢野両教諭から受けたプレゼンは文句なかった。とにかく若手の教員のモラルが高い。府教委も、ここでの実践が大阪に波及するのだと語っていた。土曜地域学校も開催されているのだが、バレーボールやクッキング、針金教室などの文化行事が主で、和田中のような学習サポート(ドテラ、算数教室、英語アドベンチャーコース)のような展開ではなかった。校庭に犬(柴犬系の雑種)が飼われていて、子どもたちと教頭が世話をしている。事務の青木さんが特別に作ってくれた「カス」(牛の腸)入りの白菜スープがおいしくてお替わりしてしまった。松原の先生はみな酒が強くて熱い。
22日には、布施北高校へ。普通校なのに全国で唯一デュアル専門コース(職業体験を単位に認めるキャリア教育)を始めた学校だ。本田勝士校長は、このデュアルコースに2年生から参加している50名をリーダーとして、1年生に先輩と混じった[よのなか]科の授業を継続的にやりたいと希望。12月18日に模擬授業をやってみましょうということになった。特徴は、ポストイットを使った「自分の考えを他人の考えとつなげてまとめる」リテラシーの獲得だ。
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2008年10月20日
10月20日
大阪改革、始動です。
http://www.pref.osaka.jp/fumin/doc/houdou_siryou1_20224.pdf
時計プロジェクトも、全貌を現すのはもうすぐ。
トップページ、上から3番目の「すていしょん」を開いて下さい。
http://www.yononaka.net/watch_p/index.html
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2008年10月6日
公教育の未来の姿をこれ以上易しくは書けないというくらい簡潔に描いた『誰が学校を変えるのか』(ちくま文庫、単行本当時は「公教育の未来」)発売。解説は東京大学教育学部の苅谷剛彦教授だ。教育界の誤解の数々をすべて正しておいた。
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「知事特別顧問の大阪日記 4」
10月1日、あいりん地区を学区とする西成高校(前校長)でついに「大阪初」の[よのなか]科実施。テーマはホームレス。学校の廊下の窓から道路一本隔てて青いテントが見える路上生活者のメッカで「ホームレス問題」を語り合った。研究主任の肥下先生によるチャレンジ学習の蓄積と先生方と生徒との信頼ができていることもあって、テレビカメラの放列のなか、生徒約40名は伸び伸びと授業を受けた。最初私はポケモンの話から入ったのだが、ある女子生徒が偶然ポケモン図鑑をバッグに持っていたこともあり、ツカミが取れたラッキーも。生徒6人のチームに2人の主に芦屋大学(教職課程責任者の吉村和彦教授門下の)大学生がサポーターとして入った。流れは、通常の[よのなか]科のワークシート(現代社会の諸問題3?8)に沿って進めさせてもらったが、肥下先生のアイディアで、私のホームページ「よのなかnet」の掲示板http://www.yononaka.net/cgi-bin/wforum.cgiで史上初の公開打ち合わせを行った(No.14912シャプラさんからの発言に注目!)。
ゲストの選定が完璧で、野宿者支援ネットワークの生田武志さんが、[よのなか]科名物となったホンモノのホームレス、さかもとさんを連れてきて下さった。さかもとさんは自らの来し方を真摯に語ったのだが、集中して話を聴く生徒達のまっすぐな眼差しに、前(まえ)校長は目を潤ませていた。
私が最後に込めたメッセージは「ホームレスというとすぐに汚い、臭い、怖いとかパターン認識してしまうけれど、一人一人は、さかもとさんとか佐藤さんとか鈴木さんという人間で、それぞれの歴史を背負って生きている」。この一言だ。
10月2日、やはり生徒指導面で厳しい(実際にはほとんどの生徒は落ち着いているが、卒業まで在籍できずに退学してゆく者も多い)勝山高校(北川校長)で「ハンバーガー店の店長になろう!」を実施。体育館に180名の生徒を集め、地域のボランティア・サポーター120名を動員。当初6人の生徒が班を作り、そこに2名ずつの大人が入る勘定で60名の大人の参加をオーダーしたのだが、学年主任や教頭のガンバリで予定の倍集まった。近隣の中学から授業を短縮して校長以下十数名の教員が駆けつけて下さったり、同じように生活指導に課題のある高校の先生だったり、教員同士の信頼のネットワークの強さを感じた。授業後の反省会も1時間半にも及び、質問が絶えなかった。
生徒ははじめて知らない大人(利害関係のない第三者)とナナメの関係を結んだわけだが、当初照れる生徒に戸惑いながらの大人からの賞賛や声かけも、後半にはだいぶ活発になった。ケータイを出して駅に乗降客数を尋ねるシーンでは「はい!」と手を挙げた男子生徒が満場の喝采を浴びた(この名物授業の和田中での様子はhttp://www.yononaka-net.com/mypage/model/movie.php?file=y00&no=0で見ることができる)。近隣のマックの店長をゲストに呼んだのだが、エリアマネジャーとともに本社から広報の山本さん(私は足立11中当時から数年の付き合い)が駆けつけて下さり、大阪府教委の面々ともネットワークができた。関西では「マック」と言っても通じないらしい。次からは「マクド」の「ク」にアクセントを置いて発音するようにしてほしいと、生徒から指摘を受けた(笑)。
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