はじめに・自己紹介

 はじめまして。初沢と申します。私は埼玉県で生まれ育ちました。大学に進学後,法律を学び始め,同時に犯罪心理学や少年心理学などの分野にも興味を持つようになりました。卒業後は地元の学習塾講師を務め子どもたちに勉強を教えながら,自身も法律と心理学の勉強を続け,学習塾在籍中に臨床カウンセラーの資格を取得。その翌年に国家公務員試験に合格し裁判所事務官として裁判所に入職します。そこから月日は経ち,令和3年度の司法試験に合格し,現在はカウンセラーとして犯罪加害者及びその家族を支援する活動をしながら,『犯罪加害者となった少年とその家族の弁護』を専門に扱う弁護士事務所の設立を進めています。


 今回,この場を借りて,「犯罪を犯してしまった少年たちの未来」を守るため,『犯罪加害者となった少年とその家族の弁護』を専門に扱う弁護士事務所の設立とその活動資金のご支援のお願いをさせていただくことになりました。


少年弁護の必要性は増している

 私は,罪を犯してしまった少年の再起を支援するため,このような少年たちの保護の必要性を感じています。


 罪を犯した者に対する国民の処罰感情が高まっている現代において,「罪を犯した者」を保護することの重要性を述べることは,人によっては社会の流れに逆行するような違和感があるかもしれません。


 たしかに,少し前までは日本の法律,特に少年法(未成年者が犯罪を犯した場合に適用される法律)はその処分内容があまりに緩く,少年犯罪の発生を予防する効果を果たしていないと強く指摘されていました。


 私も,裁判所職員時代に関わった少年が幼児をナイフで切りつけた事件において,被害者の父親が法廷で供述した「加害少年は法律で守られるのに,被害にあったうちの娘は何ら守られない」といった諦めに近い悲痛の言葉が今の強く印象に残っています。


日本では平成12年改正を皮切りに,少年事件の処分の在り方についての見直しが繰り返し図られるようになりました。そして,現在では,重大事件については少年であっても成人と同じ刑事手続きによって処罰を与えることが広く認められるようになりました。


 少年事件における処分の厳格化,これは社会全体の利益に繋がる望ましいものであると感じます。


 それでは,そんな私が何故,罪を犯した少年の保護を訴え,これを強く守ろうと思っているのかについて説明します。

 近年,SNSやブログでの失言や不適切な言動に対して,不特定多数のユーザーから批判や誹謗中傷が集中する現象,いわゆる「ネット炎上」が多発しています。

 その背景には,悪は徹底的に追求することが是という思考が社会に広がり,正義感を楯にして過剰な反応をする傾向が高まっていることが考えられます。また,インターネットの匿名性がこれをさらに容易にしています。


 もともとは社会や組織を良くしたいという自分なりの正義感に基づいて行われるものではあるのですが,そこから自分の正義的価値観の合わないものを排除しようとし,その対象を徹底的に攻撃し出します。


 その攻撃性は日々増してきており,批判対象となる者だけでなく,その者の家族や親戚など,周囲の関係者にも及びます。


 最近の事件では,中学生が同級生からのいじめを苦に自殺をしたことで,当該同級生が責任を問われた事件において,SNS上ではその加害少年を特定する動き,加害少年に対する誹謗中傷,さらには加害少年の親族に対する脅迫文の送達やSNS上での殺害予告などが発せられました。


 これは少年事件に限りません。特にインターネット上では犯罪加害者として報道された者の実体を私的に暴き,その周辺に関わる者も含めて徹底的に攻撃を加え,再起不能なまでに追い込もうとする傾向があります。


 誤解なきように先に述べなければならないこととして,発生してしまった犯罪に対して,これを憎み二度と同じ出来事が起こらぬよう声を挙げること,それが批判という形でされるものであっても,民主主義社会においては尊重させるものであり,それらはより良い社会を作っていくために必要なことであると思います。


 だからといって,自らが犯してしまった罪を反省して償うとともに,その後一市民として社会復帰をしようと思う者,そしてそれを支えようとする家族や周辺の関係者に対して,その再起の道までもを閉ざしてしまってはなりません。


 それでも状況が悪化する要因として,犯罪加害者や加害者家族はそのような声を挙げにくいというところがあります。たしかに加害者側が公に救済を求めることは被害者感情を刺激することにもなりかねません。そのため,犯罪加害者やその家族は,本来負うべき社会的義務を超えた,もしくはそれとは無関係な精神的身体的負担を負わなければならない事態に陥っています。


 罪を犯してしまった者の反省と再起の機会を奪ってはなりません。

 これが少年であるならば尚さらのことです。

 私は,このように罪を犯してしまった少年たちの保護の必要性を感じています。

 救助の声を挙げたくても挙げられない者の保護が今後一層重要となり,その役割を担うのが弁護士です。


 私はこれから弁護士として,罪を犯してしまった少年たちの反省と再起の機会を守って行きたいと思っています。


日本ではそもそも少年事件を専門に扱う弁護士が少ない

 みなさんのイメージする弁護士像とはどのようなものでしょうか。

 おそらく,法廷において,犯人として訴追されている被告人を弁護するため,検察官と相互に激しい意見対立を交わし,権利保護に向けた様々な主張を展開している,このようなイメージではないでしょうか。


 これは数ある訴訟類型の中で「刑事事件」と呼ばれるものであり,テレビで注目されたり,ドラマなどの題材とされやすい分野であります。その理由として,多岐にわたる弁護士業務の中で刑事事件がもっとも華があり,またパフォーマンス性に優れていて,その特性から世間の関心を惹きやすく,メディアでも取り上げやすいためといえます。


 たしかに,弁護士実務においても刑事事件は他の事件と比べて別格の迫力が感じられるのは事実です。

 しかしながら,刑事事件を主として活動されている弁護士や刑事事件を主たる業務として運営している弁護士事務所は少ないのが現状です。特に少年事件を専門とする弁護士や事務所は皆無に等しい状態です。


 弁護士資格を取得し弁護士会に登録した者は,弁護士としてあらゆる事件・問題を処理することができます。それでは,なぜ刑事事件を扱う弁護士が少ないかという点ですが,それには幾つかの理由があります。

 まず第一に挙げられるのが,経営面での理由です。

 法曹三者(裁判官,弁護士,検察官)のうち,弁護士だけは国家機関の職員(公務員)ではなく,個人事業主の扱いになります。そのため,社会正義の実現という理想だけではなく,コストという経営面も無視できません。弁護士は高額の報酬を受け取っているイメージがあるかもしれませんが,それは扱う事件によって大きく異なります。

 高い報酬が見込めるのは民事事件であり,中でも損害賠償請求や代金支払請求などの被告に金銭の支払を求めることを目的とする訴訟類型がその代表格です。この場合,弁護士報酬は訴額(相手に請求する金銭の額)に一定の割合を乗じて算出され,勝訴した場合には成功報酬としてその額を受け取ることができます。


 委任者が法人である場合はその訴額は一件当たり数千万から何億という額になることも珍しくありません。一人の弁護士が同時に受任できる案件には限りがあります。そのため,費用対効果の面からしても,このような金銭支払請求訴訟を率先して受任する弁護士が多いのが当然といえば当然です。


 一方,刑事事件はといいますと,日本には国選弁護人という法制度が整備されています。国選弁護人とは,貧困のため自費で弁護士を付けられない被疑者・被告人が,国の費用で弁護士が付けられるというものです。人権保護の観点からその範囲も拡大し,現在ではほぼすべての事件において被疑者・被告人は国の費用をもって弁護士を付すことができます。

 人権保護を目的とする国選弁護人制度自体は社会全体としては好ましいものであるのですが,その反面,問題とされている部分もあります。国選弁護人の弁護費用は国費で賄われるものであり,そこには国家予算の限界があります。そのため,国選弁護人として任命された者は最低限の日当でその者の弁護活動を行わなければなりません。最高裁判所事務局に確認したところ,国選弁護人報酬の基準は公にはされないという扱いであるため,ここで明示することはできませんが,おおまかなめあすとして一人の刑事被告人の弁護を受任して数万円から良くて十数万円程度の支給額となります。しかもそこには交通費等の諸経費も含まれます。


 これは前述の民事事件の場合と比較して著しい報酬格差があることがお分かりになるかと思います。


 さらに,刑事事件,特に少年事件を扱う弁護士が少ない理由として,第二に,その専門性の高さが挙げられます。

 刑事弁護はまず,被疑者との信頼関係の構築から始まります。信頼関係なくしては事案の真相解明し,適切な権利保護の実現という目的が果たせないためです。ところが,特に逮捕された直後の被疑者は精神的に不安定であり,本来なら味方となるはずの弁護士に対しても,拒絶や嘘の供述をしたり,ときには攻撃を向けることもあります。被疑者を落ち着かせ,心を開いてもらうには,相手の気持ちを理解し信頼してもらえるように慎重に接することが不可欠であり,それには一種の行動心理学であったり,特有のコミュニケーション能力が求められます。

 

 中でも特に少年事件の場合は一層の繊細な配慮が必要となります。まだ人格形成が途中の未成年であるため,大人と同様のアプローチでは信頼関係を築くことは困難であり,配慮を欠くとかえって非行を助長する危険性すらあります。


 このように,少年事件は弁護士業務の中でも特有の難しさが内在する極めて特殊な業務といえます。


 以上のような理由から,刑事事件,特に少年事件を主として扱う弁護士が少ない理由がお分かりになるかと思います。このように,そもそも少年事件を扱う弁護士が少ないことから,犯罪加害者となってしまった少年及びその家族の保護は十分ではなく,現状はこれらの者の人権が過剰に侵害されたままの状態となっていると言わざるを得ません。


地元・埼玉県川口市 豊富な子育て支援と利便性の高い交通

 罪を犯してしまった少年の再起を支援し,子どもたちの未来を守るため,埼玉県川口市を拠点として活動を行います。


そこで川口市内にあるJR東日本川口駅から徒歩10分圏内にあるオフィスビルの一角を借り,そこに事務所を設立する予定です。ここ川口市は私の地元であり,埼玉県南東部に位置する東京都心のベッドタウンとして発展する街のひとつです。子育て支援が充実しており,関東圏内の交通アクセスが良いことが魅力です。事務所は無駄な費用はかけず,内装はシンプルに,必要最小限のものを揃えて運営していきたいと考えています。



クラウドファンディングを始めた理由

 罪を犯してしまった少年の再起を支援し,子どもたちの未来を守りたい!そのために,『犯罪加害者となった少年とその家族の弁護』を専門に扱う弁護士事務所を立ち上げたい!


 私のこのような理念は,犯罪加害者及びその家族の人権保護が一層必要な状況となっている中,これを支援する機関がけっして多くはないという実情から,なんとか自分がその一役を担えないかという想いから生まれたものです。


 しかし,どんなに崇高な理念だけを掲げてもその想いは実現しません。

 事務所の設立には多くの費用がかかります。さらに,もともと高額の報酬が見込めない事件を扱う事務所である場合,設立直後の運営維持はさらに経営的困難が予想されます。そのため,貯蓄や融資などによる現状の資産だけでは,仮に事務所の設立自体はできても,その継続は難しく,現状ではどこまで続けられるかの見通しも立てられない状況です。

 それでも支援の間口は常に開かれていなければなりません。

 そこでこの度,私の理念に賛同していただける方々からのご協力をお願いするため,本プロジェクトを立ち上げました。


 今回皆様からいただいた大切なご支援は,『犯罪加害者となった少年とその家族の弁護』を専門に扱う弁護士事務所の設立,運営維持及び「犯罪を犯してしまった少年たちの未来」を守るための活動資金に充てさせていただきます。

 また,クラウドファンティングで広くご支援を呼びかけることは,この取り組みを多くの方に知ってもらうきっかけになるものとも考えております。皆様のご支援をどうぞよろしくお願いします。

資金の使い道

1 事務所設立・運営維持

 ・専用Webサイト制作費,更新費

2 犯罪を犯してしまった少年たちの未来を守るための活動

 ・広報活動費

 ・弁護士,職員,ボランティア等の交通費

3 手数料

 ・キャンプファイヤー利用手数料


スケジュール

令和5年5月 クラウドファンディング終了

令和5年7月 物件契約完了

令和5年8月中旬 ホームページ開設

令和5年9月1日 事務所オープン

令和5年9月下旬 リターン発送


リターンについて

[3,000円コース] お礼のメール

 お礼と活動報告をメールにて送らせていただきます。

[10,000円コース] お礼のメッセージカード

 心を込めてお礼のメッセージカードを作成して郵送にて送付させていただき,活動報告をメールにて送らせていただきます。

[30,000円コース] お礼のお手紙 + ホームページお名前掲載

 心を込めてお礼のお手紙を作成して郵送にて送付させていただき,活動報告をメールにて送らせていただきます。また,希望される方は,ホームページにてお名前を掲載させていただきます。



<募集方式について>
本プロジェクトはAll-or-Nothing 方式で実施します。

期間内に目標金額を達成した場合に計画を実行し、リターンをお届けします。

※投稿する際の注意点

投稿するには ログイン が必要です。

プロジェクトオーナーの承認後に掲載されます。承認された内容を削除することはできません。

先月プロジェクトを立ち上げたところですが、持病の悪化によりプロジェクトの実施が困難となりました。つきましては同プロジェクトを取り下げる方向で現在処理を進めております。せっかく興味関心をいただきましたのに申し訳ございません。この度はありがとうございました。

JUN HATSUZAWA 2023/04/05 14:52

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