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(万太郎)わし生まれてこん方が よかったがじゃと。
はあ!?
そんなこと言うガキは頭から食ろうちゃる!
わっ 何するがじゃ! 離して!生まれてこん方が よかった?
ほんなら頭から食われても文句はないやろ!
嫌じゃ!望みどおり頭からバリバリ食ろうちゃる!
嫌…!
坊。
坊よ。
わあ…。
♪~
坊 生まれてこん方が よかった人らあ一人もおらんぜよ。
要らん命らあ 一つもない。
この世に 同じ命らあ 一つもない。
みんな 自分の務めを持って生まれてくるがじゃき。
務め?おう!
己の心と命を燃やして何か一つ 事をなすために生まれてくるがじゃ。
誰に命じられたことじゃあない。
己自身が決めて ここにおるがじゃ。
おまんも大きゅうなったら 何でもできる。
望む者になれるがやき。
さあ 望みや!おまんは 何がしたいがぜ?
♪~
♪「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」
♪「私は決して今を」
♪「今を憎んではいない」
♪「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」
♪「空が晴れたら 愛を、愛を伝えて」
♪「涙は明日の為 新しい花の種」
♪「空が晴れたら」
♪「逢いに、逢いに来て欲しい」
♪「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」
坂本さん! 坂本さん!おお 迎えじゃ。
何やりゆうがですか!下関におることになっちゅうがですき人目につかんとってください!すまんのう。
もし わしに息子がおったらこんなふうに遊んだがかのう?
坊 息災にのう。
餅 うまかったぞ。
待って! 待って 行かんとって!
(ヒサ)万太郎!お母ちゃん!
ハァ… ハァ… ハァ…。
よかった。
おらんようにならんと…。
ハァ…。お母ちゃん!
ごめんなさい。 ごめんなさい。
(竹雄)坊… 今 誰かおったようですが…。
天狗じゃ。(竹雄)天狗?
(綾)ホンマに おるが?おったよ。
本当に おったかもね。
ほら。
フッ…。うわ~ 気付かんかった。
(ヒサ)天狗が春を連れてきたがやろうね。
これ お母ちゃんが一番好きな花。
細うて ちいちゃいね。
ほんでも 冬の間ずっと 冷たい地面の下でちゃあんと根を張って春真っ先に それで こんなに白うてかわいらしい花を咲かせてくれちゅう。
この花は たくましい。
命の力に満ちちゅう。
命の力?
万太郎もね。
この花 何ていう花?
フッ…。 名前は知らんき。
どういて こんな花が咲くがか不思議じゃね。
回想 この世に 同じ命らあ 一つもない。みんな 自分の務めを持って生まれてくるがじゃき。
どういて こんな花が咲くがか…。
おばあちゃん…。
(タキ)おまんは 何ですか!?
今日は うちの酒を仕込むために働いてくれちょった蔵人らあを存分に ねぎらう日じゃ!
蔵元は 蔵人が 酒を造ってくれるきやっていける。
いくら礼を言うても 足りん!
そんな大事な日に…。
おまんは それでも 峰屋の当主かね!?
杜氏のおやっつぁん蔵人のあんちゃんらあわしは いつもあんちゃんらあの あの歌 聴きよった。
蔵の仕事 お酒も 分からんけんどあんちゃんらあの歌聴くとうれしゅうて…。
熱が出ちゅう時も ぐっすり眠れて…。
おやっつぁん あんちゃんらあどうか また 峰屋に来てくれますろうか?
(寅松)坊 ありがとう存じます。
わしらあも 峰屋で働けて幸せですき。また秋になったら 参ります。
のう?(一同)へい!
坊 よろしゅうお頼申します。楽しみに待っちょってください。
坊 また来ますき。また来ますき!
おまんは 来んでえい!何で…!
お頼申します!
(笑い声)(蔵人たち)へい!
待っちょってください!ありがとう!
(豊治)おい…。 ん…。
坊…。
♪~
しなっと しちゅう…。
あっ そうや!
大奥様?
竹雄 おまんは 働き者じゃ。
ゆくゆくは 市蔵…おまんの父ちゃんのようにえい番頭になるじゃろう。
けんど 明日からは家の仕事は せんでえい。
それよりも 万太郎のことだけを気にかけちょってくれたら えい。
そりゃ 坊のことはもちろんですけんど…。
ほんじゃき今日みたいなことは 二度と起こしな。
万太郎が黙って出ていく。そんなことが次あったらおまんの落ち度じゃき。
はい。
よし。
うわっ!
(たま)お疲れが出たがでしょう。とにかく休んでください。
大したことないがよ。
外も すごく気持ちようて…。
もう黙って じっとしちょってください。
ん? 何やろう?
(ヒサ)まあ…。こらあ 何ですろう?
これやったら 枯れんね。
♪~
(塚田)ツケときたか。喜左衛門の手じゃな。
仕込まれましたき。
喜左衛門と嘉平 屋台骨を亡くして峰屋の酒が もう飲めんなると案じたがいらん心配じゃったの。
ええ。 いらんご心配でございます。
私は 峰屋を孫に渡すまでピンシャンしちょりますき。
ハハハハ…。
今や この土佐はのるかそるか乾坤一擲の時。
だが 民には それが分からん。
潮の変わり目と浮き足だつ者もおる。
ご案じくださらんでも私ども峰屋は深尾のお殿様に引き立てられ150年間 のれんを守ってまいりました。
世の中が どう変わろうと峰屋の忠義 変わることはございませんき。
おっ これは…。
(タキ)万太郎 ご挨拶を。
お殿様の御勝手方であらせられる塚田様じゃ。
塚田様 初めてお目通りいたします。
ほう 利発そうな子じゃ。いくつになる?
5歳です。
ならば そのうち 寺子屋じゃのう。
坊 名教館に通うか?
名教館?
塚田様 それはお殿様の御学問所でございますろう?
町人とはいえ 今の時勢を思うとなご家中の子弟が峰屋の跡継ぎと交わればきっと この先の助けとなろう。
ああ…。 ありがとう存じます。
この年の10月土佐藩が幕府に提出した建白書が歴史を大きく動かします。
世に言う 大政奉還です。
徳川の世の終わり…。
そのころ峰屋にも大きな別れが近づいていました。
おばあちゃん 帳面ちょうだい!
おや… 早速 手習いの練習かえ?感心やね。
お母ちゃん きっと元気になるき!