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あはははは
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「「ベーシストになるのは許しません!!」」

「「ベーシストになるのは許しません!!」」 - あははははの小説 - pixiv
「「ベーシストになるのは許しません!!」」 - あははははの小説 - pixiv
5,465文字
お姉ちゃん、私とバンド組んで
「「ベーシストになるのは許しません!!」」
STARRYに遊びに来たふたりと結束バンドの未来妄想話
ドラマーを大切にしよう
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2023年3月12日 10:48

「ねえお姉ちゃん」
「なに?」
「STARRY行きたい。ダメ?」
「唐突だね。明日ちょうど私は行く用事があるけど…って、もしかして知ってて言った?」
「えへへ」
「周到なんだから…」

急にふたりがSTARRYに行きたいって言い出した。最近のふたりは唐突に色々言ってくるなぁ。少し前までよりもっと仲良くなれてる気がして嬉しいけどね。で、私の予定は誰に聞いたんだろ

「喜多ちゃんに聞いたの?」
「んーん」
「じゃあ虹夏ちゃん?」
「違うよー」
「えっまさかリョウ先輩?」
「あたり!」
「嘘ぉ…」
「そんなに意外だった?」

意外だよ。ふたりとリョウ先輩なんて1番気が合わない組み合わせだと思うのに。話をする仲だったなんて

「リョウ先輩と何話すの?共通の話題ある?」
「まあ何かとあるんだよ。ベースも気になってるっていったらすぐ仲良くなれたし。あ、ベース気になってるのはほんとだからね?」
「そうなんだ。ベース好きに甘いなぁ…」

ふたりとリョウ先輩が初対面した時って、ふたりがベースのことを悪く言ったから先輩がふたりにヘッドホンをつけて洗脳開始とか言ってたっけ。5歳児にやることじゃないよなぁ…。それなのに今は仲良しだなんて驚きだ

「で、なんでリョウ先輩から私の予定を聞いたの。直接聞けば教えるよ?」
「話の流れでたまたま聞いたんだよ。リョウさんにベース教えてくださいって言ったらSTARRYに来いって言われたの。だからお姉ちゃんが行く日について行こうかなって思ったんだ」
「なるほど?ふたり、ベースに転向するの?」

ふたりがベーシストに?別にいいけど、私は教えられないと思うし、ベーシストって碌な人いないし…お姉ちゃん心配です

「違うよ、単純に興味あるってだけ。私はあくまでギタリスト志望だよ。ギターを持ってお姉ちゃん達と文化祭に出るのが当面の目標なんだから心配しないで?」
「そ、そっか。やだなぁ心配なんてしてないよあははは…」
「…ほんと分かりやすいね、お姉ちゃんは」
「うう…」

ふたりに呆れた顔をされてしまった。こんな感じのやりとりを日々繰り返しています。姉力ゼロどころかマイナスに振り切れてます

「ってことで、明日一緒に行っていいよね?」
「分かった。迷惑かけないようにね」
「お姉ちゃんがそれ言うの?」
「がはっ…正論…」

人の痛みは分かるようになったのかもしれないけど、今度は言葉の重みについて教えないといけないかもしれない。思ってても言っちゃいけないことってあるんだよ



次の日。ふたりと一緒にSTARRYに向かう。今日は少しみんなで打ち合わせをして後は練習をする予定だ。喜多ちゃんにも会うけどレッスンはまたの機会かな

「お姉ちゃんってよく何年も通ってるよね。疲れない?」
「慣れたら平気だよ。ふたりは私よりずっと体力あるんだから何ともないはず」
「確かに。お姉ちゃんができてるなら余裕かも」
「ぐっ」

自分で言っておいてなんだけど、やっぱり舐められてる…。悔しい…

「あ、着いたよ。入ろう!」
「そんなにはしゃがないの。STARRYは逃げないんだから」
「お邪魔しまーす!」
「ん、おーふたりちゃんか?大きくなったな」
「えーと…店長さんですよね?こんにちは、後藤ふたりです。今日はお忙しい中急に押しかけて申し訳ありません」
「お、おう…ご丁寧にありがとう」

はしゃぎながらSTARRYの中に入ったと思えば、店長にはしっかりとした態度で挨拶をするふたり。こいつ、できる…!ま、まあ優秀な妹を持ってお姉ちゃんは幸せだよ、うん…。完敗だ…!

「別に迷惑じゃないから気にしないでくれよ。ましてやぼっちちゃんの妹ならな。そうだ、ギターやってるんだって?やっぱり姉妹は同じ楽器をやってこそ姉妹だよなぁ、うちの虹夏はなぜかドラムやってるけど…」
「店長さんは何の楽器やってたんですか?」
「私はギターだ。訳あってバンドやめたんだけどな。まあそれはいいや」
「あっ店長おはようございます。にっ虹夏ちゃんのこと悪く言わないでくださいね、虹夏ちゃんにも考えがあるんでしょうから」
「お、ぼっちちゃんおはよう。悪かったよ。虹夏の彼氏様を怒らせるわけにはいかないからな」
「あ、そっそんな恐れ多いです…この度は店長…星歌さんの大切な妹さんを彼女にしてしまい大変申し訳ございませんでした…」

そういえば付き合ったこと店長に報告してなかったよね?もちろん虹夏ちゃんから聞いてはいるだろうけど…

「謝ることないって。けど、大事な妹だ。あいつぼっちちゃんのこと大好きなんだよ、幸せにしてやってくれよな」
「あっはい!任せてください!あっあとご報告が遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした!」
「だから怒ってないって!土下座やめろ!」

「ねぇリョウさん」
「お、ふたり来たか。どうした?」
「お姉ちゃんっていつもあんな感じなんですか?」
「店長とか私達の前だと頻繁にああなってるよ。やっぱり家にいる時とは違う?」
「いえ、うちでも大体似たようなもんです。いつも姉がすみません…」
「気にしないで。ぼっちは面白いからみんな好きだよ」
「そう言ってくださるとありがたいです」

(よかったねお姉ちゃん。みんなから愛されて。でも家の外で姉の醜態を見ると恥ずかしくてたまらないからやめて…)

「それで、今日はベース触りに来たんでしょ?いっそ転向しないか」
「触ってはみますけど、私はお姉ちゃんの意思を継ぐので」
「それは残念。というかぼっちは死んでないぞ。今は」
「最近よく死んでますよ」
「そういえばふたりは蘇生が得意らしいね。郁代が悔しがってた」
「ああ…妹ですから。お姉ちゃんは結束バンドだけのものじゃないんですよ?」
「いいね、いざと言うときは対バンしよう。勝った方がぼっちを貰うってことで」
「私に勝ち目ないんですけど…」
「ふたりには妹ボーナス5000点がつくから」
「私の圧勝ですね」
「こっちにはぼっちの彼女と親友と曲作りの相方がいるから。全部合わせてボーナス100万点」
「私の完敗ですね。妹ボーナス低すぎませんか?」
「3人分掛け合わせるから仕方ない。悔しければふたりも3人に分身することだな。後藤さんにんはいないの?」
「いません。お姉ちゃんじゃあるまいし分身もできません」

(この人ほんとマイペースだな…面白いけど。虹夏ちゃんはリョウさんとかなり付き合い長いんだっけ?凄いね)

「あ、ふたりちゃん来てるー!久しぶりー!」
「虹夏ちゃん!お久しぶりです、お邪魔してます」
「そんな畏まらなくていいよ。リョウとなんの話してたの?いじめられてない?」
「お姉ちゃんは結束バンドのものって言われちゃいました。妹1人じゃ勝てません」
「うん?よく分からないけど、ぼっちちゃんは私の彼女でもあるんだよ。あっそうだ!ふたりちゃんに挨拶してない!あっあのふたりさん、あなたのお姉さんとお付き合いさせていただいている─」
「虹夏ちゃんまでやらないでください!お姉ちゃんだけでお腹いっぱいなので」

(虹夏ちゃんもそう言う感じなの?好きな人同士似てきてるのかな。喜多ちゃんもお姉ちゃんに似てきたし、バンドって本当に家族みたいなものなのかも。私は家族とバンド組ませてもらったけどね)

「そういえば喜多ちゃんは?まだ来てない?」
「そろそろ来るんじゃない?」
「喜多ちゃんって遅刻するタイプなんですか?とてもそう思えないんですけど…」
「あー…喜多ちゃんずっとSNS中毒だから、写真撮りまくったりしてて集合に遅れることはそれなりにあるよ」
「えっそうなんですね…意外」
「ふたりの中の郁代は相当いい子みたいだね」
「残念ながらそうでもないよ〜?ふたりちゃんの前ではいい子を装ってるかもしれないけど」
「うーん、そんなふうには見えないですけど…強いて言うならお姉ちゃんに似てきてるかも…」
「「ああ…」」

(2人とも凄く納得してる…心当たりあるんだろうなぁ)

「虹夏もその節がある。ぼっちの影響力は半端ない」
「えっそうかな?」
「さっきの見ただけでもそれは分かりました…」
「ふたりちゃん!?」
「さて、そろそろふたりにベースを教えてあげよう。郁代が来ないと練習始められないし」
「ああ、今日ふたりちゃんが来てくれたのってリョウにベース教わるためだっけ。ふたりちゃん、ドラムには興味ない?」
「ないこともないです。よければ虹夏ちゃんも今度…」
「ふたりちゃん、ドラマーにならない?」
「リョウさんと同じこと言うんですね…」

(この2人も似てるところあるんだなぁ。もしかして私とお姉ちゃんも似てるところあるのかな?うーん、見た目は似てるけど中身は正反対だしなぁ…)

「じゃあふたり、スタジオ入ろう。ふたりに使ってもらう用のベースもってきたから」
「あっはい。ありがとうございます」

(ふたりちゃんの今の『あっはい』、めっちゃぼっちちゃんと似てたな。やっぱり姉妹なんだなぁ。そういえばぼっちちゃんはどこだ?…あ、いた。お姉ちゃんと話してたのか)

「ぼっちちゃんおはよう!リョウがふたりちゃん借りてるよー」
「あっ虹夏ちゃんおはようございます。ふたりがわがまま言ってすみません」
「別にいいって。ね、お姉ちゃん」
「ああ」
「ところで2人で何話してたの?」
「ん、ぼっちちゃんが私に土下座してきたから落ち着かせてた」
「何してるの…」
「あっ店長に虹夏ちゃんと付き合ったことのご挨拶と謝罪をしてました」
「挨拶はいいとしてなんで謝罪?お姉ちゃんまさか認めてくれてないの?」
「んな訳ないだろ。ぼっちちゃんが勝手に謝ってきたから困ってたんだよ」
「ごめんね、私の彼女が」
「うわなんか腹立つ。店でイチャつくの禁止」
「そっそんな…いや、分かりました」
「あれ、反発しないんだ」
「バンドがもっと成功するまではそっち最優先って約束したからね。残念ながらあまりイチャイチャしませーん」
「別に見たい訳じゃないんだけど…ま、頑張れよ」



「おはようございます!」
「あ、喜多ちゃん遅い!何してたの?」
「まあ色々と…SNSに軌跡が載ってるので見てください!」
「見てください、じゃない!真っ直ぐ向かいなさい!」
「ごめんなさい〜」

私達が来てから1時間後くらいにようやく喜多ちゃんが到着した。またSNS映えする店とかに気を取られて油売ってたんだろうなぁ…。喜多ちゃんもずっと変わってないや

「あっひとりちゃんおはよう。ふたりちゃんは?来てるよね?」
「あっおはよう喜多ちゃん。ふたりはリョウ先輩とベース弾いてます」
「え、ふたりちゃんベーシスト志望になったの?全力で止めないと…」

リョウ先輩大好きだった喜多ちゃんも今はこうなってしまった。好きは好きらしいけど、ベーシストに対する信頼がないからね…

「リョウさん凄かったです!また教えてもらえたりしますか?」
「もちろん。私はいつでもふたりのベーシスト転向を待ってるぜ」
「手遅れ!!」
「あわわ、ふたりがベーシストになっちゃう…!」

スタジオからふたりとリョウ先輩が出てきたと思ったら、ふたりが先輩を絶賛している!まるで昔の喜多ちゃんみたいだ。ふたり、嘘だよな…?

「あっ喜多ちゃん来てる。こんにちは」
「こんにちはふたりちゃん。いい?ベーシストはやめておいた方がいいわ。おとなしくギターを続けましょう?」
「え、どうしたんですか急に」
「ふたり、お姉ちゃんからもお願い!悪いことは言わないからギターを捨てないで…」
「お姉ちゃんまでなんなの?私はギターやめるつもりないけど…」
「でも!リョウ先輩のことあんなに褒めて…まるで昔の私じゃない!」
「自覚あったんだ」
「もしかして私貶されてる?」
「そうかもー」



「なんだ、そういうことね」
「最初から言ってるじゃないですか。私は色んな楽器を触ってみたいだけです。メインはギターですよ」
「よかった…クズになるふたりはいなかったんだね」
「ベーシスト=クズだもんね。安心したわー」
「虹夏、泣いてもいい?」
「いいけど反省しろよ?」

ふたりは今後もリョウ先輩からベースを教わるらしいけど、ベーシストになるつもりはないらしい。よかったよかった。まあ本気でなろうとしたらギターヒーローの力を使ってでも説得するけど

「さて、全員揃ったし練習しようか。時間ないし打ち合わせはまた後でね。喜多ちゃんが遅れるから…」
「ごめんなさい…」
「あっあの、見学しててもいいですか?邪魔はしませんから!」
「んー、あたしはいいけどみんなはどう?」
「構わんよ」
「私も!」
「あっみんながいいなら…ふたり、邪魔しちゃダメだよ」
「さっきそう言ったじゃん。みなさんありがとうございます」
「あ、でも今度のライブで新曲披露する予定だから、その練習中だけ外してもらっていいかな?ぼっちちゃんの身内とはいえ内緒にしたいかなーって」
「新曲ですか!?それは私だけ先に聞くわけにはいきませんね。分かりました。うわーでも気になる〜!お姉ちゃん、家で弾いて…やっぱりいい!」
「葛藤してるわね…」

珍しい表情を見せるふたり。結束バンドファンなのはありがたいよね

「じゃあ練習始めよっか。今日も頑張ろー!」



「「ベーシストになるのは許しません!!」」
STARRYに遊びに来たふたりと結束バンドの未来妄想話
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52811767
2023年3月12日 10:48
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