クマノミとイソギンチャクの海



<<back | next>>

海の中は危険がたくさんありますが、クマノミたちはイソギンチャクによって守られて暮らしています。クマノミの卵は両親に大切に育てられ、孵化します。孵化した子供たちは過酷な大海原を漂い成長してからイソギンチャクとの共生を始めます。

011_01.jpg
カクレクマノミ
分布:奄美大島以南、西部太平洋
映画でも取り上げられ人気になったクマノミです。オレンジ色の体色と、白い帯が特徴的です。クマノミの中ではおとなしい種類です。

011_02.jpg
ハナビラクマノミ
分布:奄美大島以南、西部太平洋
ピンク色に近い体色をもつクマノミで、背中と、頭に白い帯があるのが特徴です。少し臆病な性格でイソギンチャクの周りにいることが多い種類です。

011_03.jpg
シライトイソギンチャク
分布:四国以南、インド洋、西部太平洋、
長い触手が特徴的です。触手の色には様々なカラーバリエーションがあり、水流に流れる触手が美しいイソギンチャクです。

クマノミの暮らし

この水槽では、さまざまなクマノミとイソギンチャクが一緒に暮らす姿を見ることができます。可愛らしい姿で人気のクマノミですが、変わった生態をもっています。それは、毒のある危険なイソギンチャクと共生をすることです。クマノミには、この毒に対する免疫があるため一緒に暮らすことができ、イソギンチャクのおかげで外敵から身を守れます。普通クマノミは、一つのイソギンチャクに複数で生活し、一番大きなクマノミがメスになる習性があります。そして、二番目に大きなクマノミがオスになり、それより小さなクマノミは未成熟のままです。これは雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)といって、たくさんの卵を産める大きなクマノミがメスになることで、多くの子孫を残す戦略と考えられています。クマノミの仲間は、とても夫婦仲の良い魚として知られています。カクレクマノミでは、イソギンチャクの近くにある岩肌などに卵を産みつけ卵を守ります。雌は卵を食べてしまう外敵を追い払い、雄は卵に新鮮な海水を送り、イソギンチャクの触手から卵を守ります。孵化が始まるまでずっと夫婦で卵を守り続け、その後も一緒に生活します。

011_04.jpg
イソギンチャクと暮らすカクレクマノミ

011_05.jpg
岩に産み付けた卵を守るカクレクマノミ


<<back | next>>