2022.04.08
# 企業・経営

京大→ひきこもり→メタバース起業…鬼才・加藤直人の目に映る「メタバースのヤバい未来」

加藤 直人 プロフィール

──メタバースはインターネットを活用していますが、ユーザーが意識を没入させるということは、インターネットのあり方自体が大きく変わりますね。

加藤 メタバースは技術的にいろんな技術のコンバージェンス、いわゆる技術の結合によって実現します。今のインターネットの次に主流になるプラットフォームだと考えてもらうとわかりやすいです。

今はスマートフォンのようなモバイル端末を使ったモバイル・プラットフォーム全盛期です。しかし、次のコンピューティング・プラットフォームはもっと没入感があって、ネットにアクセスしていることを忘れてしまうようなものになるでしょう。

実際、今でもVRゴーグルのようなデバイスを使わないまでも、若い世代の間でネットにつなぎっぱなしにするというライフスタイルが始まっています。いい例がDiscord(ディスコード)というアプリです。ゲームをしながらチャットや通話をするのに適していて、ずっとつないでいることが普通なんです。

メタバースもゲームやコミュニケーションとの相性がよく、ネットでつながった世界をよりリアルに感じられます。メタバースを知ることは、次世代のコミュニケーションのあり方を考えることにつながり、新たなビジネスを考えるヒントになるはずです。

加藤氏
 

引きこもりから起業家へ

──加藤さんご自身についてもうかがいたいのですが、クラスター社を起業する以前は京大で物理学を学ばれていたそうですね。

加藤 中高生のころにさかのぼりますけど、僕はアニメ大好き人間だったんです。いわゆるオタクですね。『機動戦士ガンダムSEED』が大好きで宇宙に興味を持ち、物理が好きになりました。中学生のころから物理学を独学し、高校に入学した時点で「高校物理」はすべて履修済みでした。

当時の物理の先生がすごくいい方で、「お前は物理の授業を聞く必要がないから、授業中は好きな勉強をしてなさい」と言ってくれました。それでさらに大学レベルの発展的な物理学を独習していたんです。

京都大学理学部に進学したのも、ガンダムをきっかけに興味を持った宇宙物理学を、尊敬する湯川秀樹先生や朝永振一郎先生がいた場所で勉強したいと思ったからです。

関連記事