有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

三菱電機<下>スリーダイヤを冠しているだけに…三菱グループからの社長派遣はあるか

公開日: 更新日:

 1970年に社長に就任した進藤は殿様商売といわれた三菱電機のイメージを一新。神奈川県鎌倉市に人工衛星の工場を建設し、宇宙開発事業の礎を築く。80年、会長に就任、実力会長といわれ、85年、三菱グループでは前例のない代表取締役名誉会長になった。

 70年代から90年代にかけて社長の椅子をたらい回しした進藤貞和、片山仁八郎、志岐守哉は長崎製作所で同じ釜の飯を食った仲間だ。長崎製作所での不正は、少なくとも85年ごろから2020年まで行われていた。

 社内の常識が世間のそれと乖離していたのであれば、社内の常識に染まっていない外部の視点を入れなければ、軌道修正は無理である。

 10年4月から14年3月まで社長を務めた山西健一郎はこう語っている。「(社長の任期)4年は短いとよく言われるが、だからこそ成果を出そうと無理な経営に走る人は現れない。社長の名前は知らないが業績はいい。それこそが本来のいい会社なのだ」(「プレジデント」17年10月30日号)。志岐以降の社長の任期は、きちんと4年で交代してきた。

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