読者からの手紙 3

・1通目


×××さん


お久しぶりです。

〇〇〇〇〇です。

わたしのこと、覚えていますか?


この間、引き出しを整理していたら名刺が出てきたので筆を執らせていただいた次第です。

どうしてもお伝えしたいことがあるのです。


あなたは散々私を、あの子を侮辱しましたね。

あのときのことは思い出したくもありません。

でも、あなたには忘れたとは言わせません。

全てあなた方マスコミのせいです。


あたかも同情するかのような顔で近づいてきて、

あんな仕打ち、わたしをより高みに導く試練と思って耐えましたが、

それでもあなたの罪が消えるわけではありません。


あなたは償いをすべきです。

もう一度、わたしに話を聞きにきなさい。

今度はわたしの言う通りに広めなさい。


内容は今は伏せます。

どうせここに書いてもあなたのような低レベルな人間には理解できないでしょう。

わたしはあの子を救い出したのです。

ただ、あなたが広めることで、それを見て理解できる人もいるはずです。

なにしろこんな素敵なこと、そうそうないのですから。


とにかくわたしに連絡をしなさい。必ず。

待っています。



***


・2通目


×××


どうして連絡をしてこない

お前は自分の罪を認めろ。


もう少しだけ時間をあげるから、

必ず連絡をしてこい


***


・3通目


×××


これが最後です。

連絡をしてこい


***


・4通目


×××さん


こんにちは。

全くお返事をいただけませんね。


まあ、それももういいでしょう。

私はより高みに到達することにしたのです。


あなたのチャクラも開いて差し上げます。

感謝の心を忘れぬよう。

わたしを見つけてくださってありがとうございます。




※末尾に他部署編集部によるものと思われる手書き

「Oさん、前にこっちの週刊誌で取材した●●●●●の事件の電波女からの手紙です。オカルトならそっちのほうで取材どうすか?(笑)」

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