大使挨拶

平成26年12月1日

2014年11月

 
 
駐コンゴ民主共和国特命全権大使の牛尾滋です。2014年10月23日に信任状をカビラ大統領に捧呈し、大使として活動しております。
 
コンゴ民主共和国は長い間、特に東部地域における紛争に悩まされてきましたが,カビラ大統領とマタタ首相のリーダーシップにより経済改革が少しずつ進展し、ガバナンスの改善や外国投資の回復が見られています。豊かな天然資源に恵まれ、日本の約7倍の広い国土と約7千万人の人口を有するコンゴ民主共和国の復興と発展が期待されています。我が国は第5回アフリカ開発会議(TICADV)でアフリカにおける日本の投資を促進することを公約しており、大きな経済的潜在性を有する当国にも多くの日本企業が進出できるよう、企業支援に努めて参ります。
 
経済協力分野では、我が国とコンゴ民主共和国との友好協力関係の象徴と言われるマタディ橋が、全長723メートルの雄大な姿をコンゴ川に映しています。1984年に天皇皇后両陛下が皇太子同妃両殿下の当時にマタディ橋をご訪問されてから、今年で30年目を迎えます。その間、両国の技術者たちの献身的な維持管理努力により、今も良好な状態で重要な経済的役割を担っています。本年9月の国連総会の機会に開催された日・アフリカ地域経済共同体(RECs)議長国首脳会合において、安倍総理が、日アフリカ経済協力の模範としてマタディ橋に言及されましたが、今後とも我が国はマタディ橋の維持管理に建設的に関与して参ります(注)。
 
更に、本年7月にはキンシャサ市で空港から市内を結ぶポワ・ルー通りが完成しました。日本とコンゴ民主共和国両国の資金と人的協力によって完成したこの道路は、その工事のレベルの高さがキンシャサ市民の賞賛を浴びました。将来的に「日・コンゴ通り」と命名する計画があり、こちらも両国関係の象徴として市民に長く愛されることでしょう。また、当国の人材育成に力を入れるべく、キンシャサ特別州国立職業訓練校の新校舎も年内に完成する予定です。
 
広報文化面でも、日本映画上映会や柔道大会などのイベントを随時開催していく予定です。特に柔道は、当国ではサッカーに次ぎ人気のあるスポーツと言われ大変親しまれており、2020年の東京オリンピックに向けて、文化・スポーツ交流にも力を入れていく所存です。
 
更に、当地の在留邦人の皆様、旅行・ビジネスなどで当地に滞在する皆様のために、安全情報の提供を含む各種領事業務を大使館の最重要業務として、館員一同領事サービスの向上に努めて参ります。
 
最後に、当館はコンゴ共和国を兼轄しています。コンゴ共和国は、石油資源に恵まれ、一人当たりGDPが3,172ドルとアフリカ諸国の中では比較的高く、2012年には在京大使館を開設しました。私自身、できるだけ早くサス・ンゲソ大統領に信任状を捧呈し、日本とコンゴ共和国との関係強化にも尽力して参ります。
 
(注)第2回日RECs議長国首脳会合 総理スピーチ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/afr/af2/page1_000069.html

 

 

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