芸能事務所の経営って半端なく難しいんすよね、最近新参の Vtuber 事務所が沢山でてますが、その大半が上手く行ってないのは、芸能事務所の構造そのものが組織運営に向いてないという所があります
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返信先: さん
普通の会社で説明しましょう。食品会社があります。食品会社が売ってるのはもちろん食品です
食品は美味しくて、見た目が良くて、安いから売れます。ポッキーとか見りゃ分かるんですけど、食品会社の仕事って「いま売れている商品を売り続ける」事なんですよ
「いま売れてるものを売り続ける」は組織に向いてるんです。なぜ向いているのか? 正解があるからです
なぜ正解があると組織に向いてるのか? それは組織の構成員の大部分は「お勉強のできる人間」だからです。つまり学校で教わった正解に従って動くのが得意な人間ね
組織構成員の大多数が「お勉強の出来る人間」であり、彼らは正解を必要としているし、正解に向かっていく事しかできないので、ポッキーという正解があり、かつそれを「美味しい」「綺麗」「安い」と言った正解に寄せていけばいい商売だから、食品会社ってのは経営しやすいんです
ところが芸能事務所ってのはそうじゃない。芸能人とか Vtuber はおよそ正解と違う所で客にウケている。クソ陰キャも居れば、バカも居て、酒カスも居れば、変態も居る、およそ正解とは言い難い所で売れている
これは会社組織を構成する「お勉強の出来る人間」と対立した存在であるため
正解に向かっていきたい「お勉強の出来る人間」は Vtuber の失言を止めたり、世間的に問題のある歌を止めたりするんだけど
それをやると Vtuber は面白くないし、客も面白くない、面白さが収入の源泉である芸能事務所にとってこれは自殺行為である
しかし、組織を構成できるのは「お勉強の出来る人間」だけである。Vtuber や芸能人のような社会不適合者には組織運営など到底不可能だ
経営者もついつい「お勉強のできる人間」に今後の方針を考えさせたりする。するといかにも安全かつ確実に発展していけそうな方針案が出てくる
普通の経営者だと「お勉強のできる人間」の出す美しい方針案の魅力にコロッとやられて、それで、その方針を中心に置いて芸能人や Vtuber 達に「お触れ」を出すわけだが
そんな事をしていると、肝心の芸能人たちの心が離れてパワーのある人間から順に事務所から抜けていく事になる
まあ、ただこうした構造は芸能事務所固有のものではなく、サイクルが早い芸能産業だから見えやすいだけで、一般企業でも「お勉強のできる人間」が主力商品に頼り切った結果、新商品開発がおろそかになり、会社が潰れる原因になる事もある
思うに「組織に向いている人間」と「商品価値を生み出す人間」は根本的に相性が悪いのだ。組織を運営するには既存の価値観や仕組みに従順でなければならないが、価値を生み出す人間は既存の価値観や仕組みに不満を持つ性格でなければならない
経営者は組織運営と価値の創造という二面性を持たざるを得ず、一貫性がなく矛盾を抱えた人間である必要がある
思うに、人間が文明を巨大化できた理由の1つは、自己矛盾を抱えられる脳の性質にあるのではないかと思う
解離性多重人格は単に脳のエラーと考えられがちだが、実際はこの、一人の中に1つ以上の意識と価値観を保有できることが人間の長所であり、巨大な組織内に必ず存在する矛盾と対立に組織運営者が対応できる理由でもある
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