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「超穴場」長野市のステーキ店 約30年の歴史に幕

長野市豊野でボリュームたっぷりのステーキを提供してきた店が、31日で閉店することになりました。地元で愛され続けておよそ30年。
店は閉店を惜しむ客でにぎわっています。

香ばしく焼き上げる牛肉。
付け合わせの野菜を載せた鉄板の上へのせます。
ニンニクや醤油を使った特製のソースをかけて…店主おすすめのロースステーキが完成しました。
分厚くカットされた肉が食欲をそそります。
使っているのはオーストラリア産の牛肉で、リブロースの芯の部分。
その味は・・・

■来店客
「軟らかくてナイフもスッと入っちゃいますしおいしい」
「一番多い時週4日来ましたね。『超穴場』ですよ。」

訪れた人を虜にするステーキ。
提供しているのは長野市豊野にある「大倉屋」です。

店を一人で切り盛りするのは塚川律雄さん(70)。
来月71歳になります。

■大倉屋 塚川律雄さん
「我々子どもの頃はステーキは食べたことがなかった。それを夢に描いて商売を始めた。
ステーキ店を目指して商売に入った」

塚川さんが料理の世界に入ったのは27歳の時。
長野市内で喫茶店を始め、その後、ラーメン店も経営して腕を磨きました。

今からおよそ30年前、中心市街地から離れた長野市豊野に店を構えたのは「見晴らしの良い場所が好きだったから」。
夢をかなえて営業してきましたが、今月いっぱい、31日で閉店することにしました。

■塚川
「やはり、自分の年齢のこととか物価。値段が上がってくる。その前に新型コロナの問題。これからは若い人に譲っていかなければいけないと思って」

店のもう一つの看板メニューはハンバーグ。
ナポリタンにライス、サラダ・スープもついてボリューム満点です。

閉店後、この店は友人とその家族が引き継ぎカフェを営業することになっていて、現在、作り方を指導しています。

■塚川さん
「全部真似するのではなくてその人なりの個性で歴史を作っていく。それでいいんじゃないですかね」

長年、時を刻んできた、アンティークの振り子時計があります。
店に醸し出される落ち着いた雰囲気が客を引き寄せる魅力にもなっていました。

取材したのは水曜日。定休日でしたが、店を開けました。

閉店の情報が口コミで広がる中、少しでも多くの人に足を運んでもらおうと考えたからです。

ランチの厨房は迫力満点!特別に分厚い1ポンド・450gのステーキを5人分提供しました。
閉店を知って集まった常連客からのリクエストに応えるためです。

■常連客
「軟らかくておいしいです。厚みもあるので食べ応えも十分」
「店を閉めてしまうので非常にさみしく思っている」

■会計時のやりとり
「ありがとうございました長い間ね」
「お体に気を付けて」
「そうだね、お互いに気を付けてね。『生きているうちが花』だからね」

飾らない、きさくな人柄の塚川さん。
閉店後は市街地で若手や男性を対象にした料理教室を開く予定です。

■塚川さん
「自分の人生ほとんどをここに費やしてきた。悔いはないですね。自分でやってきたことだから」

営業は31日まで。
長野市の郊外で「地域の味」を守ってきた老舗店が、その歴史に幕を降ろします。