ミイラ遺体「10日後にはにおい」 家族、死亡直後に認識か
東京都足立区の民家で戸籍上「111歳」の加藤宗現さんとみられるミイラ化した遺体が見つかった事件で、長女の夫(83)が警視庁千住署の任意の事情聴取に対し「(1978年に加藤さんが)部屋に閉じこもった約10日後ににおいがした。ほかの家族2人も確認した」と話していることが2日、同署への取材でわかった。同署は加藤さんの死亡直後から家族が認識していたとみている。
同署によると、長女の夫が、加藤さんが部屋に閉じこもった2年後に入室した際に「窓を開けた」と話し、遺体の状況について「今と同じようだった」と説明していたことも判明。同署は、既に頭部が白骨化していた可能性もあるとみている。
部屋で見つかった新聞の日付から加藤さんは32年前の78年ごろ、死亡したとみられている。
足立区などによると、加藤さんは69年8月から老齢福祉年金を受給。元教員の妻が死亡した2004年には妻の遺族共済年金へ切り替え、同年10月~10年6月の間、計約950万円が加藤さんの口座に振り込まれていた。同署は年金詐欺の疑いもあるとみて家族から引き続き任意で事情を聴いている。