コメントが来ました
以下のブログにコメントが来た。
コメントは以下の通りである。
なぜ既に最終報告が出ているにも関わらず追記されず、中間報告の誤った解釈のみが掲載されたままなんでしょう?
次亜塩素酸水のSARS-CoV2に対する効果は、NITEの最新のファクトシートにて有効としめされています。
基準が滅茶苦茶、誤った使用法と誤った効用についてはその通りですが、それは使用する人の誤りです。
ミスリードを誘うタイトルのままでは、POICウォーターと50歩100歩のように思えます、方向が違うだけで。
だいぶ煽ってきている感じのコメントだ。
自分もNITEが最終報告を出して次亜塩素酸水の使用条件を設定したことはかなり前に把握していたが、私はこれを次亜塩素酸水に対する死刑宣告である、と判断したので特に何も書かなかったのだが、どうも同じ日本語でも解釈が違う人がいるらしい。
そこでNITEが出した最終報告を見てみたいと思う。
ちなみに中間報告発表時に書いたブログは以下の通りである。
NITEの中間結果で次亜塩素酸水はほぼ否定される - (続)とある最底辺歯科医の戯れ言集
コメント主はこのタイトルがどうしても気にいらなかったようだ。
NITE最終報告
NITEの最終報告は以下の様になっている。
このページの下の方にあるPDFファイルが本体である。
https://www.nite.go.jp/data/000111315.pdf
結構長いので抜粋してお伝えしたい。
多施設において色々な条件下で実験を行っている。
北里大学の実験では不活効果無し、他の実験系においては条件により不活効果が認められた。
この結果を総合してNITEは次亜塩素酸水はpH6.5以下で35ppm以上は有効であると結論づけている。
これだけみれば、あ、次亜塩素酸水有効なんだ、ということになるのかもしれないが、次亜塩素酸水には色々と問題がある。
次亜塩素酸水の問題点
1)次亜塩素酸水は濃度が減る
次亜塩素酸水は生成した時が最も有効濃度が高く、その後減っていく。使用前に毎回濃度を測らないとNITEが設定した濃度を上回っているかわからない可能性がある。そんな面倒な事をしてまで使いたい人がどれだけいるのだろうか?
2)次亜塩素酸水は量が必要
実験系をみてもウイルス液1に対して次亜塩素酸水19で不活効果が認められており、かなりの量が必要である。NITEの使用条件の注意にも対象物に対して充分な量を使用すること、と書いている。工場などで次亜塩素酸水で設備消毒している動画ではほぼ源泉掛け流しみたいな感じで使用されている。そのような量を用意するには自前で生成器を用意するしかないのではないだろうか?
3)本当に有効濃度で販売されているのか?
NITEは中間報告で販売されている商品の多くが、有効濃度やpHが記載されていない物が多い、有効期限も明確ではない、と報告している。
また、電解型の生成器に関しても統一した規格はないはずなので、生成器を購入したとしてもSARS-CoV2に有効な次亜塩素酸水が生成されているかどうかは私は確認する事が出来ないし、生成器だって最初は良くても使ってるとどうなるかはわからない。
4)金属の腐食やゴムを劣化させる可能性
次亜塩素酸水は金属やゴムには使えないと考えた方がよい。
次亜塩素酸水は面倒くさい
濃度を使用前に確認して掛け流すかのように使用しながらも金属やゴムには使えないというならアルコールの方が遙かに簡便ではないか?と私は思ったし、他の人もそうじゃないだろうか。
次亜塩素酸水はアルコールが手に入らなくなった事から急遽クローズアップされた。しかし使用条件が細かく指定されればそれを守るのが非常に面倒な材料と私は思う。だから使用条件の確定=次亜塩素酸水への死亡宣告と判断した。
実際、あんなに次亜塩素酸水を配布していた自治体も殆ど配布を打ち切っている。
勿論工場などのような掛け流すことが前提でしっかり管理されている所は別だが、家庭で使うには条件が確定した今ハードルが高すぎると思う。
コメント主は使用する側の誤りであると一方的に使用者側を糾弾しているが、NITEは業者側にも問題がある、と指摘しているのだが・・・コメント主は次亜塩素酸水業者の方??
どちらにしても、しっかりと日本語が読めて次亜塩素酸水を理解しているなら、アルコールと比較して次亜塩素酸水を積極的に使っていこうとはならないと思うのだが。
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