船頭はベテラン 体調にも問題なし 運航ルールも遵守
運航組合によりますと、船頭4人の運航歴は▼「竿」担当は18年、 ▼「櫂」担当は30年と20年 、▼「舵」担当は9年というベテラン達でした。

今回のポイントになった「舵」担当は9年という経験年数ですが代表理事は「9年あればもう十分経験はしている、体力的には今一番いい時期だ」と話しています。
運航基準では「保津川の推移が85センチ以上で運航中止」になります。28日に乗船した人によりますと、27日は雨のため運航中止されました。事故が起きた28日は運航基準内69センチだっということで、しっかりとルールには則っていました。
それでは船自体に問題があったのでしょうか?

保津川遊船企業組合 豊田代表理事
「それはないです。穴が開いているわけでもなかった」
船頭の体調確認について運航組合によると▼出発前にアルコールチェック、体調面の聞き取りをしているそうです。豊田代表理事は「(健康不備の報告は)何も聞いてないので何か問題があったというのはないと思います」と話しました。
まだ原因がはっきりとわからない状況の中で29日午後、国交省の運輸安全委員会の調査官らが現地で事故原因を調査しています。警察によりますと「最後尾にいた船頭が舵の操作を誤って転落し、(船が)岩にぶつかり座礁した」と運航組合が説明したということです。
事故を避けるために…求められるリスク管理とは
ホラン千秋キャスター:
経験を積んでいても、水流、スピード、水量は毎日異なります。安全対策はどうすればよいのでしょうか?

萩谷麻衣子 弁護士:
川下りの重大な事故としては平成23年に起きた天竜川の事故が記憶に残っています。乗船客全員が救命胴衣を着けておらず、5人が亡くなってしまいました。
その後、国交省などが中心となって安全対策ガイドラインができ、救命胴衣の着用を徹底するようになりました。今回も基準は守っていたと言うことですが、自然が相手なので完全に事故を防止することは出来るわけじゃないと思います。
何かあったときに船頭さんが全員を助けられるかどうかというと、そういうわけではありません。乗客もどうやって身を守るのか、そこまでのリスク管理をしながら乗る必要が出てくるかもしれません。
井上貴博キャスター:
あってはならない事故ですが、2022年に知床で起きた完全な過失の事故と、しっかりと見ていく必要がある。だからこそ調査もしっかりと行って欲しい。