3月28日、京都の観光名物「保津川下り」で船が座礁し、船頭の男性1人が死亡する事故がありました。
運航している組合への取材の中で、舵を空振りする『から舵』の危険性が明らかになってきました。はたして他に事故につながる要因はあったのでしょうか?
京都・保津川下り 「から舵」でバランス崩したか
南波雅俊キャスター:
京都の観光名物「保津川下り」の船が座礁した事故についてお伝えします。
「保津川下り」というのは京都の亀岡市から嵐山を結ぶ約16キロ、所要時間2時間ほどの川下りで、途中には珍しい形の「イノシシ岩」や自然豊かな渓谷「保津峡」などを見ることができます。

座礁事故は乗船場であるスタート地点から大体4キロぐらい進んだ、「大高瀬」という急流付近で起きました。当日は定員30人乗りの船に乗客25人+船頭4人の計29人が乗っていました。
船頭4人の配置は…
▼船首に3人(障害物をよける「竿」担当1人、進行方向へ漕ぐ「櫂(かい)」担当2人)
▼船尾に1人(舵をとる「舵」担当1人)

事故は船尾で「舵」を担当する船頭が“から舵”という状況になり落水してしまいました。そのため船首にいた「櫂」担当の1人が船の後方へ移動して舵を担当しようとしましたが間に合わず、船がコントロールを失い数百メートル先で座礁したのではないかと見られています。

保津川遊船企業組合 豊田知八代表理事
「(大高瀬付近は)舵を動かす場所なので『から舵』は絶対ダメ」
大高瀬付近は右にカーブしています。舵を水中に押し付け体重を乗せて操船していくのに、舵の先が押し付けられず空中に出てしまう空振り状態が「から舵」で、おそらくこの船頭は船の左側に体を乗り出したものの「から舵」でバランスを崩し落水してしまったのではないかということです。












