立憲民主党の小西洋之参院議員が、自身の発言を放送したフジテレビに対し、「放送法違反でBPO(放送倫理・番組向上機構)等に告発することが出来ます」などとツイッターで発信した。内容は放送局への圧力ともとられかねず、妥当性が問われそうだ。小西氏は国会審議で、放送法の政治的公平性の解釈をめぐり、政権を追及していた。
フジテレビが取り上げたのは、29日の小西氏の発言。衆院憲法審査会が毎週開かれていることについて小西氏が「毎週開催はサルがやることだ」などと述べたと報じた。小西氏は参院憲法審で野党側の筆頭幹事を務め、憲法改正に積極的な与党などに批判的な見解を示してきた経緯がある。
これに対し、小西氏は29日に自身のツイッターで「(発言は)オフレコで、特に『人にサルはいけないですね』と撤回していた」と説明。その上で、フジテレビの過去の報道が「国会審議の核心論点を放送してない」と主張し、放送番組の政治的公平を定めた放送法4条に違反していると持論を展開した。元総務官僚である自身の経歴を引き、「元放送政策課課長補佐に喧嘩(けんか)を売るとはいい度胸だ」とも投稿した。
小西氏は30日、国会内で記者団の取材に応じ、自身の投稿について「私は名誉毀損(きそん)を受けたという認識。非常に偏った報道で、一個人として対抗措置を取らないといけない」などと主張。「事実として放送法に抵触している」とし、政治的圧力にはあたらないと強調した。「サル」などと揶揄(やゆ)した発言については「私の発言報道により不快な思いをされた方々にはおわびを申し上げたい」と釈明した。
小西氏は開会中の通常国会で、放送法4条の解釈をめぐる安倍政権下の首相官邸と総務省とのやりとりを記録した行政文書を入手し、公表。政治の関与で報道側を萎縮させた可能性を指摘し、「報道の自由が危機にひんしている」などと、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相らへの追及を強めていた。(筒井竜平)
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