県関連の議員18人が教団側と接点 旧統一教会巡り本社アンケート
朝日新聞社が全国の国会議員と都道府県議、知事を対象に実施した「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)との関係を尋ねるアンケートでは、千葉県関連の国会議員と県議、知事計110人からも回答を得た。教団や関連団体との接点があったことを認めたのは国会議員で6人、県議12人だった。
6国会議員・12県議 催し出席・献金など
アンケートは8~9月に原則オンラインで実施した。対象となった県関連の国会議員と県議、知事は計118人で、回答率は93・2%だった。
教団や関連団体との接点を内容別に見ると、イベントへの出席・祝辞・祝電などを認めたのは17人▽教団関係者から献金を受けたりパーティー券を買ってもらったりしたと認めたのは3人▽運動員の派遣など選挙支援を受けたと認めたのは2人▽イベント会費の支出を認めたのも2人だった。1人で複数の内容を認めた人もいた。
接点を認めた議員は、政党別に自民13人▽公明2人▽立憲1人▽無所属2人だった。
国会議員で接点を認めたのは6人。衆院では自民の松本尚氏が、教団の関連団体「世界平和女性連合(WFWP)」のイベントに秘書が代理参加したと認めた。自民の小林鷹之氏も教団側との接点を認め、「地元の方からの依頼」だったとした。立憲の田嶋要氏は、2004年に政治資金パーティーにWFWPの関係者が1人参加していたことが分かったとした。
参院で接点を認めたのは、いずれも自民の議員。猪口邦子氏は、WFWPのイベントに複数回出席し、あいさつしたなどと認めた。「国連NGOの団体という認識」だったという。臼井正一氏は、「地元の後援者からのお誘い」だったとして、すべての内容での接点を認めた。豊田俊郎氏も、17年に教団が主催したイベントに来賓として出席していたことを認めた。
目立つ関連団体との関係 建議になり機関紙届いた例も
県議で接点を認めたのは12人。目立ったのはWFWPとの接点だ。自民の斉藤守氏は、「議員になってWFWPから機関誌が送られてくるようになった」「選択的夫婦別姓や憲法改正については同様の考え方を持っているので、集まりの中で話をした」とした。
さらに、自民の田中幸太郎氏が、WFWPが主催する猪口氏の講演会に出席したと認めたほか、公明の田村耕作氏も、21年にWFWPが主催した夫婦別姓に関するオンラインセミナーに参加したと認めた。自民の宮坂奈緒氏、無所属の西尾憲一氏もWFWPと接点があったとした。
このほか、公明の阿部俊昭氏は、18年と22年に教団の関連団体が主催するイベントに出席し、うち1回は会費も支払った。自民の鈴木弘子氏は、イベントに出席したことを認めた上で、「統一教会(と関連している)と知り、慌てて対応を変えた」とした。
いずれも自民の阿部紘一氏、伊藤寛氏、信田光保氏、浜田穂積氏、無所属の田沼隆志氏も教団側との接点を認めた。「地元の旧統一教会の知人」(阿部氏)や「地元の支援者」(信田氏)に頼まれたり、「先輩議員からの紹介」(田沼氏)だったりしたという。
酒井茂英氏、茂呂剛氏からは期限内に回答を得られなかった。伊藤和男氏、鶴岡宏祥氏(当時県議)、松戸隆政氏には期限内に連絡が取れず、依頼できなかった。また、鈴木衛氏は、選挙支援に関する設問に「わからない」と答えた。
「関係見直す」 17議員が回答
アンケートでは、教団や関連団体と今後の関係を見直すかどうかを選択式で、その理由を記述式で尋ねた。接点を認めた18人のうち、「はい」と答えたのは15人。参院議員の豊田氏と県議の信田氏は、選択式の設問には未回答だったが、「今後、社会的に問題となるような団体とは関係を持たないようにする」(豊田氏)、「一連の報道を受け関係を見直す」(信田氏)とした。県議の伊藤寛氏は「わからない」とし、「今まで有権者個人として、お付き合いしていたため」と説明した。
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