第3話 おっぱい

「いいのか……?」


 鼓動が早くなっていくのがわかる。

 カラダは熱を持って、額には汗が垂れてきていた。


「うん。触って、お兄ちゃん」


 俺にはもうその誘惑に打ち勝つ手段がない。


 すぐ目の前にそびえる、大きな2つの山。そこへ向かって、ゆっくりと両手を持ち上げた。


「ん……っ」


 触れると、兎姫はほんの僅かに悩ましげな声を漏らす。


「おぉ…………」


 ブラの上からでもわかるズッシリとした重さ。


「おっきいでしょ? Eカップあるよ」

「E……!?」


 でっか!?


「ここ1年くらいの間で一気に大きくなったかな」


 ついこの前までぺったんこだったのに……。

 成長期は恐ろしい。


 背徳感から、さらに興奮は高まってくる。

 

「あっ、ん……〜〜っ」


 気づけば俺はブラの上からにも関わらず兎姫の胸を揉みしだいていた。

 ゴワゴワとした生地の感触の中に、たしかな柔らかさを感じる。


 だが、ここまで来るとそれでは物足りないと思ってしまうのが必然だ。


「なぁ、兎姫……直接触ってもいいか……?」

「うん……♪ あっ————」


 兎姫が頷いてすぐ、俺は背中に手を回してブラのホックを外した。

 ブラが脱げ落ちると、ぷるんと揺れながら一糸纏わぬEカップの胸があらわになる。

 一日中付けていたブラの圧迫から解放された胸はムワッと熱気を帯びていて、しっとりと汗が滲んでいた。汗の香りとミルクのような甘い香りが鼻腔をくすぐり、さらなる情欲を煽る。


「まだ誰にも触らせたことのない私のおっぱい、たくさん可愛がって……♡」


「————っ!!」


「あっ♡、お兄ちゃん、いきなりッ、激しいよ……♡」


 ついに触れてしまった生のおっぱいは、俺の手のひらを吸い付くように包み込んだ。マシュマロみたいに柔らかくて、しかし瑞々しく弾力があり、跳ね返ってくる。


 無限に味わっていたいような、最高の感触だ。

 

「あっ、ふ、おっぱい揉まれるのって、こんなに、きもちーんだね。知らな、かった、ぁ……あっん♡」


 次第に乱れていく兎姫の声が鼓膜をも侵していく。妹のように思っていたはずの少女にこんな色っぽい声を出させているということに堪らない興奮を覚えた。


「兎姫……感じてるのか?」

「うんっ、うんっ、お兄ちゃんの手で、おっぱい揉まれ、て、きもちーのっ」

「そっか。じゃあ……」


 ……もっとしてやる。


 俺は未だ触れていなかった胸の突起へと指を伸ばす————


「ただいま〜」


 瞬間、玄関から声が聞こえた。


 母さんが帰ってきたのだ。


「「———————ッッ!?」」


 ふたりの身体が同時にビクッと震える。

 夢から帰ってきたかのように現実を瞬時に認識して、脳が緊急事態を知らせる警報を鳴らした。

 

「と、兎姫っ! 早く服着ろ!!」

「う、うん!」


 兎姫は慌てて制服に袖を通していく。


 母さんはまだリビングにやって来ない。なんとか間に合いそうだ。

 

「ふぅ……」


 安堵のため息を漏らす。


「続きはまた今度だね。お兄ちゃん……♡」


 兎姫は乱れた制服姿のまま銀色の髪を揺らして、マイペースに言った。


「おばさん、今日はお料理手伝うね」

「あらほんと? 助かるわ〜」


 無事に着替え終わった兎姫は、パタパタと駆け出して母さんと話し始める。


 いつもは料理なんてしないのに、どうしたと言うのだろうか?


 しかし、さっきまでのことがバレるようなことは無いはずだ。

 そう思いながらも胸のドキドキは収まらず、俺は兎姫を見つめていた。


 すると一瞬、視線が交差する。


「……っ♡」


「なっ……!?」


 艶やかに笑んだ兎姫は惜しげもなくスカートを捲って、パンツをチラ見せした。


 それはどうしようもなく、この恋人練習の続きを連想させるものだった。


 きっともう、彼女をただの従妹として見ることはできないのだろう……。

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