じわじわ

精選版 日本国語大辞典 「じわじわ」の意味・読み・例文・類語

じわ‐じわ

[1] 〘〙 (「と」を伴って用いることもある)
① ゆっくりと少しずつ物事が進んでゆくさま、また、物事を進めてゆくさまを表わす語。
※交隣須知(18C中か)三「爨 ヒ タクコトヲ ジワジワシテ」
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉犬物語「一と目見てお誂へ通り恋風がジワジワと身に染込んだ」
② しめり気などで、だんだん寒さが身にしみてくるさまを表わす語。
※俳諧・雑談集(1692)下「足入て洗ふも白き餠の米〈普船〉 しわしわ寒く雪に成雨〈仙化〉」
③ 汗、涙などが少しずつにじみ出るさまを表わす語。
※疑惑(1913)〈近松秋江〉「心地の悪い汗がジワジワと滲み出てきて」
④ 物がしなったり、へこんだりするさまを表わす語。
※旅日記から(1920‐21)〈寺田寅彦〉一「輿を支へる長い棒がじわじわしなって居た」
[2] 〘名〙 劇場などの客席におこるざわめき。多く、場面が最高潮に達したあと、または役者の演技の妙に打たれたあとの、拍手やほめことばにならないざわめきにいう。転じて、他にしみじみとした感銘を与えること。じわ。
※洒落本・御膳手打翁曾我(1796か)「いふほどの事がじわじわ〈とは芝居通言しろうとにて当りおちがくるといふ事〉で」

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デジタル大辞泉 「じわじわ」の意味・読み・例文・類語

じわ‐じわ

[副]
物事がゆっくりと確実に進行するさま。「借金がじわじわ(と)増える」
液体が少しずつしみ込むさま。また、にじみ出るさま。「汗がじわじわ(と)にじみ出る」「汚染がじわじわ(と)広がる」
[名]じわ」に同じ。
[類語]じわりじんわりじりじりずるずる小刻み小出しなし崩しのろいまぬるいまのろい遅いスロー緩慢とろいのろくさいまだるいまだるっこい鈍い緩徐遅緩スローモー遅遅のろのろそろそろゆっくりもたもたぼやぼやだらだらのろま鈍重ちんたらのさのさのそのそとぼとぼのこのこぐずぐずのそりのっそりのっしのっしのしのしどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわりじわりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠

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