香港で抗議デモ、警察の監視下で2年ぶり 参加者に番号札の着用義務付け
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26日の抗議集会について、警察は100人の参加を認めた
香港で26日、警察の厳重な監視のもと、2年ぶりに抗議デモが行われた。同市では2019年に民主化を求める大規模デモが起きたことを受け、反政府的な動きを取り締まる中国の「香港国家安全維持法」が導入されている。
26日の小規模な抗議集会は、中国が香港で暮らす人々の権利と自由を徹底的に制限するようになってから、初めての抗議活動だった。
参加が認められたのはわずか100人で、参加者には番号入りのタグの着用が義務付けられた。また、事前に横断幕の検査が行われた。
このデモ行進は香港東部の埋め立て計画に反対するもの。
警察はデモ主催者に厳しい条件に従うよう要求し、メディアとデモ参加者を物理的に分けるために参加者を非常線で囲んだ。
参加者は埋め立て計画に反対するスローガンを唱えることが許された。
匿名の参加者はAFP通信に対し、この取り決めは「ばかばかしい」と語った。「私がここにいるのは行進に参加するためであって、恥ずべきパレードに参加するためではない」。
別の参加者は、行進を認める条件とされた措置は「脅迫」に等しいと話した。
香港は中国の特別行政区で、「一国二制度」の原則の下、言論の自由や表現の自由など、中国大陸ではみられないような一定の自由を享受することになっている。
しかしこうした権利は、2019年に民主化を求める大規模な抗議デモが起きたことを受けて2020年に施行された国安法によって損なわれた。
中国政府は同法は香港に安定をもたらすために必要だと主張している。これに対し、反対意見を抑圧し、香港の自治権を損なうものだとの批判の声が上がっている。
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デモ参加者は番号入りのタグを付けなければならなかった