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そして今から約20年前に「もっと遠くからでも見やすいように」と、宮城県の佐々木屋仏具店が看板にすることを考案。単純なことだけど、大型化によって文字も大きくなり、遠くからでも矢印でわかるようになった。

「使う方から、見やすいようもっと大きくできないだろうかという話がありまして、幅45センチ、高さ1メートル20センチほどの看板を作ったんですね。当社では、矢印を時計の針のようにクルッと回せるようにして何度でも使えるようにし、その下を空欄にして名前を書き入れています」(佐々木屋仏具店)
指さしから矢印へと移行しているのには、パソコンで作りやすいこと以外に、こうした業者の発明も関係していたようだ。

というわけで、指さしマークになったのも、看板になったのも、理由は同じ「遠くからでも見えやすいように」。お葬式に来る人のことを考えて、道案内は進化してきた。

「前は通学路などに看板を置きますと、よく子どもたちがイタズラして、右だった矢印を左に変えるみたいなことがあったんですね。それは困るので改良を加え、今は表面に透明のプラスチックカバーをつけています」(佐々木屋仏具店)

そんな地味~な進化もありつつ、ときに矢印で、ときに指さしで、お葬式の道案内は土地勘のない人を誘導してくれている。
(イチカワ)