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婦人科部長の闘病記 Part38
原三信病院婦人科便り Part38 不妊症②
原三信病院 婦人科 片岡 惠子
ついこの間婦人科便り37を奏上したかと思っていたのですが、11月はすっとんじゃったんですね・・・毎月更新を目指してはいます(努力目標)。
楽しみに待ってて~くれたかな??
え?別にって?
またまた~
待っててくれたはずよ、照れ屋さん。
さて、正気に戻りましょう
先にお知らせ。
オンライン予約が「婦人科だけで」出来るようになりました。
まだ試みの段階なので、婦人科だけこっそり実現。
しかも、おっかなびっくりなので再来の人だけ限定。
この間、男性が予約をうっかり入れていて、確認したら勘違いだったのですが、
いろんな性別が認められつつある昨今、戸籍だけ男性かと思ったよね。
それはそれで覚悟が必要・・・!
もしオンライン予約にご興味がある方、いらっしゃいましたらホームページを熟読するか、次の受診の時にお尋ねください。パンフレットを差し上げます。
今日はねえ、パンフレット差し上げようとしたら、こういうの苦手なんで電話でします、とお断りされちゃったよ。うん、分かる、その気持ち。
分かるけどやってみてよ~私の渾身の計画よ?
私の野望は全ての予約をオンラインにすること。いつか達成します(公約)。
話を戻しまして、人工授精と体外受精の話。
興味のない人は読み飛ばしてもらって構わないのだけれど、意外に人工授精と体外受精の違いを分かっていない人は一般的には多いモノ。医療関係者でも上半身担当のうちのオットもちゃんと分かっていなかった。残念。
人工授精は、その昔、これが最先端の治療だった時代があって、この名前になったフシはあるのですが、 要するに、セックスではない、精液の注入、のことです。
「人工」と名前につくとなんだか違和感があるけれど、夫婦の営みのなにがしか、最終的な部分を病院で肩代わりするだけの話。
排卵しそうな日にちを特定し、元気な精子を集めて、子宮の中に入れるだけ。これだけ。
受精、つまり卵子と精子の結合は卵管で行うため、精子は自力でそちらには泳いでいって
もらわねばならないし、卵子もまあ、卵管の一番太いところで待機していてもらわねばなりません。
いわば合同ハイキングのようなもの・・・!!
女子は山頂で待っているのですが、男子だけがふもとから登って結構きつくて山頂まで登れる人数が極端に少なくなっていたところを、私たちが7合目くらいまで元気な男子をケーブルカ―でお送りするイメージ。
つまり何が言いたいかと言うと、カップル成立(受精)は
「あとはお若いふたりでね」
ということであり、その合同ハイキングが不成立に終わり、一組もカップル成立がならなくても当局は一切関知しない、という、しごく無責任な条件設定なのでした。
ゆえに妊娠率は1回の人工授精につき15~30%、自然妊娠とそんなにカップル成立率が変わるわけではなく、少し条件を上げる程度、と思って頂ければよいかと思います。
ただ、前回も書いたとは思うのですが、
どうしても、できない
男性には朗報かと・・・
月1回、精子を提供していただければ、それで済む話ですからね。
ちなみに人工授精には、現時点で保険は効きません。自費診療で、施設によってお値段が変わります。うちは2万五千円(お薬代、注射代別)。結構な値段です。
でも次回お話しする体外受精は目玉が飛び出るくらいお高いので、それに比べればかわゆし。どってことない(はず)。
福岡市からはちょっと助成金が出ます。 つづく