原三信病院婦人科便り Part41 よくある質問～術後について

原三信病院　婦人科　片岡　惠子

さてさて２０２１年度が幕開け。
桜に気をとられていましたが、まだまだ落ち着かないコロナたち。
ここ原三信病院でも医療従事者に対するワクチン接種が始まり、３月末にもれなく対象者として受けて参りました。

まあ、痛いね。
筋肉注射だからね。

でも、今季のインフルエンザワクチンも、なにを間違ったか筋肉に打たれたので、それと同じくらい痛かったです。

さて、個別のメール医療相談はしないよ、と告知したにも関わらず、藁にもすがる思いでメールしてくる迷える子羊が後を絶ちませんね。どうしてだろう。
回答メールを送るのはたいした手間ではないのですが、いかんせん、メール医療相談のくくりになってしまい、ルールを守ってくださっているよい子の皆さんに不公平になってしまいますので、ブログで絶賛お答え、としたいと思います。
一般的で素朴な質問は送ってください。ブログで回答。
個別の症状にはなかなか対応はできません・・・ってか、有料にしちゃうぞ。
写真を送りつけたら別料金。

さて、そんな迷える子羊のご質問の中からいくつかご紹介します。

Q1.　子宮を全摘したのですが、生理の周期を感じます。
生理の時期や排卵の時期になると、卵巣付近が痛いです。

A1.　卵巣を摘出しなければ、卵巣のリズムはそのまま残ります。

排卵前や生理前にイライラして夫婦げんかしたり、呪いの手紙を送ったりと活躍していたあなた。子宮を取っても治りません。
でも、ご安心あれ、人間というのは慣れてくるもので、毎月の出血がなければ、そのうちリズムを忘れます。ちなみに私が排卵や「ああ、今頃生理だもんね」を忘れたのは２年くらい経ってからでした。今は手術の時期が平成何年だったかあやふや。すまん。
卵巣はそのリズムに合わせて大きくなったり小さくなったりしていますので、敏感な人はわかってしまうかもしれない。まあ、気にしないでください。気にしないのが一番。

Q2.　子宮を全摘した後、がん検診はどうしたらいいでしょうか。

A2.　しなくていいです（簡単）。

子宮全摘の場合は子宮本体を摘出していますので、子宮頚がんにも子宮体がんにもなりません。よかったよかった。
ただ、卵巣を温存された場合は、卵巣がんになることはあります。
最近は卵管に悪い細胞ができて、それが転がっていって卵巣にくっつき、がんになる、というのが提唱されており、手術の時にできるだけ卵巣がんを予防しようと子宮を摘出するときに一緒に卵管も取るのがトレンド。それでも他の原因でがんになることはあり、１年に一度くらいは卵巣のチェックをしてください、とお願いしています。
卵巣のチェックの仕方は、婦人科受診をしていただくか、健診で腹部の超音波検査をオプションで頼んでおき、担当の検査技師さんに、わたしの卵巣、腫れてます？とそっと聞くといいと思います。医者なんかよりよっぽど親切丁寧。萌えあり。
卵巣がんになる率は２０００人に一人、なので、正直に言うと、肺癌（１００人に一人）、乳癌（１０人に一人）、大腸癌（８０人に一人）の方へお金をかけたらいいのでは、と個人的には思います。

あと、担当の先生が若すぎて・・・とか、イケメン（美人）すぎて・・・とかで質問できないと書いてくる人、多いんですが笑、若いイケメンはあなたのことは対象外もとい、患者さんとして対応していますので、質問してあげてください。きっと喜ぶ。
割と人情薄い昨今、お金もかけないでイケメンや美女を喜ばせることができる幸せなんて、そう人生に何度もないYO。

ちなみに、外来に来る患者さんで、私に年齢や身長体重を聞くのをやめてはもらえまいか。
使ってる化粧品くらいは教えてやってもいい（えらそう）。