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婦人科部長の闘病記 Part21
原三信病院婦人科便り21
原三信病院 婦人科 片岡 惠子
どうもどうもどうも~片岡です~
お盆も終わり、まもなく夏が終わりそう・・・なのか??
蝉もカブトムシも熱中症でバタバタと死んでいるそうです。この暑さ、いつまで続くのでしょう。
大学進学で常夏の沖縄に住むようになったうちのムスメによると、
「福岡、沖縄より暑い」
ンですってよ!きい。いつだったかインドネシアの人から
「福岡はインドネシアより暑い」
と言われたこともあるので、福岡は世界一暑いのではないかと疑っています。
うちのこうるさいオットは
「エアコンの風に当たりすぎると健康を害する」との幼少時の教えをかたくなに守っているため、たまにエアコンを自主的に切ろうとします。
死ぬ。
誰じゃうちのオットを洗脳したやつは。
とりあえず現在の風潮にあった習慣を身につけていただきたいものです。命に関わる。
さてさて・・・
東京のどこかの私立医大が、裏口入学から始まって、女の子や浪人を点数で差別していることまで表面化して、えらいことになっていますね。
女の子=4浪(つまり5回目の入試)という図式にめまいを覚えました。
実は、私たちの現実問題として女の子=2浪(つまり3回目の入試)くらいの差別はされているだろーなー・・・とは思っていました。あくまで実感として。
私が研修医の頃なんて
「女医は手術なんか覚えなくていい」とはっきり言われていたし
どんなに重症患者さんを抱えていても、
「女の子は帰りなさい、遅くなったら御家族が心配する」
と、一見フェミニンな理由で現場から閉め出される傾向にはありました。
学生の時も、一学年に100名ほどの同級生で、女子学生は18名。それでも
「今年は英語が難しくて数学が易しかったから、女子が増えた」と言われ、翌年は数学が
難化し、一個下の学年の女子は、半数の10名に激減しておりました。
数学をちょっと難しくしたら女子は合格できないんですね。医者になったら数学なんて、
まあ、使わないのに。以前にも書いたと思いますが、足し算、引き算ができれば日常診療
は困りません。ましてやインテグラや三角関数なんてどこに使うんだ。それよりも患者
さんや職場の仲間と仲良くする言語能力、人の気持ちをくみ取る共感力の方がうんと使い
ますし、使えます。
男子ができる数学を、女子ができないのだから仕方がない、平等平等、と100歩くらい
譲ってやるとしても、面接や点数が付くか付かないんだか分からない小論文で合否を操作
するなんて、男女差別もここに極まれり、でございます。
おっさんは、これだから嫌いなんだ。
妊娠、出産がどうしても女性は大きく人生に関わってくるので、「戦力」として考えられ
ない、ある一定の時期があるのは否めません。でも、少しの配慮と少しの努力で十分第一
線で働けるし、働いてもらわないと現場がもちません。それこそ男子だって病などに倒れ
ることもあるわけで、産休育休などの「戻ってくる時期がおおまかに分かる」方が現場は
待ちやすい。
特に医師は人間相手の仕事です。つまり、人間がいないと仕事がなくなるわけで、人間を
延々と作り続けていくことが、究極的に言うと自分たちの仕事を守ることにも繋がろうというもの。
もちろん、ダメダメな女医もいます。テレビや雑誌にうんちくを語っている女医さんな
んて、その最たるもので、いや~あれだけマスコミに出ていれば臨床を磨く暇なんてない
ので、きっとたいした実力はなかろうと思ってしまう。実際にお会いしたことはないので
、私のねたみややっかみ、色眼鏡も加わっていますが。
でも、大抵の女性医師はがんばりやさんが多いですよ。そして大抵の場合、男医より「か
なり」優秀ですよ。ふふ。とある論文で、女医にかかった方が男医にかかるより病気が治
るとの結果が出ていました。さもありなん。だってどこの国でも女性を差別し、選抜して
いるのですから・・・!!平均的な女子なんて、合格しないんだよ・・・!!!
今の私の望みは、「女性が、男性と同等の努力で同等の学校に行けること、同等の努力で
同等のキャリアを築けること」ですね。かつて3倍の努力が必要と先達は言いましたが、
改善されたとは言いつつもやっぱり1.5倍くらいは必要とされるので、できれば女子が
自分の職業を夢見てスタートラインに着く、その時までは「まだ」差別選抜がされませんように。
・・・というのを一人の母としても文部科学省にじゅうじゅうもの申したいです。