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原三信病院婦人科便り Part55
原三信病院婦人科便り Part55手術のいろいろ①
原三信病院 婦人科 片岡 惠子
豆柴 小次郎がうちに来てから早1ヶ月・・・
だいぶ小次郎もわたしたちも慣れてきたよ!
どうでもいいご報告ではありますが、お手とお座りを彼は覚えた。
フライングで、ごはんを見せると、言われもしないのに先に座って前足を差し出す傾向にはあるが、概ね身についたようです。
はっと気がついたんだけど
素っ裸に首輪でちんちんもおちりの穴も丸出しなのにかわいいのはなぜなんだろうね?
これが成人男性だったらもれなくおまわりさんが来る。
目下の悩みは育犬と仕事の両立。この感じが懐かしいぜ!
人間のお子様とは比べちゃだめなのはわかってはいるのですが
娘の名前でついつい叱ったりほめたりしちゃう私(うちのコムスメは憤慨)。
さ~て、ご質問のあった「手術のいろいろ」行っちゃうよ
病名がついて、いざ手術の日程を立てて、となるとき
キャリアウーマンならついつい聞いてしまうことがあると思う。
Q. 土日は手術ないんですか?
A. しないよ(きっぱり)。
一部の奇特な病院では土曜日の手術をしているらしいと噂には聞くが、さすがに日曜日は神様もお休みされるからねえ。日曜日に手術室を空けている病院があったら情報が欲しいです。ぜひそこに紹介するんで!
うちが土曜日手術をしない(というかできない)のは、医者がさぼっているのでもなんでもなくて、手術室も病棟も様々な職種の人たちがあなたを支え、守っているからです。
特に看護師さんたちの働きがなければ、いくら医者の手術が上手といえども手術そのものが成り立たないし、入院中も穏やかではいられない。土日は誰もが休みを取りたい。
みんな仕事を頑張りたいが、頑張りたいのは平日の9時から5時までで、決して5時から9時までではない。
私も若い時は仕事ができる=長時間労働に耐える、と勘違いしていたけれど、いかんせん、長時間労働は疲れる。疲れると意識が朦朧として間違いが起こる。
笑えない話だけれど、私の人生で最も忙しかった30代半ば、患者さんのMRIを前日にオーダーしていたのに、それを忘れてもう一回同じ患者さんの予約を入れちゃう間違いなどを繰り返していた。はっきり言って時間と労力の無駄極まりない。本人は何度も電話をかけたり書類を書いたりしているため、仕事をしているつもりになっているが、その実、なんでも一発で決めちゃう方が断然、効率はいいのである。そしてそれは、患者さんの安全にもつながる。
よって土日の手術はしない(と、決めた)。諦めるように。
Q. 手術中ってどんな話をしているんですか?
A. 手術とは全く関係のない話が多いです・・・
するどい質問ありがとう。つぼ過ぎて、ふるえるよ!
原三信病院の手術室は真新しくて、手術室にいわゆる防犯カメラのようなものがついており逐一録画しているわけですが、以前、セクハラとパワハラ対策に音声も入れたらどうかという話が持ち上がった。・・・婦人科としては断固反対を表明いたしました。てへ
・・・だってもうほぼ100%ガールズトークのみだからね。だいたい、私が術中に黙ってしまうとき、それは何か緊急事態が起こっているときです。和やかに、そして粛々と手術が進行している間、手術とは無関係の「おしゃべり」を楽しむ時間であり、それが楽しくて手術を頑張っているようなものなのである。かつてひよこの私に手術を一から教えてくれた私の師匠は手術の時になにか小話をもってこいと常々言っていたため、大体5~6個のネタを仕込んで手術に臨んでいた。
いつだったかあまりにも手術が長引き、ネタが尽きてしまったことがあり、そんなとき師匠が
なんでもいいから歌え!
と無茶ぶりをしてきたので、仕方なく「虫の声」(なぜか)を熱唱。
チンチロチンチロチンチロリン、あれ鈴虫も鳴き出した~・・・って。手術中ですけど。
わがままを言う老人は嫌いだよ。
そんなこんなで、もし手術中も音声を録音せねばならぬ日が来たら、手術を卒業しようと思っている今日この頃です。頼むからあの楽しい時間を私から奪わないでほしい。
質問に答えるコーナー、次回も続きます。