京都三大祭りの一つ「時代祭」に自治会費を出すのは、憲法が定める「信教の自由」に違反するとして、植柳自治連合会(京都市下京区)の住民が同連合会に支出差し止めを求めた訴訟は、京都地裁(菊地浩明裁判長)で和解が成立した。今後、同連合会から時代祭へ自治会費の支出はしない。和解は17日付。
時代祭は毎年10月に行われる平安神宮(左京区)の大祭。各学区が輪番で祭りの行列の巡行に参加するなどしている。訴訟で原告側は、特定の宗教行事である時代祭に自治会費を支出するのは、個人の信教の自由を侵害しており、有志からの支出でまかなうべきだと主張していた。
和解条項によると、時代祭などの宗教行事について、同連合会から分離した実行委員会が学区内の住民から任意で費用を集める仕組みに変更する。今後、学区内の宗教行事に自治会費は支出しない。
原告代理人の中島晃弁護士は「自治会費から宗教行事の費用を支出する仕組みだと、会員はいやだと思っても拒否できない。今回の和解は、宗教上の多様性を尊重する憲法の原則と合致する」とした。原告の伊藤要さん(70)は「祭り自体を否定しているのではなく、祭りのやり方に対して問題提起した。祭りは、いろいろな人が参加する自治会という組織が丸抱えしてやるべきものではない」と話した。
植柳自治連合会は「今後は、時代祭の費用だという趣旨を理解してもらった上で、自治会と別組織で集金する。身内での争いが長引かず、穏便に和解できてよかった」とコメントした。
