この記事ではJ-REITと「みんなで大家さん」って何が違うの?どちらがおすすめなの?という疑問に答えていきます!
J-REITと「みんなで大家さん」はどちらも投資口数に応じて不動産収益の一部を得られる投資方式です。不動産というと商業施設やマンションなど高額な買い物ですよね。購入するには数千万から数億円、数百億円の資金が必要になります。
そんな不動産を比較的お安く出資できるのがJ-REITと「みんなで大家さん」です。しくみの違いはあれど、「みんなで大家さん」は100万円から購入でき、J-REITなら2万円程度から購入できます。
※J-REITのETFは2千円台、投資信託は100円から購入可能。
それくらいの金額なら出資できそう☆
ただし、両者は多々違いがあるため、実際に投資するためには両者の違いを見極め、自分の投資スタイルに応じて使い分ける必要があります。
両者の違いを元にどのような人におすすめか解説していきますね☆
先に結論から申し上げると、それぞれのおすすめな方は以下を想定してます。
なぜそのように考えるかは、それぞれのしくみや違いをもとにこれから解説します!
J-REITの概要
まずはJ-REITの概要から☆
J-REITは「Japan-Real Estate Investment Trust」の頭文字をとったもので、もともとアメリカで生まれた金融商品です。
2000年の投資信託法の改正で不動産が投資信託の運用対象に加わったことからスタートし、2001年に2銘柄が上場して以来、現在は60名柄を越えており、時価総額は15.4兆円を越えています。
J-REITは「不動産投資法人」と呼ばれる会社のような形態をとっており、投資法人が投資証券を発行して一般の投資家から広くお金を集めます。その投資口数に応じて分配金が支払われるしくみです。
みんなで大家さんは「不動産小口化商品」なので直接個別不動産に出資しているところがJ-REITと違いますね☆
また、不動産は流動性が低く一度購入すると売却に手間と時間がかかりますが、J-REITは証券取引所に上場し、市場で売買を行うことができるため、流動性を確保しています。
J-REITは株のように簡単に売買できるのは魅力的☆
出資先 | リスク | 売買 | |
---|---|---|---|
J-REIT | 投資法人 | 多数の不動産に分散 | 証券取引所で売買可能 |
みんなで大家さん | 個別不動産 | 個別の不動産に集中 | 営業者へ譲渡可能 |
また、J-REITの購入方法は大きく分けて3種類あります。
【J-REIT ETF】複数の銘柄が組み合わされた上場投資信託(信託報酬0.15~0.3%)
【J-REIT ファンド】投資信託の運用会社が運用する商品(信託報酬0.2~1.15%)
個別銘柄と比べてETFやファンドは信託報酬を支払う必要がありますが、分散投資ができたり、積み立て投資ができるなどのメリットもあります。
さぁ!次は両者の特徴を比較していきます!
J-REITと「みんなで大家さん」の特徴比較6選
元本の価格変動リスク
証券取引所に上場しているJ-REITは日々刻々と元本の価格が上下しています。その価格は家賃相場から算出しているものではなく、需給によって決まっているため、思わぬ外的要因で価格が乱高下します。
コロナショックによる価格の推移は特に分かりやすいでしょう。不動産収入が減っている事実がまだ見えないなかで、株式投資のように大きな下落をしています。
J-REIT元本割れしてる!
その他にも経営破綻、TOBによるJ-REITの元本価格乱高下の事例を2案ご紹介します。
【ニューシティ・レジデンス投資法人の経営破綻】
J-REITで初めて経営破綻した投資法人のニューシティ・レジデンス投資法人。2008年10月に新規融資や市場からの資金調達、保有資産の売却が進まず、取得予定資産の決済資金と借入金の返済資金の調達が困難になり、東京地方裁判所に民事再生法の手続きを申請しました。
このときの投資口価格は発表前の160000円から4000円まで下落。一気に40分の1程度まで下がってしまいました。
【インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の敵対的TOB】
今後J-REITの新たな課題として持ち上げられている敵対的TOB。
2021年4月インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人は米国投資ファンドのスターウッド・キャピタル・グループから非上場化を目的とした敵対的TOBを発表されました。
最終的にインベスコリートのスポンサー企業であるインベスコ・グループが対抗案を公表したため防衛TOBが成立したが、この件によりインベスコリートは公開市場から退場させられました。
2021年11月9日上場廃止されましたが、上場廃止後に受け取れる金額は1口あたり22750円。公開買い付け前の金額が17500円程度のため、TOBにより1.3倍程度となりました。
【会社の市場価値で出資元本が左右されないみんなで大家さん】
上記2件はJ-REITが会社の信用によって投資口価格が乱高下する例でした。それらに対して、みんなで大家さんは不動産に出資しているので、一気に値崩れもしなければ値上がりもしません。
現にみんなで大家さんは15年間元本評価割れがありません。
のんびりゆったり放置していてもお金が増えているみんなで大家さん。過去の経緯からリスクが少ない投資ができそうです。
みんなで大家さん:出資対象が個別不動産⇒元本の上下があまりない
リスクがより少ないのは「みんなで大家さん」かなぁ☆
年間利回り
J-REITの平均分配金利回りは4.0%程度です。
現在コロナによる打撃でホテル系リートの分配金が壊滅的な投資法人もありますが、その他は高い分配金を維持しているリートが多いです。
投資法人名 | 分配金利回り(%) |
3478森トラスト・ホテル | 2.0程度 |
8985ジャパン・ホテル | 0.4程度(最低利回り) |
3470マリモ | 5.7程度(最高利回り) |
3451トーセイ | 5.5程度 |
それに対して現在売られているみんなで大家さんの商品は分配金利回り7%です。
ここで重要なのはJ-REITには非課税枠がある点。J-REITはNISA対象ですが、みんなで大家さんは対象外です。なので、みんなで大家さんの受け取り分配金は7%から税金約20%を差し引いて5.6%となります。
J-REITをNISAの範囲内で投資した場合の分配金の比較は以下の通りです。
利回りはみんなで大家さんに分があるな☆
最低購入金額
J-REITの最低購入金額は1口2万円~80万円程度ですが、ETFだと2千円台、ファンドは積立てを利用すると最低100円から始めることができます。
対してみんなで大家さんは一律100万円です。
不動産価格と比較するとどちらも安価ですが、みんなで大家さんと比較するとJ-REITの方が敷居が低いですね。
J-REITの方が少額で始められる☆
元本の流動性
J-REITは証券取引所に上場しているため、証券取引所営業時間であればいつでも換金可能です。
対してみんなで大家さんは原則満期(5年程度)で元本が返還されます。満期前の契約解除も可能ですが、営業者への地位譲渡となり出資価格の3.0%の手数料が引かれます。
その場合原則必要書類のすべてを受領した日から起算して60営業日以内に振り込まれることになります。
J-REITの方が換金しやすい☆
分配金取得時期
J-REITのほとんどは年に2回分配金を受けとることができます。また、ETFは年4回、投資信託によっては分配金は再投資して、分配金のないタイプもあります。
みんなで大家さんは年に6回なので、J-REITより給料の受け取りに近いタイミングで分配金を受け取れます。
税制の違い
J-REITはNISAの適用があるため、NISAの範囲内であれば税金がかかりません。また、NISAを利用しない場合、分配金は配当所得となり、源泉分離課税、申告分離課税、総合課税を選択できます。
【申告分離課税】確定申告により損益通算し、還付金がもらえる可能性有り
【総合課税】配当控除は受けられないため総合課税の優位性は薄い
対してみんなで大家さんはNISAの適用はなく、分配金は雑所得となり、総合課税扱いとなるため、原則確定申告が必要です。総合課税は給与所得等の他の所得と合算して税率が決定します。所得税の総合課税は累進課税なので、所得の高い方は総合課税が不利に働きます。
分配金 | J-REIT | みんなで大家さん | |
NISA適用 | ○ | × | |
所得の区分 | 配当所得 | 雑所得 | |
課税方法 | 以下3点から選択 ・源泉分離課税 ・申告分離課税 ・総合課税 | 総合課税 | |
確定申告 | 源泉分離課税選択時 不要 | 必要 |
比較表まとめ
J-REIT | みんなで大家さん | |
元本の価格変動リスク | △ | ○ |
年間利回り | ○ (0.4~5.7%) | ◎ (7%) |
最低購入金額 | ◎ (2~80万円程度) | ○ (100万円) |
元本の流動性 | ○ (即時換金) | △ (申請後60日以内に換金) |
分配金取得回数 | ○ 2回/年 | ○ 6回/年 |
税金控除(NISA) | ○ 適用可 | × 適用不可 |
分配金の確定申告 | ○ 不要 | × 必要 |
どちらがお得?
分配金の利回りで言うと「みんなで大家さん」がお得ですが、安いときに仕込んで値上がり益も得ることができればJ-REITのほうがお得なケースもあります。
ただ、日々の値動きに一喜一憂せず、ほったらかしでも安定した資産を形成してくれる「みんなで大家さん」は大変魅力的に感じますね。
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