地域に近づく姿勢 重要に 重複店舗、統廃合が「基本路線」〈地銀1行時代〉③
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〈地域金融の岐路 第1部 どうなる支店㊦〉
「組織づくりは大変ですよね。でも、自分一人じゃ商売はできませんから」。7日、上伊那郡飯島町文化館で開かれた講演会。講師を務めた八十二銀行(長野市)の松下正樹頭取が地元企業の経営者らに語りかけた。人材育成や経営者のあり方について、自らの体験や冗談を交えて話し、約80人が詰めかけた会場に打ち解けた空気が流れた。
講演会は、同行飯島支店の取引先企業でつくる「親交会」が主催。同様の親睦組織は、支店を拠点に県内各地にある。講演会や勉強会などを通じて、同行と地域の企業の親交を深める役割を担う。
講演を聞いた地元メーカーの管理職男性は「銀行の頭取の近寄りがたいイメージが変わった」と話した。2025年をめどとする長野銀行(松本市)との合併については、この日は言及がなかったが、「地域の支店がもし統廃合されても、銀行が遠い存在にならないといい」と求めた。
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八十二銀と長野銀は昨年9月、合併の基本合意書を締結…
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