【新連載】八十二銀と長野銀、支店どうなる? 出店競争は低金利政策下で様変わり 〈地銀1行時代〉①
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〈地域金融の岐路 第1部 どうなる支店㊤〉
2025年をめどに合併する八十二銀行と長野銀行。県内全域の店舗網は企業活動や住民生活を支えてきたが、統廃合が今後進んだ時に、利便性の低下を心配する声は根強い。一方、人口減少や金融サービスのデジタル化の進展などで、求められる役割は変わってもいる。連載の第1部は、変化に直面する両行の店舗網について考える。
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国宝の松本城へと続く松本市大手の大名町通り。観光客やビジネスマンらが行き交う中心市街地の一角に、1983(昭和58)年まで長野銀行(松本市)の本店だった大名町支店がある。周辺には官公庁や商業ビルの他、大手銀行や信用金庫の店舗が立ち並び、金融機関の競争が市内で最も激しいエリアとされる。
道を挟んでそのわずか20メートル北東側に、八十二銀行(長野市)松本営業部のビルがそびえる。1896(明治29)年、当時の信濃商業銀行が東筑摩郡松本町南深志伊勢町に開設した本店が起源で、1965年に現在地に移転。製糸業の成長期から商都・松本の発展を金融面で支えてきた。
八十二銀は現在、国内に151店舗を展開。うち17店が…
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