「作業者2人」「施工費用0-1万円」…被災者が自宅再建するための「125の施工事例集」が完成

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宮西さんが作ったシートの一例。イラストも交えて施工方法などを紹介している

■現地でボランティアした信州大の大学院生が作成

 2019年10月の台風19号災害で被災した長野市長沼地区などで住宅再建状況を調べた結果を基に、信州大大学院建築学専攻の宮西夏里武(かりぶ)さん(24)=長野市=が、床や壁などを被災者自身で修繕する方法を紹介したシート(施工事例集)を作った。古材などを活用した125の施工事例を取り上げ、参考にしてもらうことで費用を抑えた住宅再建につなげる。今後、学会発表なども予定しており、全国の被災地での活用を願っている。

■床や壁の作業 期間や費用も紹介

 台風19号災害時、信大工学部3年だった宮西さん。災害後、住宅の泥出しなどのボランティアに参加した。住民の役に立ちたいとの思いで20年12月から約1カ月かけて長沼地区を歩き、解体前だったり、シートで応急的に直したりした約50軒をスケッチ。被災者自身で修繕した部分の作業内容も聞き取った。

 調査を基に作ったシートでは、実際の施工事例をイラストや写真を交えて紹介。作業に要した人数や期間、費用、必要な道具なども分かるようにした。廃材を活用した「継ぎはぎフローリング」は、2人が作業に当たり…

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