グリッドタイインバーター&バッテリーで節電!?DIY太陽光発電
太陽光を活用して電力を生み出す太陽光発電。
太陽光という光エネルギーが身近に降り注いでいるので活用したいと考え、私は自作で太陽光発電を始めました。
既に過去記事で構築したシステムを紹介しているのですが、色々検証した結果、改善点が見えてきたので構成変更しました。
本記事は過去記事の構成からの変更点を中心にまとめた内容になっていますので、各機器の細かい説明などこれまでのことは過去記事を参考にしてください。↓
DIY太陽光発電前回構成からの変更点
グリッドタイインバーター(GTI)による電力供給はそのままですが、以前は昼間はソーラーパネル発電による充電と、電気料金単価の安い夜間時間帯を利用した充電器による充電を併用したピークシフトで構成していましたが、今回夜間充電を廃止するなど以下のように変更することにしました。
主な変更点
・夜間充電の廃止
・ソーラーパネル自体の変更
・GTIの供給電力量上限の変更
・節電金額の計算式の変更
順番に詳しく見ていきましょう。
夜間充電の廃止
大きく変えたのは夜間充電をやめたことです。
充電器とそのタイマーを外しました。以前のイラストで比較するとこんな感じです。
↓↓↓(充電器とタイマー取り外し)
元々、限られたスペースに設置したソーラーパネル数枚だけでは、到底全ての消費電力をまかなえるとは思っておらず、ピークシフトにより料金単価を下げる目的でピークシフトを組みました。
しかしながら、今回使用しているチャージコントローラーの仕様上、夜間充電との相性が悪いことが判明しました。
マニュアルによると、チャージコントローラーは接続しているバッテリーの残量が充分にある場合、所定の電圧まで下がるまでパネル発電からの充電を調整しながら機能するようです。
不覚にもマニュアルの内容を見落としていました。。。
下の画像がマニュアルに記載のある充電ステージです。
「A(Bulk Charging)」ステージでMPPT充電(ソーラーパネル発電を自動で出力最大化する制御機能)し、それ以外のステージ(「B(Constant Charging)」、「C(Float Charging)」)では、電圧もしくは低電流を一定に保ちながら充電することによりバッテリー負荷軽減を優先したMPPT充電ではない方式を取ります。
つまり、夜間充電してしまうと、翌朝からのパネル発電時にはチャージコントローラーはすでにバッテリーが満充電であると認識し、AステージではなくBまたはCステージとして稼働することになってしまい、せっかくのMPPT充電をせず、取り出す電力を抑制した充電を行うことになります。
この影響により夜間充電を廃止しました。
パネル発電の充電のみとなりピークシフト構成が崩れてしまいますが、せっかくのMPPT充電を活かさないのはもったいなさすぎます。
ソーラーパネル自体の変更
ソーラーパネルは素材や、発電効率、軽さなど日々進化している印象です。
より良いものがあると思いちょくちょく探してみるのですが、私にとってちょうど良いのがあったのでソーラーパネル自体を変えました。
主な仕様を比較するとこんな感じ。
どちらもバイパスダイオード内蔵です。– 変更前 変更後 型式 GSPP255(多結晶) ノーブランド(単結晶) 最大出力 255W 150W 開放電圧
(Voc)37.4V 22.9V 最大出力動作電圧
(Vmp)30.5V 18.4V 最大出力動作電流
(Imp)8.38A 8.1A 質量 19.5kg 11kg サイズ
幅×高さ×厚さ992mm
1640mm
40mm670mm
1240mm
35mm
設置できるスペースを考慮し4枚購入で、価格は送料を含めて30,500円でした。
クーポン(1000円)やポイント(500P)があったので実質29,000円で購入しました。
1枚あたり7,250円ですね。中国製の新品・未使用品です。
安いかどうかは個人差があると思いますが、検証に使うにはいいんじゃないかと思います。
国際規格の何とか認定を受けている商品で一定の基準はクリアしているもよう。
ノーブランドなのは、おそらくですが、個人輸入か何かで販売しているのではないでしょうか。
実際のところ発電容量としては大きくは変わりません。
以前のパネルは255W×2枚=510W、今回のは150W×4枚=600Wで、違いは90Wです。
変えようと思ったのは、比較的発電効率が良いとされている単結晶であるのとサイズです。
限られたスペースでは少しでも容量が大きいものが良いですし、このDIY太陽光発電は一人でしているので、メンテナンスや構成変更など色々検証しながらということもありパネルを動かすこともあるので、以前のものでは大きくて重いため取り回しが厳しいのです。
もちろん持てなくはないですが、所々でぶつけてしまったり、動かすのにもまずは周辺を片付けてからなどひと手間発生してしまうので。
4枚の接続方法は、2枚直列2組を並列です。
GTIの供給電力量上限の変更
電力供給を担うGTIですが、電力供給量の上限を指定する機能があります。
私は、GTI機器への負担を考慮しピークシフト構成の時は様子見程度に「300W」までと設定していました。
実際、しばらく稼働させてみたところ、冷却ファンもたまには作動するものの、放熱が間に合っていないということもなくまだ余裕のように感じました。
なので、少し上げて「400W」に変更。
様子を見ながらです。まだ余裕がありそうなら段階的に引き上げる予定です。
→最終的に「600W」にしました。
GTIが使う電力量は屋内の消費電力量により変化しますが、パネル発電量がGTIが使う電力量よりも多い場合には、超えた分がそのままバッテリー(蓄電池)に充電されるので無駄がありません。
GTIへの負荷が多くてすぐに故障してしまっては節電どころではなく、費用がかさむだけで全く意味がありません。もちろんGTIだけではありませんが。
じっくり検証しつつ良いところを探します。
節電金額の計算式の変更
後述の発電状況に関わることですが、今回の変更でピークシフトが崩れたことにより節電金額の計算式を変えました。
以前節電金額を算出する計算式には、夜間充電の充電量として充電器の消費電力を式に含めていましたが、ピークシフトを廃止することによりこの数値が無くなります。
そこで、節電金額としてはシンプルにGTIの給電量に料金単価を掛けた金額とすることにしました。
【変更前の「節電金額」計算式】
[GTI給電量×デイタイム料金(31.77円)] – [(GTI給電量-PV量)×ナイトタイム料金(10.70円)]
【変更後の「節電金額」計算式】
GTI給電量×デイタイム料金
本来、消費電力として計上されていたであろう電気代をそのまま節電できた料金としています。
購入機器と費用
この構成を実現するのに必要な機器をまとめます。
詳しい機器情報や購入先は過去の記事を見てください。
【太陽光発電】機器名 金額 備考 ソーラーパネル 150W×4 @7,625円 30,500円 24V 100Ah BMS内蔵バッテリーパック
(リン酸鉄リチウムイオン:LifePo4)76,900円 チャージコントローラー 16,000円 GTI(グリッドタイインバーター) 35,600円 電流センサ 20m Limiter Sensor 6,300円 (★) PVケーブル10M 3,300円 ソーラーパネル並列接続用コネクタ Y型 1,500円 デジタルタイマー(オーム電機 HS-APT71) 1,600円 電源プラグ 3ピン 2ピン 変換プラグ 300円 中古 固定金具類 5,700円
【データ計測機器】機器名 金額 備考 ワットモニター 2,680円 (★)
【電気工具類&備品】機器名 金額 備考 デジタルテスター 500円 (★) 交流デジタルクランプメーター 3,000円 (★) 結束バンド インシュロック 100円 (★)
合計で、「183,980円」です。 中古で代用したりキャンペーンやセールを狙って購入しました。
私はポイントやクーポンの利用、フリマサイトを活用していることもあり、さらに40,000円ほど安く購入することができているので大体143,980円で構築できたことになります。
(★)マークは、私の構築環境上、必要だったりあった方が便利と思って購入したものなので実際には無くても大丈夫です。
GTI&バッテリー併用の発電状況
では、構成を変更して発電状況はどうなっただろうか。
本記事作成時点ではまだ1ヶ月分しかデータとれていませんが結果は以下の通り。
季節により変動しますが、このデータは春頃のデータです。PV ソーラーパネルからの発電量
→オプションで購入したWiFiモニタで計測。
WiFiモニタの仕様上、日々リセットされるため、
累積値から前日の累積値を引くことにより当日データを算出。GTI給電 GTIからコンセント(屋内系統電力)に供給した電力量
→オプションのWiFiプラグで計測。節電金額 GTI給電量に電気料金単価を掛けた金額
→本来かかる電気料金をGTI給電でカバーできたものとし、
「GTI給電量×デイタイム料金(31.77円)」で算出。
1ヶ月で「31.70kWh」のGTI給電で「1007.1円(31.70kWh×31.77円)」の節電ができたという結果となりました!
1日あたり「33.57円(1007.1円÷30日)」ですね。
購入した機器の合計金額が「183,980円」なので、初期費用回収まで少なくとも約182ヶ月(183,980円÷1007.1円)、約15.1年かかる計算になります。
この購入金額はクーポンやポイント分を考慮しない場合なので、うまく活用すればもう少しコストパフォーマンスが良くなります。
夜間充電をしなくなりましたが、パネル発電からの充電だけでもピークシフトしてた時と大きな差がなく節電が可能でしたね。夜間充電することによるバッテリーの負荷が無くなることにもつながるので良かったです。
雨や曇りで天気が崩れた日が続いた時もあったので発電量が伸びませんでしたが今後に期待です!
まとめ
以前の続編という形になりましたが、いかがだったでしょうか。
ピークシフト自体は節電に貢献できる構成ではあると考えていますが、今回使用しているチャージコントローラーとは相性が悪かったことが判明しました。
チャージコントローラーにも色々機能があるので、使用するものの仕様をよく確認する必要があります。
太陽光発電を自作でする時には、準備する機器の特性に合わせた環境にしないと性能を発揮できません。
今回の私のようなもったいないことをしてしまわないよう十分に注意しましよう!
(〃 ̄⊥ ̄〃))
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