バター醤油ご飯をやってみたところ、ツイッター上で話題となった東京芸大・上野キャンパスの大浦食堂名物「バタ丼」。歴々の芸大生を虜(?)にしてきた一品はどんな芸術的な味なのか。食べに行ってきました。
■ご飯になじむマーガリン、モヤシがシャキシャキ
案内してもらったのは名物店長の北澤悦雄さん(61)。大浦食堂に勤めてかれこれ40年以上になるそうです。
バタ丼の材料は、豆腐とモヤシ、そして実はマーガリン。北澤さん曰く「本当にバターにすると、味がしつこくなる」のだそう。モヤシの他に、レタスのかたいところや、ざく切りにしたキャベツが入っていることも。
調理方法はいたってシンプル。
マーガリンに火を入れて即、小さく切った豆腐を投入!そこへ醤油をさっと大さじ一杯入れると「浸透圧で豆腐からじわっとうまみが出てくる」(北澤さん)んだとか。豆腐のエキスを出汁にしているんですね!
そして、モヤシを入れて落としぶたをし、豆腐がキツネ色になるまで火を通せばできあがり。あとはご飯にかけるだけです。ここまで3分足らず。
湯気立つバタ丼…これは美味しそう!
早速食べてみます。
おお、まさにバター醤油ご飯!
ご飯に溶け込んだマーガリンを醤油が香りでお膳立て。もやしもシャキシャキ、いい歯ごたえです。この味とボリュームで480円(みそ汁つき)は学生の強い味方ですね。
さらに卵や肉をトッピングすることも可能なんだそう。もはや敵なしです。
学生からも「時々無性に食べたくなる」(男子)、「バターのうまさとボリュームにやられる」(女子)という声が聞こえます。取材中、「バタ丼のお客さん、お待たせしました!」というおばちゃんの声が何度も食堂に響き渡っていました。噂にたがわぬ人気です。
そんな「バタ丼」、誕生からなんと35年という長寿メニューなのです。数々の芸術家の卵たちの舌を魅了してきた「バタ丼」には、知られざる歴史がありました。次回、北澤さんからお聞きした、とっておきのエピソードをご紹介します。