ひろしまの逸品③広島菜
- 2023年03月20日
G7広島サミットをきっかけに、世界の人に知ってもらいたい地元のすぐれた逸品を紹介します。今回は「広島菜」を紹介します。
(広島放送局記者 福島由季)
日本三大菜漬の1つ“広島菜漬”
広島を代表する冬の味覚、広島菜。明治時代に京都の「観音寺白菜」と「京菜」をかけあわせて作られたのが始まりといわれています。生産が盛んな広島市安佐南区の川内地区では、およそ40軒の農家が栽培。毎年10月下旬から5月にかけて、高さおよそ50センチ、重さ2キロまで成長した広島菜を収穫しています。
その広島菜を使って作られるのが「広島菜漬」。シャキシャキとした食感とピリッとした辛みが特徴です。「野沢菜漬」、「高菜漬」に並ぶ日本三大菜漬のひとつです。戦後、貴重な保存食として重宝されてきました。この地区では、戦争で男手を失った女性たちが地域を盛り上げようと生産に力を入れ、一大産地となりました。
収穫した広島菜は加工場に運ばれ、塩をふって、重さ2トン以上ある石をのせて、2日間漬け込みます。その後、唐辛子や昆布などを加えて仕上げていきます。贈答用としても人気があり、全国に出荷されています。
サミット見据えて新しい食べ方提案
サミットも見据え、漬物以外の食べ方を提案する動きもあります。川内地区の農家、上村隆介さん(39)は、去年秋からサラダや炒め物でも使える「ミニ広島菜」の栽培を始めました。通常の広島菜と比べて栽培期間は3分の1ほどの、およそ1か月で収穫します。収穫時期を早めることで葉や茎がやわらかく、えぐみが少ないのが特徴です。さまざまな料理に使うことができるため、漬物を食べる習慣がない外国の人にもおいしさをPRしたいといいます。
(上村隆介さん)
「やっぱり“広島に広島菜あり”とみんなに言ってもらいたいし、知ってもらいたいです。G7広島サミットは、より多く食べてもらえるきっかけになるんじゃないかという期待は強いです。どんな料理にしてもおいしいということを世界の人に知ってもらいたいです」