結成! 被害者の会! ヤリ部屋の家賃を大司教に払わせる冷血サブカル男(前編)【たらい回し人生相談】
【たらい回し人生相談】〜ヤバいやつがもっとヤバいやつに訊く〜 連載第12回
■セックス&ドラッグ&シェアハウス:
∇子さん:大司教とにゃ●●との馴れ初めはどのようなものですか。
大司教:馴れ初めという言葉は大変不適切です。
∇子さん:失礼しました。
大司教:猛省してください。私が彼と出会ったのは、東京某所に作られたシェアハウスです。家主はとある経営者で、裕福なその人が半ば趣味で運営していたようなものと認識しています。私と●●るらはそこの最初期の住人でした。
∇子さん:同居していたのですね。
大司教:というより私は住所不定なので……基本的に用事のある場所で寝泊まりしますし、拠点も複数あります。滞在は比較的短期間ですけどね。とはいえそのシェアハウスがこの物語のはじまりだとは言えるかもしれません。もっとも、そのシェアハウスを最終的に崩壊させるのも彼ですが。
∇子さん:それはどのような事件ですか。
大司教:世代間対立です。にゃ●●を中心とする若い住人と、元々のシェアハウスの中心人物であるP氏の率いる上の世代のグループの折り合いがだんだん悪くなったんです。
∇子さん:ざっくり、おじさんと若者のなわばり争いですかね。
大司教:シェアハウスでは珍しいことでは全然ないです。むしろ、そこで起こった事件の中ではまだ常識で理解しやすい範囲でしょうね。
∇子さん:理解しにくい事件もあるんですか。
大司教:まあもともと、この連載に出てくるようなタイプの人たちが集まるシェアハウスなので……そのエピソードだけで記事になるほどです。先程の喘ぎ声の件もそうですが、眠剤遊び(注5)がブームになって住人のひとりが換気扇と話しはじめたりとか、上野公園のギンナンを大量に集める人がいたりとか、壁に蛍光ディルドが張られていたりとか……。
∇子さん:蛍光ディルド?
大司教:吸盤付きの暗いところで光るやつですね。
∇子さん:はあ……(ドン引き)
大司教:テレビの取材が入ったことがあったんですよ。その時は住人がテレビの画面に変なものを写そうと、壁にディルドを張りつけたり、アニメのポスターを張りまくったり、本棚を特殊なエロ漫画で埋め尽くしたりしていました(注6)
∇子さん:バカですかね。
大司教:そういう悪ふざけが生きがいの人種というのはいます。
∇子さん:あまり関わりたくないですね。
大司教:いま関わってますよ。
∇子さん:それも彼のせいです。
大司教:あと大家が狂ってたりとか……。
∇子さん:大家さんも?
大司教:そもそも地主ってけっこうおかしい人も多いですが……その大家はシェアハウス住民のツイッターを見つけて監視し、ネタツイート(注7)をすべて事実だと認識したりとか「ドローンで監視するのをやめろ」などと住人にキレたりしていました。ちなみにドローンは実際には飛ばされていないです。
∇子さん:住人も住人なら大家も大家という感じですね。
大司教:スタンド使いみたいなもんで引きつけ合うんではないですか。知らんけど。
∇子さん:そういう環境であの人物が生み出されたのでは?
大司教:すべてを環境要因にするのはどうかと思いますが……なんにせよ、彼は意図的にシェアハウスを崩壊させつつ、わたしに「家を用意しろ」と要求することになります。
被害者の会は結成されるのか?
隠された件の人物の正体はいったい?
後半につづく。
注5:睡眠薬を酩酊目的で使用する遊び。害が大きくロクなもんではない。 注6:さすがにプロの映像技術というのはすごく、放送されたものにはなにも写りこんでいなかった。 注7:冗談ツイートのこと。住民(男)の「ゴスロリ服着て歩いてる」などのツイートをすべて信じ込んでいた。
✴︎連載「たらい回し人生相談」は毎週日曜日(20時)更新予定