労働に関する一般常識(労一)とは
「労働に関する一般常識」は,社会保険労務士試験(以降,社労士試験)では,通常,短縮して「労一(ろういち)」といいます。
労一は,大きく分けると,①労働関係諸法令,②労働経済,③人事労務管理,に分類することができますが,出題範囲に限定がないことが特徴です。
ただ,択一式での出題数は5問と他の科目に比べて少なく,法令問題から2問,労働経済から3問出題されるのが普通です。
普段の学習の努力が報われる法令問題に力を入れるのがポイント。
ただ,労働経済は統計調査から出題されますので,学習していない箇所から出題があった場合は勘で解かなければならないことが多く,予想の立てづらい科目です。
でも,安心してください。
択一式は,「社会保険に関する一般常識」(社一)の5問と合わせて全10問となります。
仮に労一で2問しか取れなかったとしても,社一で3問は取れます。
ですから,択一式に関しては,まず社一科目のほうに学習の重点をおいて学習しましょう。
出題数・補正(救済)
択一式
「労働に関する一般常識」は,例年5問出題されます。
救済(社一との合計):H18(3点),H26(3点),H28(3点)
選択式
「労働に関する一般常識」は,例年1問出題されます。
救済:H27(2点),H28(2点)
※関連コラム:社会保険労務士(社労士)試験の勉強方法~傾向と対策~
労働に関する一般常識(労一)の対策・勉強法
「労働に関する一般常識」が落とし穴となる理由
出題範囲に限定がなく,労働経済や人事労務管理,ときには社会調査などの知識も問われます。
出題範囲に限定がないので,受験対策の立てようがないところが「労働に関する一般常識」の厄介なところです。
ただ,択一式に関しては,先述したように,普通に勉強していれば,基準点割れすることは少ないと思いますから大丈夫です。
「労働に関する一般常識」の試験対策
ほとんどの受験生が厄介だと感じるのは,選択式でしょう。
法令分野の目的条文,理念条文,責務条文などが出題されることがありますが,これに対する対策は可能です。
重要そうに見える語句に気をつけながら,しっかり条文を読んでいればよいからです。
問題は,労働経済や社会調査,法律の沿革など,受験対策が立てにくい事項が出題された場合です。
『労働経済白書』については,予備校が実施する白書対策講座などを利用するのが効率的です。
しかし,それでも,初見の問題は出題されます。
この対策としては,普段からアンテナを張って,厚生労働省が力を入れている施策を知っておくことです。
新聞やインターネット,あるいは厚生労働省のホームページなどでもかまいませんから,厚生労働省がどのような施策を重視しているかを把握しておくと,その施策に関連する問題が出題されても何とか対応することが可能になります。