どうも!始めまして!赤宮カイと申します!今回が初投稿となります。よろしくお願いします〜。
この物語を投稿していこうと思ったきっかけなのですが、自分は頭の中でこんな物語があったらいいのになーと考えることが多々あり、それをメモに書き残していたりしていたので、せっかくなら投稿してみようと思った次第です。あまり面白くは無いかもしれませんが是非読んでいってください!感想やアドバイス等お待ちしております。
この世界には魔法が存在する。
およそ500年前に炭鉱夫の手によって謎の本が掘り当られた。それが魔術書グリモワール
そこから魔術の存在が明らかになったららしい、学校の授業で嫌になるくらい聞かされた。
まあもちろんだがこんな魔術が当たり前の世界では魔師に憧れるものが多い。魔術師というのは国から免許を貰い活動しているもののことを言う。両親が魔術師として活躍しているのを見ていた俺は憧れないわけがない。
父さんと母さんは色んな人々を助け、悪い魔術師をぶっ倒していた。他の魔術師から見ても優秀だったらしい。
その背中を見ていたからこそ魔術師になりたいと思えたのだ。憧れてからは毎日稽古をつけてもらっている。幼なじみの丞と心羽も途中から一緒に稽古をしている。
俺は父さんと母さんの背中を追いかけて最高の魔術師になる! はずだった。
13歳の時に俺は夏休みに親父の職場でもあらる魔術師教会に見学をさせに来てもらっていた。父さんが教会の偉い人に頼み込んでくれたらしい。残念ながら丞と心羽は来れなかったが、その残念さを忘れるほどには楽しんでいた。
ここで将来働くかもしれないと考えるとワクワクが止まらなかった。
教会内を父さんと一緒に歩いていると、とても厳重な警備がされている部屋があるのを見つけた。まるで銀行の金庫のよう……いやそれ以上かもしれない。とても大きく開けるのに何人も入りそうな位固く閉ざされた金属の扉の両脇に、2人の魔術師と思わしき人物が扉を警備していた。
気になったので父さんに聞いてみる。
「父さん、あれはなに?」
「ん? あー……あれはな魔術書が入ってるらしい。俺も詳しくは聞いてないが、今まであれを扱えたやつは居ないらしいな。核シェルター位硬い部屋らしいし、よっぽど大事な魔術書なんだろうな」
そんなに凄いものが入ってるのかと関心していたのもつかの間、教会内が赤いランプの光で染った。それと同時に警報のような音が爆音で流れる。天井にあるスピーカーからは「緊急事態発生、緊急事態発生、侵入者を発見。有害魔術師と推定。動ける魔術師は直ちに対応に当たってください。繰り返します……」
俺はあっけらかんとしていると
「悪い翔琉、俺は行かなくちゃ行けない。教会内にはシェルターがある、あそこなら安全だ。ここを真っ直ぐ行って右に曲がったところにある。1人で行けるな?」
「わかった、大丈夫1人で行けるよ。気をつけて」
そう言って父さんを見送った。
俺は急いでシェルターがある部屋に向かう。
「ここを右にだよな…あった!」
そうしてシェルターを見つけた入ろうとしたその瞬間。とてつもない轟音と共にシェルターが吹き飛ばされた。俺の目の前にはそこに有ったはずのシェルターは無く、残骸と思わしきものと地面にクレーターのような穴が空いていた。
俺は別の安全な場所を探し求めた。
探し求めている間も絶えず攻撃をされ続けた教会にはあちこちに穴が空いており、もう面影はあまり残っていない。
そして俺は父さんの言葉を思い出した。
あの魔術書が入っていた所は核シェルター並にに硬い。今なら入れてくれるかもしれないと淡い希望を抱きあの部屋へ向かった。
しかしその希望も打ち砕かれた。部屋へ向かっている最中に魔術による攻撃のせいで教会のほとんどが吹き飛ばされた。俺も2、3mほど吹き飛ばされてしまった。
そして吹き飛ばされた後に見たのは最悪の光景だった。
ーー俺は目を疑った。
教会の辺りにあったはずの施設なども全て壊され周辺全て何も残っていなかった。
そして父さんは敵の魔術師と戦い続けている。もう今にも倒れてしまいそうなくらいボロボロになってまで……しかも相手の魔術師はたった1人だけ。1人の魔術師にここまでの事ができるのかと絶望していると
「おやおやおや、まだ生き残りがいるとはね」
相手の魔術師が戦いの最中に俺の方に目をやりながら言う。
「翔琉! 今すぐ逃げろ!」
父さんの叫びを聞いて我に返り急いで逃げ出す。
「へぇ〜、彼は君の息子かな、ってことはあっちを攻撃した方が良さそうだね」
魔術師が悪魔のような笑い顔をする。
「なっ……この野郎!」
「じゃあね〜。バイバ〜イ。『フレイムブラスト』」
その瞬間敵の魔術師から強力な魔術が放たれる。俺は死んだそう思っていた、だが。
「大……丈夫か……翔琉……」
魔術を食らったと思った瞬間、父さんが俺と魔術との間に割って入った。目の前には俺をかばい血だらけになっている父さんが立っていた。しかし直ぐに崩れ去るように倒れてしまった。
「父さん……?」
目の前にいる父さんは全く動かない
「ハッハッハッハ!死んじゃったね!君のお父さん」
相手の魔術師が嫌味のように語りかけてくる。
「父さん嘘だよな……?動いてくれよ……!なあ!」
俺が何度揺さぶろうと父さんは動かない。受け入れたくない、父さんが死んだという事実を。だから俺は必死に呼びかけ続けた。
「そんなに呼びかけなくてももう死んでるって。まあ君も直ぐに大好きなお父さんの元へ送ってあげるよ」
相手の魔術師が魔術の準備をし始めたその瞬間。俺の脳内に声が響く
『お前は、今目の間にいる魔術師を殺したいと思うか?』
俺は状況を理解しきれなかったがその声に答える。
「俺に殺せる力があるなら今すぐにでも殺してやりたいさ……でも俺には力なんて……」
『なら俺と命約しろ貴様の命を我に預けろ。さすれば力を与えてやる』
頭の中の声がそう言う。こんなことを言われれば普通は真剣に悩むのだろうが、今は状況が状況だ。命を預けなかったとしてもあの魔術師に殺されるのがオチだ。俺の中の答えは1つしかない。
「ああ!命でもなんでもくれてやる!だから俺に……力をよこせ!」
「ハハハ!君何言ってるの?遂に頭でもおかしくなったかな?」
そんな魔術師の言葉は耳に入らず、頭の中に入ってきた声を聞く
『いいだろう。ただこの力を使いこなせるのは貴様次第だ。せいぜい頑張ることだ』
すると地面の中あら紫の光が溢れ出す。そこから1冊の魔術書が出てくる。
「これは……」
そして自動でページが捲られる。そこに書いてある文字は不思議と瞬時に理解出来た。なんなら使ったことのあると思わせるほどに理解出来た。
「なっ……邪龍の魔術書だと……!?だがそんな代物が君に扱えるわけ……」
邪龍の魔術書……そういうらしい。開かれたページには光っている文字があり、そこにはこう書かれている
『バハムート』
完全には理解出来ていなくとも俺がなにをすればいいかは理解出来た。
「そんなものを手にしたところで使わせる前に殺せばいい話だ!『オールアトリビュート・ブラスト!』」
相手が叫んだ後、禍々しいしくも綺麗な6色の魔術が俺に襲いかかる。だが俺は即座に魔術書を持ちこう叫ぶ。
「来い!!バハムート!!!」
次の瞬間空中に巨大な魔法陣が展開される。展開された時の衝撃で相手が放った魔術は空中で弾け飛んだ。そして巨大な魔法陣の中から巨大な龍が出てきた。大きな口を開け爆音の咆哮を放つ。相手の魔術師は吹き飛ばさるが俺は平然と立っていられる。これも命約?の影響だろうか?
そして相手の魔術師が立ち上がりこう言う。
「あらら……流石にバハムートを出されたら僕でもお手上げだね……僕は御暇させてもらうよ。じゃなね、赤髪の少年君。次に出会える時を楽しみにしているよ」
転移魔法を展開してこの場を立ち去ろうとしている。俺は「待て!」と叫ぶが1歩踏み出した瞬間に強烈な目眩に襲われその場に倒れてしまう。
次に俺が目を覚ましたのは病院の中だった。1番に目の間に写ったのは心配そうにしている母さん、姉の明日香、妹の結衣と亜衣だった。
話によれば俺は3日間もの間寝たままだったらしい。それ以外の話も聞いた。父さんはやっぱり俺を護ったあの時に亡くなったらしい…… 俺は悲しみと自責の念に押しつぶされそうになった。
そんな状況でも唯一気になることがあった。
「俺が持っていた黒い魔術書、知らない?」
誰もが知らないという顔をする中、母さんだけは違った。2人きりで話をしたいということで1度明日香と結衣、亜衣には部屋の外に出てもらって話をする。
「翔琉、大事な事だから聞くわよ。あなたが持っていた魔術師、あれは邪龍の魔術書なの。それは理解してるわよね」
「……ああ」
「あれがどう言った代物か分かってる?」
母さんが今までにないくらい真剣な表情で俺に詰め寄ってくる。
「完璧には理解してない……ただ、命約しろと言われた。だから俺は生き残るためにそれに従った」
生き残るためという言い訳付きで返事を返した。
「そう……まあ状況からしてあれを使わないと生き残れなかったわよね……分かったわ。ただし、この事は誰にも言ってはダメよ。これは翔琉のためだからね」
「分かった。それで邪龍の魔術書はどこにあるんだ?」
母さんはこう言う
「翔琉の体の中よ」
頭の中には「?」しか無い。どういう事だ?体の中?俺は魔術書を食ったって言うのか?と訳の分からない顔をしていると
「命約ってのはね、魔術書と自分の命を紐で繋げてるようなものなの。そしてその紐が切れてしまうと、魔術書は使えなくなるし翔琉も死ぬ。片方が死んでもダメ。命約とはそれほど思い契約……契約の中でも1番効力が強いもの。だから翔琉の体の中に居るのが魔術書的にも安心ってこと、分かった?」
俺は頷く。超簡単に言ってしまえば内蔵と同じで弱点は体の中にしまっといた方がいいってことだと思う。そして母さんが続けて言う
「あともうひとつ、隆二から聞いたかもしれないけど、邪龍の魔術書はすごく重要な国家機密レベルのものよ。今まで通りの生活は多分できない……翔琉がそれを持ってるのは多分1部にはバレてる。酷いことは絶対させないようにする……けど絶対に安全とは言えないかもしれない。それでもいい?」
母さんがすごく悲しそうな、今にも泣きそうな顔で語りかけてくる。俺は2つ返事でこう返す。
「それぐらいいいよ。あの時死んでたよりかはマシだからさ……それに俺もどの道魔術師になりたかったんだから願ったり叶ったりだよ。だからそんなに悲しい顔しないで……母さん」
母さんは我慢していたのだろうがダムが決壊したように涙が溢れてしまう。
「ごめん……ごめんね……翔琉だって父さんが居なくなって悲しいはずなのにこんなこと話しちゃって……」
俺は何も言えない……抱きしめてきた母さんを抱きしめ返すことしか出来ない……父さんの役にもたてなかった、何も出来なかった、魔術師になると決意して父さんの元で特訓をして強くなった気でいたんだ。
1週間後俺は退院した。だが気持ちは明るくなれなかった。家に帰っても父さんは居ない、それに俺はこれから先なにが待ち受けているかも分からない。ただいいことでは無いのは確かだ。それでも俺は前に進まなければ行けない。
そして決意した。必ず魔術師になり、父さんを殺したあいつを殺すと……
いかがだったでしょうか?今回のお話は主人公、刹那翔琉の昔の話になります。自分の頭の中で思い浮かべていたものを書き出してみましたが、想像以上に難しく、文書が思ったより多くなった割に、情報量をあまり書き込めなかった気もしています。これからも不定期ですが投稿してまいりますので応援の程よろしくお願いします!
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