ゴヲスト・パレヱド:Refine

雅彩ラヰカ

序幕

 一頭の藍色の竜が、一人の少年を前に佇んでいた。

 少年の胸には深い裂傷があり、心臓が抉られている。溢れ出す赤黒い血は流れ出して間も無く、少年はまだ完全には死んでいない。


 竜は思案をかなぐり捨て、少年に頭を近づけると口を開き、——少年を丸呑みにした。

 しばらく無言だった竜は、少年の命の灯火を感じながら翼でその身を包み、やがて一抱えほどの卵に変じる。


 その卵は竹林の奥深く、スズムシとクツワムシが鳴き交わす中、己が発する熱で温めながら孵化の時を静かに待つのだった。

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