研究で判明「陰謀論を信じる人」に共通する性格 米国人の3割はコロナは作られたと信じている

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この研究を率いたエモリー大学の心理学者、ショーナ・ボウズは言う。「分極化や敬意の欠如など、政治においてさまざまな変化が起こっている中で、人々の思考や行動において、陰謀論がかつてないほど大きな役割を担うようになっている。陰謀論的な考え方に関しては、まだ心理学的なコンセンサスがないので、今回の研究を実施した」。

いくつかの研究によると、陰謀論は人間社会が始まった頃から存在し、コミュニティが小さく脆弱だった時代には、策略や陰謀に気を付けることは生死にかかわる問題だったという。現代では、テオドール・アドルノやリチャード・ホフスタッターらが、陰謀論や強い恐怖感が、政治運動の中心的な要素の1つとなっていると指摘した。

陰謀論をもっと深く理解する必要性

心理学者がこのテーマをようやく真剣にとりあげるようになったのは、10年前くらいからだ。その成果は断片的で、結論は次のようにほぼ常識的なものだ。人は強い怒りを軽減するために、陰謀論を受け入れることが多い。陰謀論は心理的な安定や、支配的な感覚を提供し、ばかげて見える世界を自分の中で理解するためのストーリーともなる――。

たとえば、「医薬品会社は、自社の薬を売るために病気をつくり出していると」いう説は、深刻な病気の診断が突然に下された時にそれを自分の中で処理する手段となり得る。

パンデミックの到来や、アメリカや世界で対立的な政治が拡大していることから、陰謀論をもっと深く理解する必要が生じている。というのも、たとえば「CDCは政治的に妥協している」などの誤った説は、何百万人もが公衆衛生に関するアドバイスを無視することにもつながるからだ。

カナダのサスカチュワン州にあるリジャイナ大学経営大学院の行動科学者、ゴードン・ペニークックは言う。「いまは陰謀論に欠かせない、最悪の状況がある。その中で、病気や死を恐れる人や他人に感染させることをおそれる人に向けて、陰謀論が語られている。人々は恐怖のために、インターネット上で読む情報の正確さについて、冷静に判断する能力を失ってしまう」。

エモリー大学のボウズとスコット・リリエンフェルトが率いるチームは、前述した最新の研究で、2000人近くの成人を対象に標準的な人格検査を実施した。その結果は、ジャーナル・オブ・パーソナリティ誌のウェブサイトに掲載された「ティンホイル・ハットの下をのぞく(陰謀論を信じている人の頭の中をのぞくという意味)」というタイトルの論文で発表された。

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