大学受験に向けて日本史を勉強する必要があるみなさんの中には、「教科書だとわかりづらいから参考書を使用したい」「参考書の種類が多すぎてどれを選んだらいいかわからない」「どれが自分に合っているのかわからない」などの悩みを持っている人もいるのではないでしょうか。
使用する参考書を正しく選ぶことに失敗してしまうと、受験勉強においては大きなデメリットになってしまいますので、慎重に参考書を選びたいところですよね。
そこで今回は、日本史の参考書を選ぶ際のポイントと、おすすめの厳選参考書10選をご紹介していきます。
それでは一緒にチェックしていきましょう。
目次
日本史の参考書の選び方
日本史の参考書を選ぶ際には、いくつか注意したいポイントがあります。
それは大きく以下の4点です。
- 入試本番までの期間でその参考書を完璧にできるか
- 志望校のレベルに合っているか
- 目的に合っているか
- 暗記物ばかりではなく問題集も使用する
それぞれについて説明していきますのでチェックしてみましょう。
入試本番までの期間でその参考書を完璧にできるか
勉強し始めるのが高校1年生の人と高校3年生の人では、入試本番までに残されている期間が異なります。
例えば高1なら分厚くて詳しい参考書を始めても入試までに十分時間があるのでやり込めるでしょうが、高3なのであればそうはいきません。
そのため大学受験に向けて日本史を勉強する際には、入試本番までにその参考書を完璧にできるかどうかをしっかりと考えて参考書を選びましょう。
志望校のレベルに合っているか
選ぶべき参考書は、志望校によって変わります。
もし旧帝大や中堅以上の私大など難関大学を志望するのであれば、用語も流れも押さえた上で、資料集や文化史などをさらに詳しく勉強したり、論述の対策をする必要があります。
一方で、国公立志望で日本史を使用するのが共通テストのみなのであれば、そこまで深く勉強する必要はないと考えられます。
また、志望校の偏差値帯によっても選ぶ参考書は変わります。
使用する参考書が終わったときにどのようなレベルに到達できるのか、そしてそのレベルは志望校とマッチしているのかを考慮して参考書を選ぶと良いでしょう。
目的に合っているか
ひとくちに日本史と言っても、通史や年代や用語や文化史など、いくつかの分野に分かれます。
そのため日本史の参考書を選ぶ際には、自分が通史を理解したいのか、用語を暗記したいのか、文化史を強化したいのかなど、目的を明確にすると良いでしょう。
暗記物ばかりではなく問題集も使用する
日本史の成績は、インプットだけでなくアウトプットもすると効率良く上がっていきます。
そのため、用語や年代、流れの暗記ばかりするのではなく、問題集を使って実際の問題に触れて多角的に思考しながら勉強すると良いでしょう。
日本史の参考書 おすすめ10選
世の中にはたくさんの日本史の参考書がありますので、結局どれがおすすめなのかわかりづらいですよね。
ここでは、通史・用語暗記・問題集・文化史の4つに分けて、厳選した10の参考書をご紹介していきます。
通史編
日本史の通史の流れを丁寧に説明している参考書たちです。
通史の知識無しで受験を戦うのははっきり言ってかなり難しいので、必ずやるべきものです。
ここで紹介する通史の参考書でインプットをしつつ、問題集などでアウトプットをして、また通史の参考書で知識を埋めなおしていくという作業を繰り返すことで成績を上げていきましょう。
一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
こんな人におすすめ
- はじめて日本史の勉強をする人
- 日本史に苦手意識がある人
- 短期間で簡単な通史を一通り終わらせたい人
この参考書の大きな特徴として、下記などが挙げられます。
- 年代が一切登場しない
- 政権担当者を主役に固定
- 地図やイラストが多くビジュアルでわかりやすい
既存の教科書の問題点を改善して作られた参考書なので、日本史の初学者や苦手意識がある人にとってはとっつきやすく、また大人が勉強し直したいときにも手に取りたくなるようなわかりやすさとなっています。
ストーリー仕立てで読みやすい構成なので、分厚い参考書ですが早ければ1週間、遅くても1か月ほどで1周できるかと思います。
ただ、この1冊だけで受験を戦うのは少しリスクがあります。
そのため、この1冊をやった後に以下で紹介する『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』や『石川の実況中継』などを使用することで、さらに理解が深まることでしょう。
金谷の「なぜ」と「流れ」がわかる本
こんな人におすすめ
- 日本史の基礎固めをしたい人
- 因果関係と流れを整理しながら勉強を進めたい人
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 近現代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
日本史の参考書といえば、ほとんどの人が名前を挙げるのではないかというくらい有名なシリーズで、全4冊で構成されています。
語り口調で書かれていることと情報量が多すぎないことで、日本史を初めて勉強する人でもどんどん読み進めることができます。
またタイトルの通り、出来事や人物同士の因果関係や流れがわかりやすく書かれているため、実際の試験の正誤問題の対策にも十分です。
到達のレベルとしては共通テストや中堅私大とされています。
このシリーズでインプットしていくことに加えて、問題集を解いてアウトプットしていけば、ある程度の点数は安定して取れるようになるでしょう。
ただ難関大学を志望している場合、このシリーズのみだと情報量が少ないので、これに加えて別の参考書も勉強したいところです。
石川昌康 日本史B講義の実況中継
こんな人におすすめ
- 十分に時間がある人
- 日本史が好きだったり、すでにある程度の基礎知識があったりする人
- 日本史の詳しい知識を講義形式でわかりやすく学びたい人
- 難関大学を志望している人
石川晶康 日本史B講義の実況中継(1)原始~古代 (実況中継シリーズ)
どこの大学を志望しているとしても、このシリーズをやっておけば知識量では心配のない参考書です。
全4冊で構成されており細かい知識も丁寧に解説されているため、1冊あたりの分量も多くなっています。
また、講義が収録されたCDも付属でついているので、参考書のみでの学習に不安がある人にも安心です。
この参考書に加えて問題も解いていき、抜けがあればまたこの参考書に戻る作業を繰り返していけば、最難関大学でも十分に戦える状態になれるでしょう。
ただ知識量が豊富な分、日本史の初学者や暗記があまり得意ではない人、入試本番まであまり時間がない人は上記の『一度読んだら~』や『金谷の~』から始める方が無難でしょう。
用語暗記編
通史の参考書のみでは点数は伸びきることはありません。
用語のインプットをさらに強化することで通史の理解も深まります。
そこで、一問一答形式で用語暗記をするのが日本史学習のスタンダードとなっていますので、ぜひやってみましょう。
スピードマスター 日本史問題集
こんな人におすすめ
- 最短で用語暗記をしたい人
- 共通テストのみで日本史を使用する人
入試で必要最低限の用語が全30テーマでされて収録されている問題集です。
表紙にもあるように、1日1テーマで進めて30日で終わるようになっていますので、最短で用語暗記をしてしまいたい人にはおすすめです。
ただ、詳しい説明が書いてあるわけではないので、通史の参考書と並行して進める勉強法が効率的でしょう。
日本史B一問一答 2nd edit 完全版
こんな人におすすめ
- 日本史の知識を固めたい人
- あらゆる難易度に対応する一問一答をやり込みたい人
日本史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)
中堅私大以上を狙うなら必ずやっておきたい1冊です。
日本史で問われる用語をほぼ網羅しているため分量は多いですが、逆にこの参考書に載っていない用語が出題されたら仕方がないくらい、日本史の辞書とも言える参考書です。
収録されている用語はレベル別に星がついており、志望校別に覚えるべきものと時間に余裕があれば覚えるもので分けても良いでしょう。
常に手元に持っておき何周も繰り返して使い倒したい1冊です。
問題集編
インプットだけでなくアウトプットをすることで自分の知識の穴を見つけたり、多角的な視点でとらえたりして知識の整理をするためにも、問題集は欠かせません。
イチから鍛える日本史 必修編
こんな人におすすめ
- 頻出の問題を落とさずに得点したい人
- とりあえず問題集の1冊目をしたい人
頻出の良問が多数収録されており、資料問題の対策もしっかりできる良書です。
解説も詳しく、なぜその解答に至ることができるのかもしっかりと理解することができます。
問題も解きつつ知識を整理するためにも一度はやっておきたい参考書です。
またレイアウトも見やすく、比較的手に取りやすいのではないでしょうか。
実力をつける日本史100題
こんな人におすすめ
- 知識のインプットが一通り終わり、総合的な問題にチャレンジしたい人
- 最難関大学レベルまで対応の演習を積みたい人
通史や一問一答の用語もほぼ固まり、ある程度の問題なら解ける状態になってから取り組みたい参考書です。
各時代の重要事項の確認や、論述形式の問題の対策ができます。
75題が時代別の問題、20題がテーマごとにまとめられた問題、5題が論述形式となっています。
解説も詳しく書いてあるので、問題を解いて丸付けをして終わるのではなく、解説を理解できるまでやりこみたい1冊です。
考える日本史論述
こんな人におすすめ
- 志望校に論述がある人
- 論述を独学で対策したい人
“考える”日本史論述―「覚える」から「理解する」へ (河合塾SERIES)
旧帝大などを日本史で受験予定の人は、論述の対策が必要です。
しかし、論述の対策は独学ではしにくい一面があり、少し困る部分もあるのではないでしょうか。
この参考書は、独学で論述の対策ができるような構成となっているので、日本史の論述対策にはもってこいです。
どう思考すれば正解にたどり着けるのか、その考え方のプロセスが解説されています。
また、採点基準も細かく書かれており、何が書かれていれば得点になるのか細かく書かれているのも特徴です。
解説がハイレベルなため、必ず基礎事項のインプットが終わってから取り組みたい参考書です。
文化史編
日本史の通史は得意だけど、文化史だけは苦手という人は少なくないのではないでしょうか。
文化史のおすすめ参考書も紹介していきます。
金谷の「なぜ」と「流れ」がわかる本 文化史
こんな人におすすめ
- 文化史が苦手な人
- 文化史を勉強するときのとりあえずの1冊目
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】文化史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業シリーズ)
通史編でもおすすめした金谷のシリーズです。
初学者に対してやさしく丁寧に、授業形式で解説されているので、文化史が苦手という人にもおすすめの1冊です。
ただ、細かい知識まで説明されているわけではありませんので、志望校が高い場合にはこの1冊プラスで詳しい参考書を勉強したいところです。
攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実践
こんな人におすすめ
- ある程度の大学を志望する人
- テーマごとに知識を整理したい人
テーマ史と文化史の2部構成となっておりしっきりとした参考書です。
テーマ史では、交渉・経済・社会・政治などから22テーマが収録されています。
また文化史では、各時代の文化も詳しく解説してあります。
文化史について細かく解説されており、中堅私大以上を狙うのであれば何周かはしたい参考書です。
まとめ
日本史の教科書は詳しく書かれている反面、面白味が少なく、知識の整理をしにくいというデメリットもあります。
そこで教科書ではなく参考書を使用するという選択肢は当然ですし、むしろそのほうがいい面もあるかもしれません。
しかし世の中には数えきれないほどたくさんの参考書が溢れており、どれが自分にとって最適なものなのか、なかなかすぐに正解は出すことができないこともあるでしょう。
参考書選びに悩んだらまず、自分はその参考書で何を得たいのかを明確にすると参考書を選択しやすくなります。
その上で求めているものと合致する参考書を見つけ出してください。
今回掲載したのは、数ある日本史の参考書の中でも間違いのないものばかりです。
もし参考書選びに悩んだら、今回ご紹介した参考書の中から選ばれることをおすすめします。
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