「大室温泉まきばの湯」 掘り当てた長野市の伊東富男さん 毎日漬かる

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温泉前に立つ伊東富男さん。「常連客には会長さんて呼ばれるけど、もう何の肩書もないんだ」と笑う

 真っ白な湯気がぐるぐると渦巻き、ゴーッという音とともに地面から立ち上がる。1998年の長野冬季オリンピックを迎える少し前、長野市松代町大室の山腹で、当時造園業を営んでいた伊東富男さん(87)が温泉を掘り当てた。現在の日帰り温泉施設「大室温泉まきばの湯」だ。「多くの人に助けられていつの間にか温泉ができた。不可思議なもんだ」と振り返る。

 スギやケヤキを植林しようと、森林組合に頼んで雑木林を伐採。すると、地面から湯気が出た。地元の人は誰もそんなところに温泉があるとは知らなかった。温泉施設を造る資金はなく、林の中にそれほど大きくない浴槽を設置。一日泥だらけになって働く従業員たちが疲れを落として明日も元気に働いてほしい―と、自分も一緒に仕事を終えた後、湯に漬かった…

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