東京・中野区で、小学校などの近くに、暴力団事務所を構えた疑いで、組長ら7人が警視庁に逮捕された。
東京都暴力団排除条例違反の疑いで逮捕されたのは、指定暴力団・住吉会系組長の李在成容疑者(58)や幹部・組員ら合わせて7人。

暴排条例22条には「学校、図書館、児童福祉施設等から200メートル以内に暴力団事務所を開設及び運営してはならない」と規定されている。しかし、李容疑者らは、この禁止規定に違反して、おととし3月から今年1月まで、中野区の学校から200メートル以内の場所に、組事務所を構えた疑いがもたれている。
事務所は、飲食店などが入居する雑居ビルの3階。およそ140メートル離れたところに小学校が、およそ65メートル離れたところに高校があるとのこと。
事件発覚のキッカケは「路上駐車」だった。路上駐車のクレームを受けて、駆けつけた野方署の警察官が職務質問をしたところ、車には暴力団員風の男が乗っていたという。
男が、ビルに向かったため、警察官も同行しようとすると、「見るな。住侵(住居侵入のこと)だぞ」などと抵抗したとのこと。

男の言動が不審だったたため、警視庁暴対課などは、ビル内に組事務所があるとみて内偵捜査を開始。その後、組員が関与していた別の薬物事件で、家宅捜索を行った結果、事務所の中から、組の看板や、いわゆる「代紋」が入った傘が見つかったという。
李容疑者の組は、構成員など合わせて20人程度。逮捕された7人のうち1人は、事務所を賃貸した際の名義人の男だった。男は組員ではなく、李容疑者らに賃貸を仲介していたとのこと。
現場の事務所には、李容疑者らも出入りして、拠点として使用していたという。暴対課などは、今後、活動実態などを調べる方針。なお、組事務所の所在地や容疑者の認否は明らかにされていない。
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