人気のある資格の上位に挙げられる宅建と簿記2級ですが、この2つの資格にはどのような違いがあるのでしょう。
また、どちらの難易度が高いのでしょうか。
今回は人気資格である宅建と簿記2級について比較します。
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宅建士と簿記2級の違い
宅建士
宅建士は不動産取引のエキスパートです。
不動産取引契約時の重要事項説明など、宅建士にしかできない業務があり、持っていると不動産業界で幅広く活躍できる国家資格です。
関連コラム:宅建士とは?主な仕事内容と求められる能力について
簿記2級
簿記2級は企業活動や会計に関して、適切な処理や分析ができる「経理のスペシャリスト」の資格です。
経理・管理部門で活躍できる資格で、経理関係の転職の際にも有利です。
宅建士と簿記2級、難易度が高いのは
宅建士と簿記2級に関して、解答方式なども違うので一概には言えないですが、総合的にみて難易度が高いのは宅建士です。
宅建士の方が合格までに必要な勉強時間が多いと言われています。
また、例年の合格率も宅建士の方が低くなっています。
また、宅建の試験は毎年秋に1回だけで、合格できなければ翌年の秋までチャンスがありません。
簿記2級の試験は、毎年2月、6月、11月の年3回ありますから、当日の体調など調子が悪くて合格できなかった場合など失敗があっても、すぐに挽回するチャンスがある点も有利です。
試験内容を比較
宅建士試験の出題数は50問で、4択のマークシートで解答する方式です。試験時間は2時間です。
宅建士の試験は以下のように幅広い範囲から出題があります。
・権利関係
・宅建業法
・法令上の制限
・税その他
宅建士試験は、単なる暗記だけでは解けない、応用力を問う問題が多く出題されます。
しっかりした勉強が必要です。
一方、簿記2級の試験科目は、商業簿記、工業簿記です。
商業簿記は、企業の購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業活動の適切な報告を行う目的を有するものです。
工業簿記は工場でのモノづくりに関して材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能会計処理になります。
簿記2級の試験時間は宅建士と同じ2時間で、問題数は大問が5問で各20点、第1問の仕訳問題などはいくつかの小問に分かれています。
解答は答案用紙に数字などを記入していく方式になります。
ある程度一定のパターンで出題がされますので、パターンを覚えて、しっかり勉強をすれば確実に解答できるようになります。
しかし、工業簿記は、製造業に関わっていない人にとっては、知らない単語も多く、イメージがわきにくいので苦手な人も多いようです。
関連コラム:宅建試験日&申し込みから合格発表までの日程・試験概要を解説
合格率を比較
合格率の観点からいうと、合格率が低いのは宅建です。
宅建の合格率は例年15~17%です。
参考:不動産適正取引推進機構
それに対して簿記2級の合格率は、40%を超えることもありますが、低い時は10%程度のこともあり、かなりバラつきがあります。
参考:日商簿記公式サイト
簿記2級の合格率にバラつきがある理由として、合格点が決まっているということがあります。
簿記2級は、100点満点中70点以上の正解で合格となります。
70点以上とれた人は全員合格になります。
そのため、簿記2級の試験では難易度が高い試験の回では合格率が低く、簡単な試験の回では合格率が高くなるのです。
合格に必要な勉強時間を比較
勉強時間の観点からも、宅建の方が必要な勉強時間が長いとされています。
宅建の合格に必要な勉強時間が300~400時間と言われるのに対して、簿記2級は200時間以上と言われています。
宅建の範囲には、民法、宅建業法、建築基準法など様々な法令からの出題があります。
特に法律の初学者にとっては、考え方に慣れるまでに相当な勉強時間が必要になります。
これに対して簿記2級は、ポイントを押さえた勉強ができれば約200時間で合格できると言われています。
また、簿記2級は簿記3級の合格者ならプラス150時間で合格レベルの到達できます。
基本的には3級から取得して、2級に移行するのがよいでしょう。
また、簿記は得手不得手が強く出る科目と言えます。数学が得意な人や、数字を扱うのが好きな人は短い勉強時間でも合格レベルの理解ができることもあります。
関連コラム:宅建の独学合格に必要な勉強時間は?最短合格のためのおすすめ勉強法も解説
どちらを取得すべきか
2つの資格は役割が違うので自分の目指したい方向に合わせて資格を取得しましょう。
不動産業界で活躍したい方は宅建士がおすすめ。
数字が得意で企業会計、財務に興味がある方は簿記2級の取得がおすすめです。