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(舞)お母ちゃんごめん まだ仕事中。
[℡](めぐみ)ごめん。 ばんばが入院したんやて。
ばんばが?[℡]うん。 船で倒れて病院に運ばれたみたいやの。
信吾さん 何て?
(めぐみ)ばんばな船着き場で お客さん降ろしたあと急に めまいがする 手がしびれるて言うたんやて。
信ちゃん お客さん役所に案内するとこやってんけどばんばの顔色見てすぐに大きい病院連れていってくれてん。
そっか…。
(ため息)
脳梗塞て…。
うん… 軽いうちらしいけど…。
詳しいことは 検査の結果が出てみんと分かれへんねんて。
とにかく 明日 五島に行ってくる。
うん…。
(貴司)舞ちゃんも行ってき。歩は 僕が見てるから。
いや けど…。大丈夫やって。
祥子さんの顔 見てきて。
ありがとう。
お願いします。うん。
♪~
♪「公園の落ち葉が舞って」
♪「飛び方を教えてくれている」
♪「親切にどうも」
♪「僕もそんなふうに」
♪「軽やかでいられたら」
♪「横切った猫に」
♪「不安を打ち明けながら」
♪「ああ 君に会いたくなる」
♪「どんな言葉が 願いが景色が」
♪「君を笑顔に幸せにするだろう」
♪「地図なんかないけど歩いて探して」
♪「君に渡せたらいい」
♪~
ああ…。
(めぐみ)母ちゃん。(祥子)ああ…。
ばんば。
悪かったね 忙しかとに来てもらって。
何ば言いちょっとね。
歩や?
貴司君が 見てくれてる。
そうね。 みんなに迷惑ばかけたね。
具合や どがんね?
およ 随分と楽になった…。
じゃばってん手と足のしびれが まだ取れんとさ。
幸い かなり軽いようですので2週間後には 退院できるでしょう。
そうですか… ありがとうございます。
ただですね 麻痺まではいかなくても手足のしびれは 残るかもしれません。
そしたら 船には…。
まあ もう乗らん方が よかでしょうね。
年齢も年齢ですから再発の危険もあるとですよ。
なるべく 一人に させんごとご家族が注意して見てあげてください。
そのこと 母は知っとるとでしょうか?
はい。
ああ…。
ばえー! 会わんうちにざぁまに大きくなっちょる。うん。
めっちゃ元気やで。 風邪もひかへん。
ばんばが作ってくれたばらもん凧のおかげや。
およ。
今度 連れてくるな。およ。
舞。 ばんばの着替え取ってきてくれへん?
分かった。うん。
今から船の往復ばすっとや 大変たい。
着替えは 明日でよか。
そしたら 先 渡って信ちゃんにお礼言うといて。
うん。 お母ちゃんは?
ばんばと 話 したいことあんねん。
分かった。うん。はい。
ジャムも持ってっとくな。あっがとね。
行ってきます。はい。
聞いたとやろ。
もう 船にや乗れんち。およ。
1人暮らしも駄目っちた。およ。
これでばんばの家にあったジャム 全部です。
(さくら)分かった。 ありがとね。ああ いや…。
ばんば しばらくジャム作られへんかもしれません。
およ…。
のんびり待っとるけんっち 伝えちょって。はい。
(一太)舞。ああ。
(信吾)舞ちゃん。ああ すいません。ご挨拶行くつもりやったんですけど…。
よかよか。 祥子さんの具合 どがんね。
思ったより元気そうでした。
信吾さんのおかげです。ホンマにありがとうございます。
なんのそん。あ…。ん?
これ よかったら。ああ もう気ぃ遣わんで よかとに もう…。
舞ちゃん 座らんね 座らんね ほら。ああ すいません。
あっがとね。
元気出せっち。あのばんばぞ?
ざぁまなスピードで回復するに決まっちょる。
うん。うん ありがとう。
およ。
慶太君や 帰ってきたと?うんにゃ 最終の飛行機っちた。
慶太君 帰ってんの?およ。
ドローンで 荷運びする実験ばするとって。
島から島へ薬とか食料ば運ぶ 物流ドローン事業に役場も関わっちょっとさ。そうなんですね。うん。
ドローンで…。これからや海だけじゃなかとぞ。 空たい。
おいも 手伝っちょっとさ。
まあ ドローンとや家族ぐるみのつきあいやね。
何が家族ぐるみか。(笑い声)
また舞が来た時に やっちょったらテスト飛行ば見に来んね。
うん ありがと。うん。
ああ ほな…。
待って。 ちょっと待っちょってね。
(さくら)これ むっちゃんから。え~!
祥子さんに食べてもらって。
わ~! ありがとうございます。 喜びます。
もしもし。
今 ばんばの家。
歩 どう? 何してる?
おとんとおかんを楽しませてくれてる。
[℡]ああ… 来てくれはったんや。ようお礼言うといて。
うん。 こっちは心配いらんから。ありがとう。
明日の夜には 帰るな。
分かった。 気ぃ付けて。
[℡]うん ほなまた。うん。
(梅津)はい チーズ うめづ バファローズ。よいしょ。
お義父さんとお義母さんが来てくれはったって。
ああ… 助かるな。うん。
お医者さんがなばんば 一人で暮らさせんのはやめた方がええて。
なるべく はようちに来てもらいたいねんけど…。
けど ばんば島から離れたくないんちゃう?
さっきも断られた。
大阪にや行かん。
けど このままやったら あかんわ。
(木戸)祥子さん 悪かね。
直らんかったとね。(木戸)およ。
しょんなかさ。 もう ざぁまに古かけんね。
(祥子)先生がもう船にや乗れんっち言うとさ。
(木戸)そうね…。
(祥子)じゃばってん… もっと乗りたかとよ。
(木戸)祥子さん そっや無理たい。
諦めんば。
(祥子)めぐみ丸や どがんすっとか。
古か船やけん 廃船になるやろう…。
めぐみ丸ば若葉ちゃんに託したらどがんな?
うんにゃ あん子や まだ船に乗り始めたばっかりぞ。
おはよう。
豪さん。おはよう。おはようございます。
わざわざありがとうございます。うんにゃ。 2人ともご苦労さん。
ばんば 具合どう?およ。
さくらさんにジャム届けてきた。およおよ。
ほんでな…。
ジャン! これ むっちゃんからばんばにって頂いた。
そうね。 あっがとね。
♪~
こんラジオ 覚えとっか?
うん。 おじいちゃんのラジオやろ?およ。
ジャ~ン!
さすがん おいもちょっと てこずったけどね。
何せ 雄一さんが元気やった頃んラジオやもん。
雄一さんっちゅうとはな舞ちゃんのじいちゃんたい。
雄一さんが亡くなってからも祥子さんは あん船に乗り続けてくれとったとさ。
こいば相棒にしてな。
懐かしいなぁ。
もう完全に壊れてしまったとよ。
新しかとば買わんばたいね。
母ちゃん。 もう 船は操縦できんとよ。
私な 母ちゃんば 一人で島に置いとくとや心配やけん。
一人じゃなか。 みんながおる。
これからも島で暮らす。
話は終わりたい。
ほれ 2人とも そろそろ大阪へ帰らんと。
わざわざ すまんかったね。