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未来プロジェクト

大成建設は、常に未来の豊かな環境創造を目指してきました。 ここに大成建設が過去に発表した都市開発構想や宇宙開発構想などをいくつかご紹介します。

  • X-SEED 4000
  • アリスシティネットワーク構想
  • ジョナサン
  • ネバー・ネバーランド
  • NASH
  • 水中トンネル
  • 「エアポリス」構想
  • リニアモータカタパルト
  • 月面実験研究基地「SUPER LAB」
  • 宇宙工場「GOLDEN BIRD」

ALICE City Network「アリスシティネットワーク構想」

アリスシティネットワーク
アリスシティネットワーク

都市の過密問題を解決する方法として、未利用である地下空間の利用(ジオフロント開発)に着目し、地上と地下の一体化を図った都市づくり構想です。地下150mに及ぶ巨大地下空間に、既存の都市機能を再配置し、都市の活性化を図り、地下に緑とゆとりの空間を創出する立体的で快適な地下都市です。アリスシティは、地上機能の拡大を図るアリスタウン空間、都市間を結ぶ機能を持つアリスターミナル・オフィス空間、地上のバックアップ機能を持つアリスインフラ空間から構成されています。

アリスシティ全体図
アリスシティ全体図

アリスターミナル・オフィス空間
アリスターミナル・オフィス空間

アリスインフラ空間
アリスインフラ空間

沖合物流基地構想「NASH」

沖合物流基地構想「NASH」

「NASH」(New Accumulated Super Harbor for marine transportation)は、物流の合理化とともに、渚線・親水空間の復元や保全を可能にする沖合物流基地です。人工島はあらかじめドックなどで製作したコンクリート製函体を現地まで曳航して設置します。その際、沿岸部の軟弱な海底地盤を想定して、基礎部には鋼製円筒セルをカウンターウェイトの重みで地盤中に圧入する特殊な工法を開発して対応します。そのため、埋立式工法に比べて工期短縮とともに、水質汚濁などの環境汚染が最少に抑えられます。また、従来の物流基地は、平面的な利用しかされてきませんでしたが、これを函体式にすることにより、地下掘削などの手間をかけずに、内部の2~3層の階層利用が可能となり、同一平面積で高度な多目的利用が図れます。

次世代航空機用国際空港「エアポリス」構想

次世代航空機用国際空港「エアポリス」構想

次世代航空機向け国際空港「エアポリス」は、都市に近い海上に立地し、次世代超音速航空機の発着施設を中心に、従来の空港にはない新しい施設を併せ持った新しい国際空港です。広大な滑走路やエプロンの地下に、超高層ビルなら30棟分もあるスペース「エアシティ」を擁し、この中に高次加工センター、保税倉庫などの保税ゾーン、オフィス、会議室、金融機関などのオフィスゾーン、飲食、物販、娯楽施設などのアメニティゾーンなどを設けます。この「エアポリス」は世界の政治、経済、文化のインターチェンジとしての役割を果たすものです。

月面利用可能性調査のための前哨基地 月面実験研究基地「SUPER LAB」

月面利用可能性調査のための前哨基地 月面実験研究基地「SUPER LAB」

「SUPER LAB」は、月面都市建設の可能性調査基地、月資源探査基地、惑星探査の中継基地として、将来の宇宙開発の拠点となる施設です。100人を収容できるこの基地は、内部を地球と同じ環境にして、人間が研究・生活する場を提供するもので、居住、実験、植物栽培/動物飼育、CELSS(閉鎖性生態系生命維持システム)関連モジュール、月面宇宙港、原子力発電施設などから構成されています。また、強い宇宙線、高真空、昼夜温度差などの月面での苛酷な自然条件を克服するさまざまな工夫が施されています。

超超高層未来都市構想「X-SEED 4000」

超超高層未来都市構想「X-SEED 4000」

1990年に発表された、超超高層未来都市構想です。天高くそびえ立つ高さは4,000m、直径6,500m。800階建ての未来都市に160万人もの人々が生活します。構想にあたり研究の対象となったのは、技術的な可能性ばかりでなく、社会構造、政治、経済、法制度から人間の心理、モラルにまで及びました。ピカピカと光る第2の富士山が東京湾に浮かんでいる姿を想像することができるでしょうか。

フローティング・ステーション「ジョナサン」

フローティング・ステーション「ジョナサン」

ジョナサンは、水深50~100mの大水深海域に浮かぶ巨大人工島です。鳥が翼を広げたような形状は、幅560m・長さ320m・高さ30m。一点係留方式によって、波向きや風向きに応じて人工島を回転させて、人工島の背後におだやかな海域をつくりだせるのが大きな特徴です。その独特の形状と海底に設置した“重し”との中間に設けた浮力体の働きによって、厳しい波や風にも大きく動揺することがありません。また、両翼の前面に振子式の波エネルギー吸収装置を設置。吸収された波エネルギーにより発電を行い、人工島の位置を制御する推進装置のエネルギーとして利用します。ジョナサンは、マリンレジャー施設、海洋牧場、海洋モニタリングネットワーク施設などの多目的施設としての利用が可能です。

レジャーアイランド「ネバー・ネバーランド」

レジャーアイランド「ネバー・ネバーランド」

ネバー・ネバーランドは、水深が15〜30mの湾内の沖合に建設される軟着底方式の人工島です。基本構造として軟着底方式を採用しているため、大水深海域や比較的軟弱な地盤でも、安全かつ経済的に人工島の建設が可能です。人工島の基部に新しいタイプの消波構造を採り入れ、波力の低減を図ると同時に、人工島内部におだやかな海域をつくりだします。さらに、波や潮などの自然エネルギーや海洋微生物などの働きを利用した海水浄化機能を備え、常にきれいで豊かな海を実現します。24時間営業の複合レジャー施設、ホテル、コンベンション機能を備えたビジネス拠点など、多目的な海洋空間利用を図ることができます。

Submerged Floating Tunnel「水中トンネル」

Submerged Floating Tunnel「水中トンネル」

水中トンネルは、浮力を持つトンネルチューブに係留索を取り付け、海中に浮いた状態で係留索をアンカーによって海底に固定する新しいタイプの渡海構造物です。従来の長大橋や海底トンネルなどに比べて、海底地形の変化や水深による影響が少ない上、波浪や地震による動揺をある程度許容するため、免震性が期待できるなどのメリットがあります。また、航行船舶に対しても、高さ制限、航路障害などの心配が少ないことも大きな特徴です。

リニアモータ駆動宇宙往還機発射施設「リニアモータカタパルト」

リニアモータ駆動宇宙往還機発射施設「リニアモータカタパルト」

国際宇宙ステーションの建設が始まると、スペースシャトルのような宇宙往還機による物資や乗員の輸送が頻繁に行われることが予想されていました。しかし、ロケット総重量の90%は燃焼材と言われるほど、打ち上げには大量の燃料が必要です。リニアモータカタパルトは、スペースシャトルのような宇宙往還機をリニアモータで加速し、初期高度(地上約1,700m)・初期速度(時速約630km)を与えて宇宙へ打ち出すシステムです。このシステムを使うことにより、スペースシャトルの場合、総重量の約15%の燃料(約300t)が節約でき、地表付近の燃焼が減少するため、大気への影響も軽減できます。

地球周回低軌道上の新材料生産施設 宇宙工場「GOLDEN BIRD」

地球周回低軌道上の新材料生産施設 宇宙工場「GOLDEN BIRD」

宇宙空間の無重量環境・超真空環境を利用した、新素材や有用物質の開発が注目されています。「GOLDEN BIRD」は、スペースシャトルや宇宙ステーションなどで培われた材料製造技術を駆使し、純粋で高品質な材料や、今まで地球上ではできなかった新しい物質の生産を行う、地球周回低軌道上に設けられた、宇宙工場です。宇宙工場の建設は、全体工期を4段階に分け、モジュールや建設資材はスペースシャトルなどで輸送し、マニピュレータやロボットを用いて建設が行われます。建設が終了した段階で、36名が滞在し、新材料の生産を行います。

先端建設技術ビジュアルレポート「テクノフロント1990」(大成建設テクノフロント研究会編・1990年発行)より