2023年3月12日(日)
韓国性産業の実態語る
都内 搾取と暴力でシンポ
「性購買という搾取と暴力」と題したシンポジウムが11日、都内の大学構内で開かれました。韓国の性産業で約20年間を過ごした経験を出版したポムナルさんが来日し、「学校を辞め、家族を養うために性売買の世界に引き込まれた。前借金でしばりつけられ、暴力も受けた。女性が自発的に性売買をしているのではない」などと語りました。
シンポは8日の国際女性デーに合わせて開催。ポムナルさんの著書『道一つ越えたら崖っぷち』の日本での出版元が主催し、出版元代表でもある作家の北原みのりさんが司会を務めました。新型コロナ対策で絞った参加枠ほぼいっぱいの約100人が参加しました。
ポムナルさんは執筆に7年かかったとして「性売買の中での人生を振り返るのは大変苦しくつらい時間だった」「すでに20年以上の時間がたつが、店にいたころの記憶を消し去ることはできない。トラウマとして残り続けている」と述べました。
韓国で女性の人権向上に貢献した人に贈られる賞を受けました。しかし「いいことだけではなかった。インターネットで悪意ある書き込みが激増し、心理的に苦しめられた」とも語りました。
一般社団法人Colabo(コラボ)の仁藤夢乃代表らとのトークもありました。
仁藤代表が性売買の当事者支援を念頭に「当事者ではない人たちに何ができるか」問うと、ポムナルさんは「皆さん自身が当事者。女性であるだけでさまざまな差別や嫌悪にさらされる。性売買の現場とは暴力の種類と色合いが違うだけ。当事者として、問題を世の中に伝える証言者になってほしい」と呼びかけました。
「性売買が女性搾取で暴力だという視点がまだ弱いのではないか」との意見も出されました。