「八幡屋磯五郎」ではありません 社名表記「今一度ご確認を」とお願い文書配布 八幡屋礒五郎
八幡屋礒五郎(長野市)が「社名漢字表記のお願い」と題した文書を協賛先の団体などに配っている。問題の漢字は「礒」。パソコンで「いそごろう」と打ち、誤って「磯」に変換されたまま情報発信されることがあるという。社名の誤りをつつましい姿勢で防ごうとしつつ、会社の存在感を放っている。
文書はA4判1枚。「お手数ですが、弊社社名ご使用に当たっては今一度ご確認をお願いいたします」と案内し、ひときわ大きな文字で〈正:礒〉〈誤:磯〉と記載。文字の色を礒は赤、磯は青で塗り分ける念の入れようだ。
9代目の室賀栄助社長によると、誤表記は「しょっちゅうある」。協賛した2月の中信地方の催しでも、チラシに「八幡屋磯五郎」と記されていたという。だが、同様の間違いがよく起きることを伝えなかった「うちの落ち度です」と社長。「社名を間違えると、かえってご迷惑をおかけしてしまいますし…」と、改めて文書を配り始めた。
同社は1736(元文元)年、善光寺境内で七味唐辛子の販売を始めた創業時から屋号は八幡屋礒五郎だった。由来はいくつか考えられるものの、詳細は不明という。
変換ミスは「いそごろう」という読み方が分かっているからこそで、室賀社長は「ありがたいこととは言わないですが、それだけ名前が浸透しているということでしょうか」と控えめにアピールした。