「選択的夫婦別姓で、何か具体的に困ることはあるのか?」 自民党議員の質問に法務省は…

    自民党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」が総会を開催。海外在住の人や国際機関などで働く女性などが、通称使用で直面する様々なトラブルについて、当事者としての経験を語った。

    自民党の中でも「選択的夫婦別姓」に対して推進派の議員らでつくる「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」(浜田靖一会長)が12月16日、衆議院議員会館で総会を開いた。

    党内の反対派が「旧姓の通称使用」の普及を掲げるなか、海外在住の人や国際機関などで働く女性が、通称使用で直面する様々なトラブルについて、当事者としての経験を語った。

    「推進派 vs 反対派」自民党内で分裂

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    同議連は菅政権下の今年3月に設立され、呼びかけ人には岸田文雄・現首相や、野田聖子・現男女共同参画担当相などが名前を連ねた。議連のメンバーは101人で、岸田首相は現在も顧問を務めている。

    一方、自民党内では「伝統的家族観」を重んじる保守派の議員を中心に、選択的夫婦別姓に強固に反対している議員が多く、安倍晋三・元首相や高市早苗・現政調会長などがその筆頭として知られている。

    推進派に対抗する形で、反対派も今年4月に議連を立ち上げ、選択的夫婦別姓ではなく、旧姓の通称使用をさらに普及させるべきだという立場をとっている。

    反対派は党内で根強い力を持っているとされ、今年10月に行われた衆院選でも、公約政策集の原案にはあった「夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方についてさらなる検討を進める」という一文が削除された

    こうした姿勢は与野党の中でも際立っており、衆院選に向けた党首討論会では、「選択的夫婦別姓を導入するための法案」の提出に賛成する場合は挙手を、という質問で、与野党の9党首の中で、自民党の岸田総裁のみが手を挙げなかった

    岸田首相は12月8日に開かれた衆議院本会議で、立憲民主党の西村智奈美・幹事長の代表質問に対して、次のように答えた。

    「選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間に様々な意見があることから、子どもの氏のあり方についてしっかり議論をし、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えています」

    通称使用には「限界がある」

    16日の総会には、野田担当相や石破茂・元幹事長などが出席。

    まず、内閣府男女共同参画局の林伴子局長が、旧姓の通称使用拡大に関するこれまでの経緯や、2020年度に実施したパブリックコメントに寄せられた意見などを紹介した。

    中でも、通称使用の「限界」を指摘する声には、税金関連や銀行口座の開設など、通称使用ができない手続きが多く存在すること、様々な手続きによる金銭的・時間的・心理的負担が生じていること、改姓自体がアイデンティティの喪失につながっていることなどがあったと説明。

    また、専門調査会に参加した有識者の意見として、「通称使用のために行政がこれだけ煩雑な事務を担っているのは、経済的合理性の観点から容認できる範囲を超えているのではないか」などとの声があると指摘した。

    「そもそも旧姓使用という概念がない」

    選択的夫婦別姓の実現を求めて活動している市民団体からは、実際に通称使用で生じている様々なトラブルについて、当事者の経験を紹介した。

    夫婦「同姓」を強制しているのは世界で日本だけであることから、外資系企業や国際機関で働く場合や、海外渡航・駐在・永住などで生じるトラブル事例を挙げた。

    海外経験のある当事者からは、「そもそも海外には『旧姓の通称使用』という概念がないので、理解を得るのが難しい」「身分証による本人確認が必要な場面で支障が出る」「身分証によって戸籍名や旧姓の表記がバラバラのため、現地の身分証を発行することができなかった」などの声があった。

    国際機関などで勤める女性からは、研究実績やキャリアを積み上げてきた旧姓で働くために、組織に入る前にペーパー離婚をして、事実婚に切り替えざるをえなかったという経験などが語られた。

    仕事で旧姓を使っている女性は、コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、家の中でも旧姓を用いる場面が多くなり、3歳の子どもから「ママは〇〇(旧姓)さんなの?」と質問された経験を紹介。

    「私の子どもはまだ3歳ですが、『ママは〇〇なんだよ、おじいちゃんおばあちゃんと一緒だね』と説明したら、すぐにわかってくれて」

    「ママは〇〇さん、父は△△さん、自分は△△さんといった形で、それぞれの名前をしっかり認識していますが、家族として仲良く、問題なく暮らせています」

    反対派からは選択的夫婦別姓は「家族の絆を壊す」といった主張もあるなか、「ご心配いただくようなことは、大人がきちんと説明してあげれば大丈夫」と語った。

    「強制する要素が何もない制度」

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    議員からは法務省の金子修・民事局長に対して、「選択的夫婦別姓が導入された場合に、実際に何か困るというケースは具体的にあるのか」と質問があった。

    金子局長は「選択的夫婦別姓は『選択的』なので、強制する要素が何もない制度。この考え方のカップルはこう、違う考え方のカップルはこうと、それぞれの考えに合わせて選択できるので、色々な考えの人に対応できる制度」だと答えた。

    コメント2件

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    • 1 年前
      >「選択的夫婦別姓で、何か具体的に困ることはあるのか?」 あります。親子別姓です。 世界中の夫婦別姓を認める国は、子の姓にミドルネームを認めている。完全親子別姓になってしまうのは、日本の選択的夫婦別姓だけ。 そんな制度は断じて認めるべきではない。
    • 2021年6月23日、最高裁判所大法廷(大谷直人裁判長)は、夫婦同姓を強制する民法第750条及び戸籍法第74条1号について、いずれも合憲と判断した。 夫婦別姓推進派の方たちが、夫婦別姓(選択制を含む)への賛成を呼びかけること、それ自体を否定するつもりはないが、日本国の主権は、日本国民が主体的に判断する。夫婦別姓(選択制を含む)の是非については、国政選挙により日本国民より負託された国会議員が丁寧に議論し、その議論の過程を国民に広く情報開示したうえで国会において多数決で決めるべき。 夫婦別姓(選択制を含む)について、昔々、法制審議会の答申があり、法務省もこの答申を一応尊重するとしていたが、2018年に立憲や共産が国会に提出した法案は、この答申(婚姻時に子の氏を決め...
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