今回は、最近ネットで見つけた謎の飲み方、「アカプルコ」について深掘りしていきます。

ウイスキーの麦茶割り

アカプルコ、というのは、元々はメキシコ南部の地名で、貿易港、リゾート地として知られています。

そのアカプルコの名を冠したカクテルは存在しており、ラムとコアントローというホワイトキュラソー、レモンジュースに、卵白と少量の砂糖を加えてシェイクして作ります。
ちなみにこれから卵白とコアントローを抜くと、ダイキリになります。

しかし、それとは別にアカプルコを冠するカクテルがありました。
簡単に言えば、ウイスキーの麦茶割りです。
このCMは、サントリーが1983年頃、おそらくは夏あたりで放送していたようです。

当時、若者においては甲類焼酎がブームになっていて、チューハイ、サワーも定番になっていました。
甲類焼酎の製造免許をまだ持っていなかったサントリーは、ウイスキーで巻き返しを図ろうと、このアカプルコを提案したのではないかと思われます。

元々モルトウイスキーの原料である麦芽は大麦だし、麦茶も大麦を使っているから、香りなどで似ているのではとも思いますが、モルトウイスキーに使われる大麦は二条大麦で種籾が大きく、一方で麦茶に使われるのは六条大麦で粒が小さいものになります。

結局、このアカプルコは流行することなく消えて行ってしまいました。

飲んでみた

_DSC6886_01せっかくなので、アカプルコがうまいかどうかを試そうと思います。

テレビCMでは、使うウイスキーとしてトリスとサントリーレッドの2種類が出ていたので、今回はまず、トリスクラシックを麦茶で割って飲もうと思います。

テレビCMでは割合がよくわからなかったので、とりあえずウイスキーが1に対して、麦茶を3でわってみようと思います。

実際に飲んでみると、確かに普通の水割りに比べると麦の香りが目立ち、自然な甘みもプラスされるので、トリスのような香りの薄い安いウイスキーでもウイスキーらしさがちょっと出てくるかな、という印象です。

しかし、とびっきりうまいとはいえません。

癖の強いアイツとでは...

そこで、ウイスキーの中でも癖の強いラフロイグ10年とではどうなるか試してみました。
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ラフロイグ10年の正露丸の強い香りがしっかりしますが...お?意外と悪くない!
麦茶のほんのりした甘みが、ラフロイグの苦みや酸味とうまく融合し、飲みやすさがアップします。
元々癖が強すぎるので人を選びますが、水割りで飲むよりはおいしく感じました。

バーボン樽原酒と相性がよさそう

その後も手元にあるウイスキーで試してみましたが、バーボン樽原酒ベースのウイスキーの方がバニラの香りと相性が良くて、スイスイと飲めてしまいます。
比較的手に入るものというと、角瓶やブラックニッカ ディープブレンドあたりでしょう。

一方でシェリー樽原酒メインのウイスキーだとそんなに甘みが活きてきません。

正直、アカプルコはゲテモノだと思っていましたが、水割り派の人には試せるものだという発見がありました。

昔はティーバッグの麦茶を買って自分で水やお湯で抽出して作らないといけませんでしたが、今はコンビニでもペットボトルの麦茶が容易に手に入りますので、夏以外でもアカプルコを試せると思います。